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【J1:第28節 山形 vs 大分】プレビュー:地方クラブの「政権交代」はあるか!? 15位・山形と最下位・大分の対戦は序盤が最大の見所!(09.10.02)

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10月3日(土)J1 第28節 山形 vs 大分(14:00KICK OFF/NDスタ
スカパー!生中継 Ch308 13:55〜(解説:山本昌邦、実況:八塚浩)
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最下位・大分がJ1残留を果たすには、15位のチームを勝点で越えていかなければならない。現在、その対象となるのが山形で、今節はこの2チームが対戦する。対戦前に、両チームの勝点を確認してみたい。

残り7試合で上積みできる最大の勝点は21。勝点15の大分は残る試合を全勝すれば36まで伸ばすことができる。しかし、大分が今節を含む残り試合を全勝で終えても、前節までの勝点33の13位・大宮と14位・神戸、勝点30の15位・山形、勝点27の柏、勝点23の千葉のうち、3チームが37のラインを越えれば降格が決まる。もちろん、大分が勝点を失えば失うほどそのハードルは下がり、大分にとって状況はさらに厳しいものになる。もし今節で大分が敗れると、勝った山形が勝点を33に乗せ、大分は次節以降の6試合で全勝しても最大勝点は同じ33。もはや勝ち続けるしかない大分にとって、勝点3がこの試合でも至上命令であることに変わりはない。

山形は前節・千葉戦で2−1と勝利し、連敗を4で止める5試合ぶりの勝利を挙げた。前々節の清水戦で3本だったチームのシュート数が、この試合で17本と一気に増えたのは、サイドのスペースを起点として活かせたことと、それによって全体の押し上げが実現できたことが要因だ。同点に追いつかれた直後に生まれた北村知隆の決勝ゴールのシーンも、宮崎光平のクロス時にはゴール前に3人が入り込み、古橋達弥のシュートが弾かれたこぼれ球に長谷川悠と北村の2人が反応している。同日の大分対柏の試合で勝点1を上乗せした柏に一時は勝点27で並ばれたが、これで勝点3差と再び突き放したことも大きい。

しかし、これで何かが終わったわけではない。前節で怪我から復帰し勝利に貢献した西河翔吾は「次の大分戦も勝って、千葉戦の1勝を無駄にしないようにしたい」と気持ちを引き締める。かつて仙台でプレーし、01年からの3シーズンで昇格・残留・降格をすべて経験した財前宣之は03年の最終節を振り返り、「あのときも、うちが勝たなきゃいけないという状況で、攻めにいってやられたので、どうしてもポイントが上にいるほうが有利。その意味では柏に抜かれないように、差を開くか縮められないようにすることが重要」と話す。また、選手のなかでもっとも大分を知る小林亮は「大分は絶対にあきらめていないし、勝点3を絶対狙いに来る。(高松)大樹さんもそうだし、(金崎)夢生であったり、家長(昭博)であったり、高橋大輔もそうですけど、身体能力があったり個々で特長をもった選手がいる。それに対してしっかり臆することなく、いつもどおりの山形らしいディフェンスをするというのが大事」と昨シーズン在籍したチームを警戒する。15位にいるというアドバンテージを、慢心ではなく、自分たちのパフォーマンスを最大限に発揮することに向かわせることができるかどうかが、メンタル面での大きなカギと言っていいだろう。

大分は第25節・磐田戦で2−1と勝利したあと、新潟戦、さらに前節・柏戦をともに0−0と、森重真人不在のなか3試合連続で勝点を上積みしている。残り試合が少なくなり、いよいよ追い込まれてはいるが、勝点1にとどまった前節の監督会見で、ポポヴィッチ監督は明言した。「なぜサッカーをするのか?勝つためだ。それが一番の目標だ。勝つために、クラブのために、サポーターのために戦う。それだけで十分」。周囲の雑音に惑わされず、貫くべきは一戦必勝の姿勢。立ち上がりから攻撃に人数をかけ、リスクを冒しても1点を奪おうという気迫を見せた柏戦こそは、その言葉を立証する。

ただし、柏戦では相手のブロックを崩しにかかったときのパスミスやパスカットからカウンターを受ける繰り返しで、シュートはわずか3本に終わっている。東慶悟は「縦パスが入ったときの相手のプレスが激しく、何人かでサポートできればよかったが間延びしてフォローできなかった。引いた守備に対して、こじ開けるだけの攻撃力が必要」、高松も「前を向いてプレーさせてくれなかったし、考えて動かなければチャンスはつくれない状況だった」と難しい状況でのプレーを強いられたことを明かしている。精神的に追い込まれた焦燥感をエネルギーにしてゴールに向かえば、ブロックをつくり構える山形の守備につかまってカウンターを受ける、柏戦と同じような展開も考えられる。勢いのある序盤で先制し、試合を優位に進めたいところだ。

最大の見所は立ち上がりの攻防になるだろう。フレッシュな状態で驚異的なムービングとともにゴールを狙う大分が、山形の守備を破って一気に先制のゴールにたどり着けるのか。あるいは、その攻撃と奪った直後のハイプレッシャーをしのいだ山形が、広いスペースを有効利用しながら冷静に崩しきるのか。そしてこの試合、小林伸二監督は山形のベンチで指揮を執ることになる。2001年のシーズン途中から、当時J2だった大分のトップチーム監督に就任し、翌年にはJ2優勝とクラブ初のJ1昇格を成し遂げた。あれから7年、就任1年目でJ1に押し上げた山形を率いて、自身にとって思い入れのあるチームと対峙する。無論、勝負に徹すること以外の何物も入り込む余地はない。やるか、やられるか。戦うことの意味が、この90分には凝縮されているはずだ。

以上

2009.10.02 Reported by 佐藤円
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