6月17日(水)ワールドカップアジア最終予選 オーストラリア vs 日本(19:20KICK OFF/メルボ)
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アウェイのウズベキスタンでW杯への出場権を手にした日本代表は「ここからがスタートラインである」として、先日行われたカタール戦を含め本大会までの1年余りの強化期間をスタートさせていた。ところがそのカタール戦では内容の伴わない凡戦を演じる事となり、ホームでドロー決着。いまやW杯出場は最低限の目標となっており、その達成がメンタル面で影響を及ぼしていたのか、玉田圭司(名古屋)は「この前はうまく入りきれなかった」と反省の弁を口にしていた。
気持ちの切り替えが難しかったというカタール戦前の状況を考えれば、このオーストラリア戦はメンタル面を盛り上げやすい相手という事になるのだろう。「こういうチームは自分たちのモチベーションを上げてくれる」と述べていたのは、同じく玉田。ホームで不甲斐ない戦いをしてしまった事への反省と同時に、もう一度日本代表が作ってきた「コンセプト」に従ったサッカーをやり直してくれる事を期待したい。
今回のオーストラリア遠征に関しては、松井大輔(サンテティエンヌ)を除く欧州組がチームから離れているが、その点について岡田武史監督は「最低限2週間の休養をしてもらいたいから」であると発言。来年がW杯開催年であるため、ヨーロッパ各国のリーグは開幕時期が前倒しとなり、それにしたがって7月にはキャンプが始まる。そう考えると、このタイミングで休みを取らなければ欧州組の選手たちは十分に休養を取れないという事になる。今年1月に招集された日本代表合宿も休養を考慮した選手選考がなされており、そういう点で方針にブレはない。W杯出場権を取れたチームに与えられる特権と言えるだろう。
日本代表にとって不測の事態といえるのが、オーストラリア入りする飛行機の中から中澤佑二(横浜FM)が体調不良を訴えており、現地での練習を3日連続でキャンセルしているという点。練習に復帰できたとしても前日練習からになり、常識的に考えて試合の出場は難しい。遠征メンバーはその中澤を入れて19人。W杯予選では登録メンバーは18人で構成されるため、中澤がメンバーから外れる場合、帯同するGK3選手を含め全選手が登録メンバー入りする事となる。期せずして総力戦となるが、役割を与えられた選手には監督からの期待に応える働きを見せてほしいところだ。
中澤が不在の場合、闘莉王(浦和)とコンビを組む相手として山口智(G大阪)の出場が濃厚だが、W杯アジア最終予選という舞台でのプレーに平常心で入っていけるのかに期待したいところだ。もちろん若い槙野智章(広島)にも出番の可能性は残されており、「オーストラリアはクロスを中で合わせてくるので、まずはしっかり捕まえたい」とクロス対応とそのこぼれ球の処理は大事にしたいと話す。岡田監督からはポジショニングについて課題が指摘されているが、その点について本人は距離感を大事にしてプレーしたいとのことだ。
中澤がいないと最終ラインの安定感の部分で不安が残るが、まずは無失点で乗り切る事を期待したいと思う。その最終ラインの安定感をベースに、プレッシングサッカーをどこまで推し進められるのかがポイントになる。カタール戦では、ボールを失った直後の切り替えのディフェンスアプローチを簡単にかわされる場面が目立っており、ペースをなくすきっかけとなっていた。そのカタール戦の反省を踏まえているのか、中村憲剛(川崎F)は本大会までの1年間の課題として「プレスをかわされたときに、もう一度いける運動量」を上げており、前目の選手として相手を追い込む事の重要性について口にしていた。
ボールを失った直後の切り替えの意識に関しては、岡田監督のコンセプトの根幹を成す要素である。もちろん奪い返せれば最高なのだが、奪えないまでも入れ替わられることなく、最低限バックパスや横パスを選択させるような追い込み方を見せてほしいと思う。
そうした点を考慮して、この試合で望むのはやはりオーストラリア代表を相手にした得点であろう。彼らはGKのシュワルツァー、DFのニールを中心とした堅固な守備で最終予選ではいまだに無失点で来ている。またニールに関しては、前戦のバーレーン戦を警告の累積によって出場しておらず休養は十分である。そうした万全のコンディションの相手から得点してこそ、世界と伍すための準備が進んでいる事を証明できる。欧州組の欠場などもあって岡田監督が手にするカードは限られているが、同じコンセプトの中でプレーを磨いてきた選手たちである。誰が出ても一定水準の戦いができる状況にある事を結果で示してほしいところだ。
そのオーストラリア代表を率いるピム監督はW杯出場権を獲得した試合後の会見で、岡田監督と同様に「我々は今、本大会出場を決めた。そして、W杯でプレーするまでにはまだ長い道のりがある」と発言。あくまでも出場権獲得はステップに過ぎず、これからが戦いの本番である旨を表明している。2月の横浜での対戦では、オーストラリアは守備的な姿勢を崩すことなく、その彼らを日本代表攻撃陣は攻め崩すことができなかった。しかし、ここは彼らのホームである。打ち合いとまではいかなくともオーストラリアにはある程度前に出る戦いを期待したいところである。
というわけで、この試合は消化試合とはならない必然性がある。ただしピム監督も選手の体調管理を念頭に15日の練習後にFWのキューウェルとDFコインの欠場を明言しており、彼らを含めた複数のメンバーの入れ替えが予定されている。そういう点では未知数の相手との対戦であるという事は言えそうである。
この試合が終われば代表選手たちはいったん解散となる。再合流するまでは各クラブでプレーが続く事となるが、いいイメージを持って各クラブへと戻るためにも勝利で最終予選を終えてほしいところだ。
初冬に入ったメルボルンは日が落ちるとともに急激に気温が下がっており、15日の練習では9度を割り込むまでになっていた。ここに南極からの南風が吹き込むとさらに体感温度は下がる。観戦者にとっては厳しい季節ではあるが、プレーヤーにとってはこれほどいい環境はない。玉田はメルボルンの気候について「動けば寒くないですよ。逆にこれくらいの方が好きです」と話しており、また中村憲も「暑いところから寒いところに来た方が動きやすい」と寒冷な気候を歓迎する意向を見せていた。
出場権を獲得したウズベキスタン戦から日数が経っており、モチベーションの点で気持ちを切り替えられていること。カタール戦からも時間が十分にありコンディションも悪くない。さらには気候もサッカーに適した寒冷な状況にある。そういう状況を考えれば日本にとってこの試合は今までやってきた事を試すいい機会となりそうである。堅守のオーストラリアから得点し、そして勝利してほしい。勝点2差で首位に立つオーストラリアを彼らのホームで破り、何かしらの手ごたえをつかんでほしいと思う。
以上
2009.06.16 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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