スカパー!生中継 Ch363 16:00〜(解説:相馬直樹、実況:土井敏之、リポーター:新井麻希)
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■リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第27節 | 第28節 | 第29節 | 第30節 | 第31節 | |
鹿島 | ●1-4 名古屋 | ●0-1 新潟 | △0-0 磐田 | 千葉 | 山形 |
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前半戦、圧倒的な強さで独走していた鹿島が急ブレーキ。折り返し時点で42まで伸ばしていた勝点も、後半戦に入ってから獲得したのはわずかに9。これは、J1全体でも下から2番目の数字ということからも、鹿島の失速ぶりがよくわかる。そして、その鹿島よりもさらに少ない勝点しか奪えていないのが千葉だ。プラスできたのは5ポイントのみ。もし、リーグが2ステージ制であるならば、ボトム2対決となるのだ。
しかし、両チームの立場は全く違う。
鹿島は前半の貯金を生かして、首位の川崎Fと勝点差1の2位に踏みとどまる。前節のスコアレスドローで連敗を5で止めた。選手たちからは「この勝点1が後々大きい意味を持つはず」と、引き分けを前向きに捉える声が聞こえてきた。
さらに今節は、中田浩二をボランチに起用するようだ。これにより、ボランチには小笠原満男と中田が並び、2列目には本山雅志、野沢拓也という豪華な布陣が実現する。4人のうち3人が30歳ということになるが、逆に言えば長い時間をともにしてきた創造的な選手たちが、同時にピッチに立つことになる。小笠原も連携は「バッチリです」と自信を持っていた。周囲に指示が出せる中田がボランチにおさまることによって守備のバランスが向上し、攻撃面でも起点が増えるため小笠原のプレーの自由度も上がる。紅白戦でも日を追うごとに連携はスムーズになっていただけに期待したい。
対する千葉は、残留争いに巻き込まれている。20節から江尻篤彦氏が監督に就任したが初勝利はまだ。後半戦で無失点に抑えられた試合も第21節の柏戦のみと、失点が止まらない。前節も新居辰基がようやく今季初ゴールを決めたが、終盤、京都に追いつかれてしまった。チーム全体でバランスを保った守備が出来るかどうかが鍵を握るだろう。
波に乗れないチーム同士の対戦だが、どちらにとっても勝点3を得て、残りのシーズンへの勢いをつけたいところだ。試合の展開は、鹿島がボールを支配し、千葉がカウンターを狙うという図式になることだろう。
鹿島とすれば『先制逃げ切り』という必勝パターンを取り戻したい。ただし、引いた相手を崩せずに苦戦し始めたことが調子を落とした一因だ。それだけに、中田と小笠原が並ぶボランチからの攻撃の組み立てが鍵を握る。また、オズワルド・オリヴェイラ監督はボールを奪われたあとに素速く奪い返すことを指示。選手たちには好調時のビデオを見せ、こぼれ球への反応と切り替えの速さを強調した。
さらに、千葉のパワープレーを警戒。最終ラインから蹴り込まれたときの対策や、セットプレー時の守備を入念に確認していた。試合終盤には、田代有三を投入してセットプレーを跳ね返す力を増やすと思われる。どちらにとっても1つでも勝点が欲しい状況であることには変わりはない。優勝のため、残留のため、立場は違うが試合終了のホイッスルが鳴るまで目の離せない試合になるはずだ。
以上
2009.10.23 Reported by 田中滋