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【J1:第28節 浦和 vs 千葉】フォルカーフィンケ監督(浦和)記者会見コメント(09.10.03)

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10月3日(土) 2009 J1リーグ戦 第28節
浦和 3 - 1 千葉 (15:34/埼玉/38,634人)
得点者:7' 深井正樹(千葉)、10' 阿部勇樹(浦和)、78' エジミウソン(浦和)、85' 高橋峻希(浦和)
スカパー!再放送 Ch183 10/4(日)05:00〜(解説:川勝良一、実況:倉敷保雄、リポーター:朝井夏海)
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●フォルカーフィンケ監督(浦和):

「最終的には妥当な勝利と言うことができるが、今日ピッチで長い時間にわたって見ることができたのは、選手たちには前回の残念な結果が頭にあったということ。特に後半に入って多くのチャンスを作ることができていたが、残念ながらなかなかゴールに結び付けることができなかった。外から見ていて感じたのは、このまま得点チャンスを外していたら、失点してしまうんじゃないか、負けてしまうんじゃないかということ。最終的には2対1のゴールを決めることができて、選手たちにしてみれば、ある意味とても開放感を得られる素晴らしいゴールだった。そのあと最終的には3点目を決めることができたが、すべての得点に言えるのは、とても美しい形でチャンスを作り出してゴールを生み出したということ。そして、高橋峻希のゴールは若い選手たちにとって大きな喜びになっただろう。
最後になるが、千葉は最初の60分間、非常に運動量豊富なプレーを見せていた。実際に私たちは危険な状況になっていたし、彼らは運動量という意味では優れたところを見せていたが、いつかは運動量をキープできなくなると思っていた。特に試合の終盤になって運動量が落ちたことで、私たちは相手のペナルティエリアの周辺でたくさんのパスを回し、得点チャンスを生み出すことができた。最終的には今日の勝利は妥当だと言えるだろう」

Q:コンビネーションでうまくチャンスができていないことについて
「得点チャンスの質というのはよかったと思うし、いくつか質の高い形でのチャンスを作り出せたと考えている。試合の終わりの方だけじゃなく、特に後半に入ってから、50分から70分前後にはたくさんの形での得点チャンスをコンビネーションによって生み出していた。選手たちは目を閉じてシュートを打ったわけではないし、ゴールがどこにあるか分からないまま遠くからロングシュートをねらったりだとか、そのようなことはなかった。多くの得点チャンスは、私たちが自らのプレーによって意図的に作り出したものだし、とてもいい形で実践できていた。ひとつ不満に思っていることは、前半に起きていたこと。前半では選手が何度か間違った選択をしてしまい、質の高いプレーをしていなかった」

Q:前半はまるで以前の浦和レッズのようだったが、このようなことはどうして起こるのか?
「これはある意味、よくあることだと思う。長い間なかなか結果が出ていなかった、それによって様々な不満を抱えていた。このような形で、メンタル的な強さというものが部分的に失われている時は、どうしても今まで長年にわたってプレーしていなかったスタイルを実践するのが難しくなる。選手たちはとても努力していたわけだが、残念ながらこのような結果が続いていたこともあり、なかなか自分たちがやっていることを実践することができていなかった。しかも、今年からやろうとしていることは、今までやっていなかった新しいプレースタイルなわけだから。このような状況になると、ひとりの監督として非常に難しい状況になるが、それでもすべての選手たちはできる限りの努力をしていたわけだし、最終的にはしっかりと立ち上がって結果を残すために努力をしてきた。もちろんすべてがうまくいくわけではないし、部分的にはまだまだうまくいっていない、これから改善していかなければいけないところはあるが、それでもしっかりと前進していると思う。

 あと、誤解が生まれないように言わせて下さい。私自身、確信していること、それはピッチに立った選手たちというのが、お互いに助け合いながら、共同作業を進めながらサッカーをするということ。これがコンビネーションサッカーという言葉によってよく表現されているわけだが、これはあくまで、ここ最近見ることができた、国際的なサッカーの発展のなかで見ることができたひとつのリアクションだと思う。世界中を見渡してもそうだが、すべてのチーム、すべての選手に運動量が非常に求められようになってきた。そしてインセンティブな形でのゲームが展開されるようになった。それほど多くのスペースもないし、非常に密度の高いところで、優れたサッカーを展開しなければならない時代になってきている。これが現在の国際的なレベルでのサッカー。今から10年、15年前のサッカーのように、数人の個の優れた選手がピッチに立って、彼らがチーム全体をリードして、すべてを決定付けてしまうような時代ではもうなくなった。

 確かに数年前だったら、優れた数人の選手がピッチに立って、彼らが試合を決定付けることがあった。私の国のドイツでは、リベロでプレーしていたローター・マテウスや中盤でプレーしていたギュンター・ネッツァー、ヴォルフガンク・オベラートなど、世界的にも有名な様々な選手がたくさん生まれた。前線にもうひとりの優れたFWがいることによって、縦の軸ができて、このような選手たちがチーム全体をリードして決定付けていたところがあった。
しかし、現在は違う。密度が高くなったことによって、そしてさらに運動量が求められることによって、チーム全体がひとつの機能として動かなくてはならない。お互いピッチの上で助け合うことが大切になる。現時点で、もちろん私たちがやろうとしているサッカー、よくこの日本でコンビネーションサッカーと言われる、よく『美しいサッカーを実践しようとしているんだ』と言われるが、私たちが意図的に美しいサッカーをやろうとしているわけではない。美しいサッカーをすることが目標なわけではない。国際レベルで常識となっているサッカーをここで導入しようということ。結果として美しいサッカーを見ることができるかもしれないが、これは目的ではない。目的は、国際レベルでプレーされているスタイルをここに導入し、ここで実践していくこと。これが今私たちが目指そうとしている目標です」

Q:闘莉王の状況について
「現時点で出ている情報では、彼は(足が)攣ったということ。試合中に筋肉の疲労が溜まっていたということもあるだろうし、本人もあの時点でしっかり駄目だというサインを出して、交代して欲しいということを言ってきたが、3人すでに交代枠は切っている状態だったし、本人もすぐに3人が交代されていることを気付いてプレーを続行した。攣った状況ならば、例えば前線の方に行ってあまり負荷のかからないところでプレーした方がいいということを彼に伝えた。彼は最後までピッチの上でプレーを続行できたわけだし、現時点で得ている情報ではあまり大きなケガではない。あくまで攣っただけということだった。代表の道が閉ざされたというわけでは一切ない」

Q:チャンスを決め切ることができないことの大きな要因は?
「サッカーというのは、すべて論理的に説明できるものではないし、数学でもない。だからこそ、サッカーというのは感情的に興味深い、とても素晴らしい競技なのではないだろうか。高原をピッチに送り出してから23秒で相手のGKと一対一の状況になって、ゴールを決めることができたはずだが、決めることができなかった。このようなことについて、様々な方が試合の後の夜に、何度も何度も『なぜ高原はあの状況でゴールを決めることができなかったんだ』とディベートすることができると思う。ついでに一緒に仲良くビールでも飲みながら、『なぜゴールを決めることができなかったんだ』、そして次のもう一杯またビールを飲もうと。このような形でひとつのことについて、延々と語り合うことができるのがこの競技の素晴らしいところ。このことに関してはいくら話をしても、最終的な答えはなかなか出てこないと思うが、これがこの競技の素晴らしいところです」

以上
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