5月10日（日） 2009 J2リーグ戦 第14節
福岡 0 - 0 鳥栖　（13:03／レベスタ／16,531人）
スカパー！再放送 Ch182 5/11（月）12:00〜（解説：サカクラゲン、実況：後藤心平、リポーター：森田みき、プレーヤー解説：布部陽功）
顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム
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「内容は良かった」と誰もが同じ評価を下すに違いない内容だった。監督も選手も、そしてゴール裏を埋めたサポーターたちも・・・。しかし、内容に伴わない結果だとも言える。
90分間を戦って、０-０のスコアレスドロー。シュートも決定機も鳥栖のほうが多かった。しかし、積み上げた勝点は１しかない。内容を評価して、今後に可能性を見せた鳥栖の今季２試合目の『九州ダービー』は、スコアレスドローだった。

今節の結果を私たちはどのようにとらえたら良いだろうか？システム変更を余儀なくされた一時期の状況は脱したと見て良いだろう。「史上最悪の試合」（岸野監督/鳥栖）と評価した第12節水戸戦よりは、ポゼッションもゴール前でのアイデアも格段に修正されていた。しかし、前節（第13節）の草津戦で流れるような攻撃から生まれた４得点の攻撃力は、今節では影を潜めてしまった。
「うまく守れば点が取れず・・・。もっと、うまい形を作らないといけない」とMF島田裕介は試合を振り返った。確かにバイタルエリアまでボールを運ぶことはできたが、ゴールは生まれなかった。ゴールを生まないと試合には勝てない。今節の鳥栖は、『負ける試合はしなかったが、勝てるまでには至らなかった』と見てよいだろう。

惜しいシーンは２つある。
52分に右サイドでつないでFW池田圭の放ったシュートは、オフサイドの判定だった。終了間際のDF飯尾和也のヘディングは、GK吉田宗弘（福岡）の好反応に阻まれてしまった。どちらも崩しの中から生まれたシュートであり、どちらかが決まっていれば鳥栖に勝点３が加わっていたに違いない。これを、『ここまでボールを運ぶことができた。あとは決めるだけ』と見るのか、『せっかく運んだのに決定力不足』と見るかは今後の戦い方と結果で判断するしかないであろう。

『九州ダービー』にかける想いが強すぎて、空回りをしたわけではない。『九州ダービー』の重圧に耐えかねて、消極的になってしまったわけでもない。鳥栖のストロングポイントを出させなかった福岡の守備も良かったし、その中でも好機を演出できたことは自信につながるだろう。DF柳沢将之は積極的に右サイドを駆け上がり、DF飯尾和也はDFラインを高く保つために最後まで声を出し続けた。MF島田裕介は、緩急をつけたセンタリングでFWを動かし続けた。空いたスペースには、自らが飛び込んで行くシーンを幾度と無く見せてくれた。FW廣瀬浩二は、シュートこそ打てなかったが、左サイドで起点となる動きを見せていた。『あとはシュートを決めるだけ』である。

守備も良く踏ん張った。31分のFW高橋泰（福岡）のシュートまでは、打たれること無くゲームを運ぶことができた。終わってみれば、５本のシュートしか許していない。シュートに至るまでの前に中盤でボールを奪うこともできたし、福岡にボールを持たせることもできた。攻守のバランスも取れるようになってきている。『あとはシュートを決めるだけ』である。

今節の戦いを続けることで、自ずと結果は出るだろう。一時期の状況は脱した。相手が福岡だったからこそ、立ち直りのきっかけをつかんだと言っても良いだろう。昨季の『九州ダービー』での屈辱は、脳裏から消え去ってはいない。第９節熊本戦の敗戦は、鮮明な記憶として焼きついている。今節の『九州ダービー』は、今後の可能性と次回の『九州ダービー』に期待を寄せる内容であった。あとは、結果を伴うだけである。

イメージどおりの戦い方ができれば、シーズンは全勝で終わるだろう。
相手があるからこそ、イメージどおりにできずに悔しい思いをすることもある。
ダービーマッチだからこそ、勝った時の嬉しさは倍増し、負けた時の悔しさはいつまでも残る。
今季のダービーマッチはまだ２試合を消化しただけで、すでに次回のダービーマッチ（５月30日熊本戦＠水前寺）に心が飛んでいる。
サッカーは欲深いスポーツである。

以上

2009.05.10 Reported by サカクラゲン