長かったのか短かったのか、過ぎてしまえばよくわからない夏が終わろうとしている。札幌の街はすっかり秋の雰囲気だ。今年も例年通り、オフのキャンプからシーズン開幕を経て、ここまでチームの変化を勝手に見させてもらってきた。ブラジル人選手が帰国したり、ブラジル人選手が加入したり。親孝行も加わった。そうした日々のなかでフニフニと注目している部分がチーム外にひとつあった。それはリンゴだ。
気がついたのがいつ頃なのか、よくわからない。たぶん、宮の沢グラウンドの芝生養生のためにしばらくの間、札幌ドームサブグラウンドで練習を行っていたその後くらいだと思う。
宮の沢グラウンドで選手を取材する際には、選手が車を停めている駐車場で話を聞くのだが、その駐車場の一角に白樺の木が数本生えている。そして、その白樺の木に混じって違う木が2、3本あるのだが、ある日、その木に実がなっていることに気づいた。最初はなんだかよくわからなかったが、実が成長していくにつれて「これは、リンゴ・・・だな」と認識できるようになった。
それからはリンゴのチェックが日課になった。色や形、硬さを日々、確認するのだ。何のため? そんなものは知らない。とにかく、そこにリンゴがあるからだ。ちょっと指で触れてみて、「おお、成長したなあ」と1人つぶやくその様は、冷静に考えると結構キモいかもしれない。
でも、そんなリンゴがいよいよ赤く育ったんです。ちょっと強引だけれど、チームと同じようにしっかりと成長しているような感じで。
9月20日に室蘭で行なわれた40節、福岡戦では会場で「コンサ・土・ファーム」という、選手が植種した農場で栽培された野菜が売られていたが、選手によって植種されたわけではないものの、このリンゴもチームの成長を見守ってきた果実だ。
そうこうしていると、ひとつの疑問が浮かんでくる。去年はなかったのか? と。
残念ながら、まったく覚えていない。取材が甘いのではないかと言われても仕方がない。が、チームの在籍年数が長く、宮の沢グラウンドにも通い慣れている曽田雄志選手が「あ、リンゴだ」と言ってたし、同じく西嶋弘之選手も「え? これリンゴなん?」と先日言ってたから、おそらくみんな今年気がついたのだと思う。
忙しく過ごす日々でもリンゴが赤く実っているのを見るとなんだかホッとする、わけはない。でも、こうして原稿にしているのだから、とりあえず筆者には何かしらの思い入れがあるようだ。来年もまた、同じような原稿を書かせていただけると幸いです。
でもやっぱリンゴは食べるためにあるんだと思う。だから、そのうち試しに食べてみようと思う。でも、これは所有者に許可が取る必要があるのかもしれない。ちょっと面倒くさいかも。余談ですが、ハファエル選手はリンゴが大好きだそうです。
以上
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2009.09.28 Reported by 斉藤宏則
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