ハーフタイムに入るとすぐ、私は水戸から取材に訪れたJ’s GOALライター・佐藤拓也氏のもとに駆け寄った。「すいません。さっきのファウルは何だったんですか。あと30分のセットプレーの流れを教えてください!」。「あれは…」とすらすら答えてくれる佐藤氏を、私は憧れのまなざしで見つめた。試合開始前に「セットプレーなんかの細かい流れは、わからない場合もあるから、後で選手に直接聞きますよ」なんて言ってたくせに、実はこの方、頭の中にスーパーファインスロー再生機能をお持ちだ。その後、私もプレーの流れを追えるよう、ゲームが競ってくると目を「平ら」にして、広範囲を見渡す技を覚えたのだが、まだまだ怪しい。やっぱり誰かに後から聞いて、「ですよね!」なんてちゃっかり確認をとっていたりする。
私がJ’s GOALの岡山担当ライターとなって約4カ月。いまだに出会うすべてのものが新鮮だ。ホームでの試合当日は、だいたい3時間前にスタジアムに到着し、まずはスタジアム周辺の様子を取材する。観戦に訪れた人たちにコメントをいただき、撮影。先日の富山戦では富山のサポーターに取材中、今日の見どころを聞いたところ、「西野兄弟対決!」と言われ、「ああ、19番・西野同士の対決ね…。えっ?アレッ? 本物の兄弟なの?」と返してしまった。「えー知らなかったのー?」と優しい富山サポーターのみなさん。本当にすみません。岡山と富山の西野選手が兄弟だってこと知りませんでした。試合前にあらゆるデータを集めてプレビューを作成するのだが、意外とこういう情報は抜けていたりするのだ。
いろんな場所でファジアーノ岡山に関わる方々と出会い、話をするが、まだ開幕前、新米記者として不安がっている私に「わからないことは選手や監督に聞けばいい」と、先の佐藤さんと同じことを言ってくれたのは、岡山のボランティアとしてクラブを支えてくれるYさんだった。その時、「あ、そうか。知ったかぶりしても仕方ない」と心がラクになり、同時に、出来る限り勉強して、監督や選手が気持ちよく答えられるインタビューをしていこう、と心に誓ったのだった。アウェイチームの監督・選手もそうだが、誰にインタビューしても非常にわかりやすく、何より「伝えよう」としてくれることに感動する毎日だ。
そんな中、妙な衝動を覚えさせる選手が岡山にいる。それは喜山康平選手。彼のブログを見るにつけ、言葉のセンスに感嘆。それでなぜかサンジャポ(日曜朝のTBSの番組ですね)の、のんちゃん(お下げ髪にメガネにリクルートスーツのインタビュアー)的立ち位置で質問をぶつけたくなる。しかしながら今のところは、ミックスゾーンで「喜山選手、中盤、楽しそうですねッ」と聞いたことが、私のインタビュー能力の限界だった。喜山選手は、軽い洗練された失笑後、瞬時に切り替えて、真面目に中盤選手として自分の役割を語ってくれたのだった。
以上
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2009.05.01 Reported by 尾原千明
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