ヴァンフォーレ甲府のマスコット・ヴァンくんはいつも明るく元気な人気者。甲府の勢力圏内では、千葉にあるナントカランドのナントカマウス並みの人気がある。試合のない日曜日は健康ランドにでも行っているのかと思ったら、結構頑張っていることが判明。

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6月28日（日）、磐田とのサテライトリーグに行くとメインスタンドにヴァンくんが一人で座っていた。麦わら帽子を片方の耳に乗せてメガネをかけている。ヴァンくんは人間の言葉を話せない（リスニングは出来る）ので、画用紙に「今日はオフだからサテライトを見に来たんだ」と書いて、オフでも甲府を見守っていることをアピール。

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たいして代わり映えしない格好だったけれど、「今日はプライベートだよ。ぼくのしふくかっこいい？」って聞いてくる。

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特に反応しないと、画用紙をぺらぺらめくって「さいきん、ちょっとふとったんじゃない？」って毒を吐く。地元テレビ局の女子アナにも同じ紙を見せて、軽く怒らせていた。夕べ、ニヤニヤしながら書いたセリフだろうが、効果は結構あった。

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画用紙にはいろいろな会話の答えを用意してあるようなので、絶対に答えられない質問で困らせようと、「衆議院選挙はいつ頃になりそう？」って聞くと、「きょうは、だめなんだ。ごめんね」と政治絡みの質問は答えない。自民にも民主にも好かれたいらしい。

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「そんなん答えになってないやん」と突っ込むと、画用紙を放り出してやさぐれた。

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小瀬では絶対にやさぐれることはないが、さすがにオフなので感情をストレートに出したんだろう。そして、試合が始まる前に、○○○さん…いや、ヴァンくんからメールが来た。「ゴール裏に行くのは初めてなのでドキドキです」だって。
15分ももたないだろうと思っていたけれど、ずっと動きながら応援していた。記者席から試合とゴール裏のヴァンくんを交互に双眼鏡で見ていたけれど、後半になると片足をフェンスの土台に乗せて本気になっていたのには笑ってしまった。終盤、リードしていた磐田の選手が2枚目のイエローカードで退場になり、ゆっくりとピッチから出ようとすると甲府のゴール裏から「早く出ろ！」「何やってんだ！」なんて怒号が飛んだが、さすがにヴァンくんはその隣でちんまりと固まっていた。ゴール裏の迫力にビビッたみたい。
ヴァンくんは90分間ゴール裏で応援を続けたが甲府は0−2で敗れた。しかし、畑田真輝、唐澤大夢ら若手選手やユースの選手に希望を持てる試合内容だった。
こうやってヴァンくんの休日は過ぎていった。その夜、居酒屋でもロイヤルミルクティーを注文する下戸のヴァンくんが、ビールをゴクゴク飲んだのかまでは確認できていない。

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2009.06.30 Reported by 松尾潤