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【J1:第4節 浦和 vs 大分】レポート:ベテラン&新星ミックスの浦和が鉄壁大分を攻略。山田直輝はサポーターの心を鷲づかみ。(09.04.05)

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4月4日(土) 2009 J1リーグ戦 第4節
浦和 1 - 0 大分 (16:03/埼玉/45,542人)
得点者:42' オウンゴ−ル(浦和)
スカパー!再放送 Ch180 4/6(月)16:00〜(解説:柱谷幸一、実況:倉敷保雄、リポーター:朝井夏海)
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個人的な選手評価を避ける傾向にあるフォルカーフィンケ監督の口から、二度に渡って滑り出た「ナオキ」の言葉。積極果敢に攻め上がり、シュートを放ち、そして守備にも奮闘した山田直輝は、確かな煌(きら)めきで浦和サポーターをも虜にしてみせた。

「足がつるまで走り回るというのを心がけている」。それがさも当然かのようにこぼれ出た一言に、この男の底しれないサッカーへの情熱を垣間見た気がする。そして、チームメイトも「本当にレベルの高い選手。サッカーを知っている。特にこれが必要という課題はない」(ポンテ)と絶賛する潜在能力の高さ。誰よりもボールに絡み、足をつってなおピッチを駆け回る背番号34に対し、試合後真っ先にサポーターからその名がコールされたのは正当な評価だろう。

この日の浦和では三都主アレサンドロが久々に戦線復帰を果たし、期待通りに前線への飛び出しからオウンゴールを呼び込む決勝アシストを記録。7人のブロックでゴールを固める青き守護者たちに対して苦戦を強いられた浦和の攻撃カルテットに、槍のような突破で後方から支援に回った三都主のアタックによって、ついに大分の防壁は崩れ落ちた。フィンケ監督が「工事現場」と称す左サイドバックのポジションは、ひとまず同選手の起用で落ち着くことになりそうだ。

すでに守備も安定し始めている浦和の残る課題は、前線の破壊力。現段階では攻め手のバリエーションが乏しいのは否めず、まだしばらくは手詰まりを起こすこともありそう。サイドバックやボランチとの絡みを含めた複合的な攻撃がもちろん必要なことは前提としても、前線4人のコンビネーションのさらなる向上は常に期待したいところ。攻撃イメージのすり合わせが進み、もし早い段階でこのカルテットがうまくリズムを奏でられるようだと、本格的に王座奪還も見えてくることだろう。

一方、大分は先制を許す展開に、その後の打開策を見いだせず。「今日は浦和の方がいい試合をした」とはシャムスカ監督の言葉だが、攻撃陣に駒を欠いた穴は埋められず、期待の金崎夢生、家長昭博、前田俊介の若手トリオも沈黙を強いられた。カウンターにも切れを欠いていただけに、次戦までに今一度動き出しの質や回数といった部分で修正が求められそうだ。守備の堅さは折り紙付きなだけに、明るさと前向きさを見失わない指揮官のもと、選手たちにも早期の切り替えが求められる。

春爛漫を感じさせる埼玉スタジアムで、咲き誇る桜のごとく輝きを放ち始めた浦和。「あと2人、もしくは3人の若手の選手を加えていけば、今から数カ月後には、さらにいいコンビネーションサッカーをお見せすることができるかもしれない」。あくまでも慎重な言葉を選ぶ指揮官だが、急速な成長を遂げて次々と躍り出る若手の姿を見るにつけ、その鋭い眼差しの奥には今後の戦いに向けて大きな自信が浮かんでいるようだった。

以上
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