9月23日（水）J2 第41節 東京Ｖ vs Ｃ大阪（16:00KICK OFF/味スタ）
スカパー！生中継 Ch182 15:50〜（解説：武田修宏、実況：寺島淳司、リポーター：田中毅/桝太一）
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「倒さないと、リーグが面白くならないでしょ！？」（DF土屋征夫）
東京Ｖが、首位・C大阪を倒してＪ１昇格争いへの『もうひと波乱』起こしを狙う。

迎えるC大阪はここ５戦不敗と好調だが、「相手が強ければ強いほど、止め甲斐がある」という土屋を筆頭に、ＦＷ平本一樹、ＦＷ大黒将志、ＤＦ富澤清太郎、ＭＦ柴崎晃誠、ＭＦ河野広貴ら多くの選手たちも「すごく楽しみ」と、気合いの入った言葉が揃う。
実際、今季過去２度の対戦を振り返ってみても、第２節（１−２● /jsgoal_archive/game/2009/20090200030620090315.html ）、第１９節（２−２△ /jsgoal_archive/game/2009/20090200030720090603.html ）と結果にこそ表れていないが、内容そのものはまさに『善戦』だった。
特に第２クールでのアウェイ戦は、東京Ｖが目指すサッカーを具現化させ始めたゲームだったため、印象に残る一戦に挙げる選手も少なくない。今節こそ、内容だけではなく、しっかりと勝点３を勝ち取りたい。

このカードで毎試合善戦できるのは、Ｊ２の中でC大阪が最も「スペースがあく、Ｊ１のようなサッカーをしてくるから」だと平本は説明する。恐らく、今節もC大阪は引いて守るのではなく自分たちのスタイルである攻撃サッカーを貫いてくるに違いない。
東京Ｖにとっては、前節の横浜ＦＣ戦などが良い例だが、特にここ数試合、ボールを保持しながらも、徹底的に引いて守ってくる相手の守備ブロックを崩しきれないため苦戦する状況が続いているだけに、やはり攻撃主体のC大阪は「歓迎」だろう。攻めて来る相手に、空いたスペースを上手く使って自分たちの特長を思う存分発揮したいところだ。

そこで重要となるのが『ゴールへのもう一工夫』ではないだろうか。相手が守備的だったこともあるかもしれないが、前節は「ボールを回していても、前には運べていなかった」と平本は反省する。河野も「横パスだけだと、相手のＤＦはずれるだけで崩れない。崩すためには誰かが1枚はがすための動きをすることが必要」だと課題を述べる。そのために「狭い中で受ける。引き出すための動き。裏に走る。など、ギャップを作れるか」（富澤）がポイントとなりそうだ。
加えて、高木琢也監督が強く要求するのが、「ＧＫを脅かすプレー」。つまり、「シュート」である。「ゴール直近のドリブルよりも、１０ｍのシュートの方がＧＫにとってはよっぽど怖い」と、どの位置からでも積極的にシュートを狙うことの重要性を力説する。それと平行し、「ボール回しやクロスなどアクションを起こす中で、必ずシュートを打てる位置に入っていくこと」への意識も高めたという。
ボールを回しながらの攻め一辺倒ではなく、時には「もうちょっとシンプルにいってもいいかも」と平本が話す大黒、平本、飯尾らＦＷへ１本の縦パスを入れる形や、ボランチも含めた中盤からのミドル弾など、多彩な攻撃が見られることをぜひ期待したい。

対するC大阪は、第３８節こそ甲府と引き分け仙台に首位の座を譲ったものの、翌３９節には再び首位を奪い返し、安定した強さを発揮している。前々節、前節とシステムを４−３−３に変えているが、非常にフィットしていると言えるだろう。新システムにおいては、相手のＦＷに決定的な仕事をさせないアンカー藤本康太の守備的貢献がとても大きい。
実は、東京Ｖでも「香川（真司）、乾（貴士）がお互いパスをつないでくるから、そこにボランチが付いていけるか」と、大黒がポイントに挙げており、互いにボランチのところで相手の高い攻撃力をいかに封じるかが、勝負の大きな鍵となりそうだ。

前節、C大阪は湘南に今季初勝利を挙げ、昇格に向けてさらに勢いを増している。さらに追い風となっているのが、ここまで香川・乾の両エースがチーム総得点の約半分（８０点中３９点/第４０節終了時点まで）を占めているが、前節ではＭＦ藤木、ＭＦ船山祐二がともに初ゴール、前々節にはＭＦ黒木聖仁が得点を挙げるなど、ＦＷ以外の選手が点を取れるようになっていることではないだろうか。チームとしての成長をこの試合でもしっかりと証明し、ラスト１０試合への弾みとしたい。

繰り返すようだが、第１クール、第２クールとも東京ＶｖｓC大阪は最後まで気の抜けない好ゲームだった。ぜひ今節も、互いの長所をぶつけ合う、白熱した戦いが見たいと心から願っている。

以上


2009.09.22 Reported by 上岡真里江