今日の試合速報

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第38節 札幌 vs 愛媛】レポート:札幌が0-2のスコアから見事な逆転劇!キリノ、ハファエル、ダニルソンの外国籍選手3人揃っての得点にスタジアムは大きく揺れた。(09.09.07)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月6日(日) 2009 J2リーグ戦 第38節
札幌 3 - 2 愛媛 (14:03/札幌厚別/7,613人)
得点者:30' 赤井秀一(愛媛)、52' 大山俊輔(愛媛)、56' キリノ(札幌)、70' ハファエル(札幌)、73' ダニルソン(札幌)
スカパー!再放送 Ch183 9/7(月)07:30〜(解説:大森健作、実況:宮永真幸、リポーター:藤井孝太郎)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
アウェイの愛媛が1−0のスコアで前半を折り返し、後半立ち上がりの52分に大山俊輔が追加点となるゴールを右足で冷静に流し込んだ時は、まさか試合終了時にこういったスコアになるとは予想もできなかった。ホームの札幌がここから3ゴールを決め、見事な逆転勝利を演じてみせたのである。

前半の札幌は散々な内容だった。この試合を前にセンターバックの石川直樹は「センターバック2人の距離を広く保ち、サイドバックの選手を押し上げることでより攻撃的なポゼッションをしたい」と話していた。そしてその言葉通り、札幌は最終ラインでボールを持つと石川ともう1人のセンターバックである趙晟桓が広くポジションを取り、上里一将と西嶋弘之の左右サイドバックが高い位置へと進出する。

だが、各選手の位置取りの精度がまだまだ充分ではなく、上里と西嶋は位置を高めたことで逆に相手選手との距離が縮まってしまい、良い形でボールを持つことができなくなってしまったのだ。また同時に、石川と趙の距離が開いているため、ここで横パスが動く場面では時間が生まれてしまうため、愛媛の内村圭宏、大木勉の2トップからの厳しいアプローチを受けてしまい、ポゼッションがより窮屈になってしまった印象だ。また、そこで1ボランチとしてプレーするダニルソンにボールを預けたとしても「ダニルソンへのチェックが厳しかった」と宮澤裕樹が振り返るように、強靭なフィジカルを生かして中盤の底で躍動するダニルソンは今やどの相手からもマークが厳しくなっている。メンタル面の問題もあったのかもしれないが、前半の札幌がうまくリズムに乗れなかったのはこういった要因があったと見るべきだろう。そして、愛媛の赤井秀一が奪った得点は、カウンターから、広くなっていた札幌CBの間に走りこんで頭で押し込んだものだった。

冒頭で記した通り、52分に愛媛が追加点を挙げてゲームの流れを完全に掌握するのだが、そこから逆転劇を生んだのは石崎信弘監督の思い切ったベンチワークだった。
まず、後半開始の時点でミスの多かった宮澤に変えて砂川誠を投入。56分にキリノの得点で1点差とすると、今度はハファエル、中山元気という攻撃的な駒を同時にピッチへと送り込む。システムも4−1−4−1から3−5−2へと変更した。

まずは中山だ。前線からのハードワークにより、1点差へと迫ったチームの勢いをさらに加速させた。そしてハファエル。この選手はインパクトのあるプレーこそ多くはないが、シンプルにパスをさばき、そのリターンを受けるパターンが好きな選手。3−5−2のシステムとなって中盤の人数が増え、人と人との距離が近づいた状況でそのスタイルを発揮した。70分の得点シーンも、この選手の出場によりチーム全体のパススピードが上がったところに自らが飛び込んで豪快なシュートを叩き込んだものだ。

後半途中まではミスの多いホームチームに対し、スタンドからは多くのため息が聞こえてきた。だが、2−2のスコアとなってからは様相が一転。攻撃に打ってでたイレブンを地元サポーターが力強く後押しした。ここからは札幌が何度も鋭いカウンターで愛媛を翻弄していた。

「前半からしっかりボックスを作って守ることができていたが、マイボールの時間が少なく、終盤に疲れが出てしまった」と話すのは愛媛の渡邊一仁。つまり、前半の札幌はミスが多く、ポゼッションも非常にぎこちないものだった。だが、それでもボールを保持し愛媛の選手を走らせたことが、ゲームの終盤にきて効いてきたということだ。「何もない前半の45分だった」と西嶋が振り返り、「前半は(ボールを)つなぐ練習をここまでやってきたが、相手が研究してきたこともあって、そこでミスが出たのかもしれない」と宮澤は言う。それでも、今季ここまで積み上げてきたものや、今季途中に加入した石川が新たにチャレンジしようとしたことは、しっかりと試合にポジティブな影響を与えたということだ。そして73分、ダニルソンが豪快なミドルを叩き込んで、札幌が勝利を掴んだ。

今季ここまではいい内容の試合をしながらも勝ちきれないことが多かった札幌だが、この試合は逆に悪い内容ながらも見事に勝点3を獲得してみせた。チームの地力は間違いなく、積み上げられているということなのだろう。今後の伸びシロにも期待したい。

そして愛媛も負傷離脱者がいたり、新加入の選手が複数いるなかでもチームとして意思統一された戦いができていた。敗れはしたものの、こちらも今後の成長が楽しみである。

いよいよリーグも終盤。この試合で札幌が見事な逆転劇を見せたように、リーグ戦もまだまだどうなるかわからない。

以上

2009.09.07 Reported by 斉藤宏則
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第32節
2024年9月28日(土)19:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/26(木) 00:00 ハイライト:甲府vs熊本【明治安田J2 第30節】