10月24日の46節・湘南戦。ホーム側ゴール裏のスタンドに張り出された即席の横断幕には、こうあった。
「熊本スタイル断固支持!! 残り試合やりきろう!」
メインスタンドの記者席でこれを見つけて、なぜだか分からないけど泣きそうになった。
もちろん、これがサポーターの総意、ということではないかもしれない。だが熊本は、今シーズン昇格を争っているわけではなく、(誤解を恐れずに言えば)勝利という結果や、シーズン前に掲げた10位以内という目標が必ずしも必要、という状況には今のところない。当然、10位以内も達成できるに越した事はないし、残り試合全部勝ちたい。
だがそれだけが求められているかといえば、やっぱり違う。勝てばもちろん嬉しいし、例えば昨日の鳥栖対甲府みたいに、実際に昇格を争うような状況に数年後なれば、「そんな奇麗事は言ってられるか!」という時も来るだろう。
しかし。
湘南戦のゴールはセットプレーからだったが、オーバーラップしたサイドバックからの鋭いクロスや、3人、4人が絡んだパスワークでの崩しや、ドリブルでの積極的な仕掛けに、水前寺競技場のスタンドが何度湧いたことか。
どんな相手に対しても、しっかりとボールを保持して、つないでつないで、攻めて崩して、点を取る。そういう、痛快な、楽しいサッカーを見たいのだ。
1年で築いてきたものは、まだ土台。ひょっとしたら、図面を引いただけに過ぎないかもしれない。だけど、完成形を予想してワクワクできるパーツが、そこかしこに散りばめられていることは確か。
残りは5試合。この道の先に目指すのは51試合を戦った結果ではなく、さらに向こうにあるもの。だから今、やり続ける。
以上
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2009.10.26 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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(C)井芹貴志
ゴール裏に掲出された横断幕。選手たちにも大きな力を与えたはず
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試合後、サポーターに向かって挨拶する選手たち。流れからもいい場面を作った
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就任1年目で苦しいシーズンとなっている北野誠監督だが、「最後まで自分たちのサッカーをやることがモチベーション」だと話す
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