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【J2:第41節 福岡 vs 徳島】レポート:中2日の影響を受けた試合は痛み分け。福岡のJ1昇格の可能性が消える。(09.09.24)

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9月23日(水) 2009 J2リーグ戦 第41節
福岡 0 - 0 徳島 (16:03/レベスタ/6,325人)
スカパー!再放送 Ch183 9/24(木)12:30〜(解説:布部陽功、実況:南鉄平、リポーター:森田みき)
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プロとしてのプライドを見せるべく戦った福岡。アウェイに乗り込んでチーム初の3連勝を目指した徳島。しかし、シーズン終盤に中2日で迎えた試合は、思った以上にコンディション面での影響が強かったようだ。

「勝点1というのが妥当なゲーム。アウェイで、中2日で、コンディション的なこととか、気候とか、ピッチの状態とか、いろんなことを考えると、お互いにとってそうであったと思う。今日のゲームはスピード感のない、エキサイティングな部分が少なかったのかなという感じのするゲームだった」とは美濃部直彦監督。互いに勝点1を受け入れざるを得ない内容だった。

試合は立ち上がりからゆったりとしたリズムで試合が進む。ホームで戦う福岡のシステムは4−2−3−1。まずは守備重視で戦うのはいつも通りだ。そんな中で違った面が見えたのは大久保哲哉のプレー。いつもなら、相手ボランチに対してプレッシャーをかけるのが最大の仕事だが、この日は、やや中途半端な位置取りで虎視眈々とゴールを狙う。久藤清一からのスローインを受けて放ったあわやというシュートを含め、前半だけで3本のシュートを放った。

対する徳島は4−3−3のフォーメーション。中盤の底で守備意識を高くするのは青山隼。羽地登志晃、柿谷曜一朗、徳重隆明の3人がポジションを入れ替えながらゴールを狙い、倉貫一毅と六車拓也が全体のバランスを取る。羽地にボールが入ると、チーム全体が連動して前へ駆け上がる姿からは、今シーズン、大きく躍進した様子が見て取れる。しかし、攻守の切り替えのスピードが上がらず、相手に対してプレッシャーをかけられない状況では主導権を奪うには至らない。

結局、前半にゴールの匂いが感じられたのは、27分に大久保が放ったシュートと、43分に徳重が放ったシュートの1本ずつ。試合は後半勝負へと持ち越された。
「相手は前がかりになるので背後を狙っていこう」(篠田善之監督)
「前への意識をもっと高めろ」(美濃部監督)
 そして、それぞれの監督の指示を受けて、両チームともに前への意識が高くなる。しかし、互いにスピードと変化に欠けるのは前半と変わらず。それぞれが見せる変化も、膠着状態を解消するだけの力はなかった。

そんな試合に変化が生まれたのは55分、福岡の特別指定選手である永井謙佑がピッチに登場してからだった。福岡サポーターの拍手に迎えられてピッチに登場した永井は、ファーストプレーでいきなり裏へ抜け出してチャンスを演出。そのプレーにスタンドから大きな歓声が沸き上がる。その後も、最大の武器であるスピードを活かして前へ出るプレーは徳島の守備陣を慌てさせ、危険な香りを漂わせる永井の姿にスタンドの期待が膨らんでいく。

そして最大の見せ場はロスタイム。ゴール前中央でクロスボールを受けた永井は、ファーストタッチでDFをかわしてペナルティエリアへ。目の前に見えるゴールに向かって渾身の力を込めて右足を振り抜いた。しかし、アビスパサポーターの期待を乗せたシュートは、無情にもクロスバーの上に。天を仰ぐ永井と、ため息が漏れるスタンド。そして、試合終了を告げるホイッスルが鳴った。

さて、この試合を引き分けたことで、福岡のJ1昇格の可能性が消えた。「前半戦にけが人が非常に多かったこと、安定した戦い方が出来なかったことが響いた」と篠田監督は昇格を逃した要因を話す。前ピエール・リトバルスキー監督の後を受け、チーム立て直しの重責を担ってのスタートだったが、過去と同じことを繰り返し、チームとしての戦い方を示せず、チーム史上最悪の順位(第41節終了時)に沈んだ。。目標と結果の間にある大きすぎる乖離は、チームを支えている人たちに大きな落胆を与えた。
月並みな表現だが、このままでは終わっていいわけはない。「残り10試合をプロとしてしっかり戦うことが大事」(丹羽大輝)。チームとしての姿勢が問われているのは、昇格の可能性がなくなっても変わらない。

そして徳島。3年連続最下位という不名誉な記録を跳ね返し、現在8位につける成績は価値あるものであることは誰もが認めるところだ。しかし、この変化を活かして更なるステップアップを果たすためには、ここからの10試合をどう戦うかにかかっている。3連勝は逃したが、難しい状況の中で勝点1を拾ってホームへ帰ることが出来るのは収穫と見ていい結果だ。まずは、この結果を次のホームでの岡山戦につなげること、そして、ひとつでも順位を上げることが求められている。このままで終われない。それは徳島にとっても変わらない。

以上

2009.09.24 Reported by 中倉一志
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