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【AFCチャンピオンズリーグ 名古屋 vs 川崎F】川崎F側プレビュー:アドバンテージとは言えない第1戦の勝利。気を引締めて、準決勝進出を狙う。(09.09.29)

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9月30日(水)AFCチャンピオンズリーグ 名古屋 vs 川崎F(19:00KICK OFF/瑞穂陸)
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9/30(水)準々決勝第2戦@瑞穂陸チケット情報! | 11/7(土)ACL決勝@国立のチケット情報!
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名古屋を相手に先勝している川崎Fにとって、現在の状況は微妙である。2試合で決着がつくその初戦で勝利している事実は川崎Fに有利に働くが、だからといって安心できる状況ではないからである。

確かに川崎Fはホームでの第1戦で2-1と逆転勝利しているが、点差はわずかに1点。さらにいうと名古屋にアウェイゴールを奪われている。もし仮にこの第2戦で名古屋が1-0以外の1点差で勝利した場合、同一の勝ち数、同一の得失点差という事になり決着はアウェイゴールルールによって決する事となる。

少々話をわき道にそらすが、アウェイゴールの規定については、ACLのレギュレーションを読む限り、アウェイゴールが2倍されるようである(the away goal scored will be counted as double)。つまり、仮に名古屋が1-0で勝利した場合、2戦トータルで2-2となるため、名古屋がアウェイで獲得した1点のアウェイゴールが2倍され、3-2で名古屋の勝利となるのである。なお、ヤマザキナビスコカップの場合、アウェイゴールは2倍される事はないが、勝ち数、得失点差が同じ場合にアウェイゴールが比較される事になっており、結果としては同じである。

いずれにしても、名古屋にアウェイゴールを奪われているというのは、川崎Fにとっては心理的負担が増すという点でよろしくはない状況であろう。なにしろ先制点を奪われた場合、そのまま1-0で逃げ切られてしまうと敗退が決まるのである。だからといって失点を極端に避ける慎重な戦いを選んだ場合、持ち味が出せないままペースを崩す可能性もある。

先日行われたJ1リーグ戦アウェイのG大阪戦では、前半のG大阪の戦いにピッチ上の選手たちが思うように対応できず、45分間を守勢のまま費やしてしまった。同じようにリズムをつかめなかった試合として、J1リーグ戦22節のアウェイの磐田戦がある。こちらも前半を守勢のまま終え、ビハインドを跳ね返せないまま敗戦してしまっている。これらの試合について考えるに、川崎Fの選手たちは試合中に選手たちが自律的に戦いを変化させるという事については、あまり得意ではないという事が言えそうである。だからこそ、試合前のゲームプランが重要になってくる。そしてそれと同様に、名古屋の試合の入り方、進め方が気になってくる。

名古屋は最低限勝利しなければならないという状況にある。さらにいうと、この第2戦は名古屋のホームゲームである。そうした状況を考えれば、名古屋がある程度攻撃的な戦いを選択するだろうとの予想は簡単だ。もしその予想通りに名古屋が攻撃的にきた場合、たとえばG大阪戦や、磐田戦がそうだったように、あるスペースに選手を走り込ませられると、川崎Fの守備陣は対応が後手に回りがちになる。そのポイントを名古屋が見つけられているのかどうか、注目したいと思う。

川崎Fにしてみれば、ペースを握れないまでも、相手のペースのままズルズルと前半を戦う事だけは避けたいという状況である。だからこそ、自分たちのいつものペースを崩さずに戦ってほしいと思う。そうした観点から選手たちは第1戦の結果を忘れ「新しい試合として、勝つ事を前提にやりたい」(川島永嗣)というような心境でこの試合に臨んでいる。川崎Fがいつものように戦い、その中で主導権を握りさえすればそこから守勢へとペースを代える事にそれほどの困難さはない。相手に回させている、という認識で戦えれば、得意のカウンターをかけやすくなる。だからこそ、平常心で戦いに臨んでほしいところである。

ちなみに平常心での戦いという点でいえば、村上和弘が出場停止明けで復帰する事が好材料となる。今季の川崎Fは、意識的に色々なポジションに複数の選手を起用しており、誰がどこのポジションで先発しても、チームとしてその変化を吸収できるだけの柔軟性を持っている。ただ、やはり基本となるメンバーはある程度固定されつつあり、いわゆるベストメンバーと呼ばれる布陣が想像できる状態でもある。そうした事を考えれば、村上の出場停止が明けるのは、川崎Fにとっては好材料であろう。先発メンバーがどうなるのか、という観点で見れば、前節のG大阪戦で鄭大世や菊地光将をベンチに置いた采配がこの名古屋戦でどう生きるのかにも注目したいところである。

誰もが忘れられない「2年前の悔しさ」を晴らすためにも。そしてアジアの頂点を目指し、準々決勝を勝ち抜いてほしい。

ちなみにこの第2戦が2-1で名古屋の勝利となった場合、勝利数、得失点差、アウェイゴールが同一のため、延長戦に入る。もし、延長戦にもつれ込むのであれば、その緊迫感はかなりのものとなるだろう。お互いに失点したくないという状況になるのは確実で、そうなると07年の川崎Fvsセパハン戦のときのようにPK戦にまでもつれ込む可能性は非常に高くなる。PK戦も、延長戦も心臓に悪いので、できれば90分で決着がついてほしいところだが、果たしてどうなるだろうか。

以上


2009.09.29 Reported by 江藤高志
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