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【国際親善試合 オランダ vs 日本】レポート:前半は大善戦も、後半に守備が崩壊。世界トップレベルの底力を見せつけられた日本(09.09.06)

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9月5日(土) 国際親善試合
オランダ 3 - 0 日本 (21:00/エンス)
得点者:69' ファン・ペルシ(オランダ)、73' スナイデル(オランダ)、87' フンテラール(オランダ)

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岡田武史監督が積み上げてきたものが通じるか。我々は本当に2010年南アワールドカップ4強入りを狙えるチームなのか…。

それを確認すべく、FIFAランク3位の強豪・オランダに挑んだ日本。前半だけを見れば、答えはポジティブなものだった。相手が思ったほど出てこなかったこともあり、前線からの激しいプレスで主導権を握り、連動したパス交換から何度か得点チャンスも作れた。ところが後半に入ると全てが一変。守備の連動性が崩れ、一方的に攻められて、終盤の20分余の間に3点を叩き込まれたのだ。この一戦で大きな期待を寄せられた本田圭佑(VVVフェンロ)が不発に終わり、中村俊輔(エスパニョール)との共存についても手ごたえは残せなかった。日本は「世界トップとの大きな実力差」を改めて突きつけられた。

晴れたり曇ったり、時には突風を伴う大雨に見舞われるなど、変わりやすい天候となった5日のエンスヘーデ。気温も18度と肌寒かった。試合会場のFCトゥエンテのスタジアムは収容2万4000人の全てが埋まることはなかったが、欧州各国から数多くの日本人サポーターが集結。決戦ムードを盛り上げた。
日本代表のスタメンはFWに玉田圭司(名古屋)、2列目に中村俊輔、中村憲剛(川崎F)、岡崎慎司(清水)が入る形。期待された本田、憲剛、俊輔の共存はお預けとなった。GK川島永嗣(川崎F)ら守備陣は予想通りだった。一方のオランダはFWにファンペルシ(アーセナル)、カイト(リバプール)、ロッベン(バイエルン)、トップ下にスナイデル(インテル)が入る豪華攻撃陣。まさに世界クラスの競演だった。

それだけに序盤から劣勢に回ると見られた日本。だが立ち上がりの積極性は見事だった。前線から激しいプレスをかけに行き、ボールを支配。玉田の鋭い飛び出し、岡崎の遠めからのシュートなどで得点機を伺う。20分に長谷部誠(ヴォルフスブルク)がゴール前へ飛び出した場面などは、1点が入ってもおかしくなかった。が、そこで決めさせないのがオランダだ。「ゴール前までは行くけど、肝心なところで決定的な仕事をさせてくれなかった」と玉田も嘆いた。
その後、徐々にオランダが巻き返す。彼らのお家芸であるサイドアタックも威力を増してきた。前半終盤の時間帯は右サイドのファンデルヴィールの上がりに長友佑都(F東京)もかなり悩まされた。が、何とかしのいで、前半は0−0で終了。オランダサポーターから大ブーイングが起きるほど、日本は大善戦している印象だった。

迎えた後半。両監督が勝負に出た。「どうしてもテストしたかった」という岡田監督は玉田を下げて本田を起用。ファンマルバイク監督もロッベンを下げて若いエリア(HSV)を送り出した。この交代が明暗を分けることになる。
日本は守備の連動性が次第に失われ、ズレが生じ始める。本田は「1対1にこだわる」という言葉通り、ドリブルで勝負に出るが、相手を抜ききれない。そうなるとチーム全体が守備に回る羽目になり、余計な走りも多くなる。「どこか1つのピースが欠けると、攻撃人数が足りなくなったり、守備も後ろで守れなくなったりすることがハッキリした」と岡田監督が話した通り、本田の存在が残念ながら、マイナスに作用してしまったのだ。
逆にオランダはエリアが左サイドでいいアクセントになった。内田篤人(鹿島)も彼を止めるのに手を焼いた。両者の流れが完全に入れ替わった後半24分、ついに均衡が破れる。オランダの右CK。スナイデルの蹴ったボールが競り合いからデヨング(マンC)にこぼれ、左サイドのエリアへ。彼の挙げたクロスにファンペルシが飛び込み、左足を振りぬいたのだ。この1失点で日本の守備は堤防が決壊するかのように崩れ、4分後にはスナイデルが目の覚めるようなミドルで2点目をゲット。さらに42分には1点目と同じように左サイドのエリアが3点目を演出する。彼の挙げたクロスにファーサイドで合わせたのが、後半出場のフンテラール(ACミラン)。「佑二さんから逃げる動きもしっかりゴールに入れる能力もすごいと感じた」と中村憲剛も脱帽するフィニッシュの精度の高さを、控えの若手が見せつけたのだ。

やはり世界の壁は高かった。現状では日本がベスト4入りするのは非常に難易度が高いといわざるを得ない。以前からの課題だった決定力の問題も相変わらず。1〜2人メンバーを変えただけでやりたいサッカーができなくなる選手層の薄さも露呈した。内田と長友の両サイドの寄せが甘くなり、相手に精度の高いクロスやシュートを打たれるなどの課題も出てきた。足りないところを挙げればキリがないくらい、日本とオランダの距離は遠いのだ。
それでも通じた面は確かにあった。
例えば、前半のプレッシングサッカーだ。あれだけ完成度の高い内容を1試合通して貫ければ、世界トップが見えてくるかもしれない。「今までやろうとしてきたことをやりきることしかない。90分やり通さない限り、勝ち目はないんじゃないかと感じている」と岡田監督も力を込めた。
中村俊輔が「もっともっと走らないと。オランダは個人の力もあって、組織でも戦えるんだから、個の力がない俺たちはそれ以上の組織力で戦うしかない」と指揮官のコンセプトに賛同するように、選手たちは走りきる覚悟でいる。このスタイルを完成させるためには、本田のような強烈な個性を持つ選手もチームに最大限フィットする努力が必要だ。誰が出ても同じレベルを保てないチームは短期決戦の本大会では勝てない。

この苦い大敗で直面した課題を修正し、4日後のガーナ戦で実践できるか。選手たちには、今回の2試合を南ア大会本番だと思って気持ちを切り替え、勝点3を奪いに行ってほしい。初戦でオーストラリアに衝撃的逆転負けを食らって、そのまま敗れた去ったドイツワールドカップの二の舞だけはごめんだ。中3日で確実に修正を図りたい。

以上
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