10月11日（日）第89回天皇杯2回戦 Ｇ大阪 vs 流経大（13:00KICK OFF/万博）
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☆天皇杯特集
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昨季の天皇杯覇者、Ｇ大阪が、天皇杯の舞台に登場する。
振り返れば昨季の天皇杯は、FIFAクラブワールドカップ直後という厳しい日程の中、準決勝、決勝と延長戦にもつれこんだが、いずれの試合も選手たちの執念が漲る戦いで勝利を手に。Ｇ大阪史上初めて『天皇杯』を大阪に持ち帰った。あの試合を振り返り、決勝の舞台で2009年のＧ大阪のファーストゴールとなる、決勝点を決めたFW播戸竜二は言う。
「元日、国立でなければ感じられない独特の、特別な雰囲気が決勝の舞台にはあった。それをもう一度味わいたい。去年のように、１つずつチームとして団結した中で勝ち進んでいけたらいい。」

その舞台に立つための第一歩を踏み出すため、まずは2回戦、流通経済大学との一戦が待ち受ける。流通経済大学と言えば、近年、メキメキと頭角を表している強豪校。現監督である中野雄二氏を98年に招聘してからというもの、02年ごろからその名を轟かせるようになり、04年より関東大学リーグ1部に昇格。06年の関東大学リーグ初制覇にはじまって、07年は総理大臣杯優勝、08年は関東大学リーグ優勝と大学サッカー界に旋風を巻き起こす一方で、毎年のようにJリーグの各クラブにも選手を送り込むなど、ポテンシャルの高い選手を揃えた大学としても注目を集めている。

今回の天皇杯では１回戦でFCパラフレンチ米沢（山形）を5-0の圧勝で破り、Ｇ大阪との２回戦へと進出。同大学出身で、現在Ｇ大阪に在籍するMF武井択也によれば「今年の流通経済大学は攻撃的で、前に前に走ってくるチーム。フリーランニングも多い。大学生の勢い、Jクラブと対戦できることに対するモチベーションを考えても調子に乗らせたらガンガンくると思う」とのこと。Ｇ大阪としては、そうした勢いを出させる前に、ディフェンディングチャンピオンとして、またJを代表する強豪クラブとして、格の違いをしっかりと見せつけたい。

但し、毎年ながらこの天皇杯初戦は、苦戦を強いられるのが常。「どうしても１〜２回戦というのはJクラブが受けて立ってしまうところがある」とはＧ大阪・西野朗監督の言葉だが、特にアマチュアチームとの対戦となればそれが顕著で、だからこそ「変に相手のことを見たり、意識するのではなく、Jリーグで戦っている通りのＧ大阪をぶつけることを考えたい。毎年ながら難しい初戦になるとは思うが、もう一度、元日国立の舞台に立つため、みんなの気持ちをしっかり合わせていい入りをしたい（DF山口智）」「天皇杯とか大会に関係なく、この終盤の厳しい戦いの中の１つという位置づけで試合に入る。相手を大学生と考えずにJリーグと同じ感覚でやることが大事（DF加地亮）」と選手も声を揃える。日本代表に選出されているMF遠藤保仁、MF橋本英郎という主軸を欠いての戦いとなることを踏まえても、まずはピッチに立つ11人が『勝利』を目指し、同じ温度で試合に入っていくことが求められるだろう。

注目は先に名前を挙げたMF武井択也。今ゲームには、MF明神智和と組むボランチとして先発することが濃厚で、出場となれば、今季2度目の先発出場となる。その武井だが、大学時代は1〜2年こそ全くトップチームに関わっていけなかったが、3年時から頭角を表すと、全日本大学選抜やユニバーシアード代表に選出。その下積み時代には「サッカーを本気でやめようと思ったこともあった」そうだが、仲間にも支えられ、また「自分より巧い選手はたくさんいる。なら、その選手たちを活かせる選手になろう」と思ったのがきかっけで『ボランチ』としての存在感を示せるようになったと聞く。ひいては、「それがプロの道につながった」と。

そんな自身を育ててくれた大学との一戦は「すごく楽しみだし、お世話になった監督やコーチに自分の成長した姿を魅せたい」と話す一方で、「僕にはヤットさん（遠藤保仁）の代役は出来ないけれど、自分の持ち味をしっかり出すことでチームに貢献できれば」と語気を強める。それも全ては「今、流れのいいJリーグにしっかり繋げるため」。現在首位を勝点１差で追いかけるJリーグで示している勢いを途絶えさせないためにも「しっかり勝って次の広島戦に繋げられる戦いをしたい。これはチーム全員の共通理解としてあること」と武井。その思いが、しっかりとピッチで示されれば、Ｇ大阪が連覇に向けての力強い第一歩を踏み出すことになるだろう。

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2009.10.09 Reported by 高村美砂