ヒーローは謙虚だ。
「得点を取れたことは嬉しいが、個人の内容は全然よくなかった」
対ファジアーノ岡山戦の前半30分にゴール前の混戦を制し、入江利和はヘディングシュートを突き刺した。自身、Jリーガーとなっての初ゴールは、チームのJ初ゴールでもあった。先制弾はそのまま決勝弾となる。苦境からチームを救い出しただけではなく、栃木SCのJ初勝利の偉業に大きく貢献した。「ホームで初勝利を、県民と分かち合いたい」。岡山戦に向けて語った意気込みを、栃木県出身の入江は有言実行に移した。
昨季、悔しさを味わった岡山戦でリベンジを果たした。結果を出せたことに一定の満足感を得るも、口にするのは反省の弁ばかり。ミックスゾーン(取材エリア)で記者の質問に答える際、何度「内容が悪い」と耳にしただろうか。
「縦へ行くプレー、センタリングも少ない。僕のところで守備の時に後手になった部分があった。チームに迷惑をかけてしまった。反省として残る」
これだけを見ると、まるで試合に負けてしまった選手のコメントのようだ。先の東京V戦(3/29@国立)では敗戦を喫してしまったが、両チームの中で最も輝きを放っていた。それでも、やはり、自省の言葉が並んだ。
「来週のトレーニングで監督に認められるようにしたい」
結果を残しても驕らず、常に危機感を抱く。最後までピッチに立っていられずに途中でベンチに下げられてしまったことを、松田浩監督からのメッセージとして受け取っている。どうして交代させられてしまったのか。入江は既に察しているのだろう。
「リズムをこちらに持ってくるのに不可欠な選手」、「常に前向きですし、失うものがないという姿勢でプレーできる」。松田監督の入江に対する評価は高い。それでも、選手間に大差がないことから、調子のいい選手を使う方針を指揮官は示しており、日々のトレーニングから気は抜けない。少しでも心に隙が生じれば、次に控える選手に取って代わられる。そんな思いが先の「認められたい」という発言に繋がっているのだろう。
開幕戦はスタメン落ち。2節の湘南ベルマーレ戦で得た出場機会を活かし、コンスタントにスタメンに名を連ねても、ストイックなまでに自己を追い込む。アグレッシブに仕掛けるドリブル突破同様に、入江は己を磨くことに貪欲だ。その姿勢はサッカーを続けている限り、変わることはないだろう。
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2009.04.06 Reported by 大塚秀毅
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