いつものように雁の巣球技場へ練習取材へ行くと、平日だというのに見学者用に設置されたベンチに多くの人たちが座っている。何気に視線を向けると、いつも見かけるサポーターとは全くの別人。大きなカメラを首から下げて熱心に写真撮影している人もいる。耳を澄ませば、聞きなれない言葉がベンチで飛び交っている。
練習を見学に来てくれた団体は、台湾では台湾大学と並ぶ名門大学である、国立清華大学の学生さんたち。毎年、大学の講師が引率して海外へ出かけているそうだが、今年は福岡を選択。自主的に企画して、2日に行われた福岡vs.岡山の試合を観戦し、その翌日に雁の巣球技場に足を運んでくれた。話を聞くと、参加者の半数以上がサッカー部員。そして、講師の陳國華(Kok-Hwa Tan)さんは若いころはマレーシア代表のGKとして鳴らした選手で、20年前はプレミアリーグのマンチェスター・シティに所属。日本にもプレーヤーとして来日したことがあるそうだ。
突然の国際交流に雁の巣球技場は大賑わい。選手たちと集合写真を撮影をし、サインをもらい、あちこちで記念撮影が始まる。飛び交う日本語と中国語と英語、そしてポルトガル語。自分も含めて、決して伝わっていないと思うのだが、不思議なもので、それでも心は通じ合っているような気持ちになる。肝心なところは通訳を通じて話してはいるが、話しているうちに、それぞれが、それぞれの言葉で話し出し、それがまた楽しい。
台湾では、プレミアリーグの試合を有料でテレビ観戦できるそうだが、Jリーグの試合は放送されておらず、いつもインターネットでチェックしているとのこと。今回来日した学生さんの中にアビスパファンがいたこともあって、わざわざ、試合観戦と練習見学を旅行の行程に組み込んでくれたそうだ。出来ることなら、どこかの大学と試合もしてみたいとも話していた。
プロの試合を見るのは全員が初めて。スコアレスドローの試合では物足りなかったのではないかと思ったが、感想を聞くと、台湾にはない整備されたピッチとスタジアム、そして、目の前で繰り広げられる熱戦、台湾と比較すればレベルの高いサッカーを存分に楽しんだそうだ。そんな彼らに「アジア枠があるから、日本にやってこい」と話すと大きな歓声が上がった。
さて、女性たちから最も人気を集めていたのは長野聡。ひっきりなしに記念撮影をせがまれていた。顔写真付きのメンバー表を見せて、「誰がイケメンか」と尋ねると、やはり長野。「この写真は良くないけど実物は格好いい」と圧倒的な支持を受けた。2番人気は高橋泰。「ポスターの写真が抜群にいい」とのことだった。そして対抗は大久保哲哉。3人に共通点があるような、ないような(笑)。でも、何となく納得できるベスト3だった。
別れ際に名刺を差し出してくれた陳國華さんは、「台湾に来たら、是非、連絡して来い。必ず遊びに来い」と一言。そして、それぞれが「再見」「謝々」「ありがとう」と、お互いに言葉を交わしながら別れた。突然の、そして、つかの間の国際交流だったが、とても楽しい時間だった。シーズンオフを利用して清華大学を訪ねてみようかな、そんな思いで胸がいっぱいになった。
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2009.08.04 Reported by 中倉一志
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