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【J1:第4節 磐田 vs F東京】レポート:3度の決定機を生かせず3戦連続無得点の磐田。逆にF東京は「磐田キラー」がワンチャンスを生かし、貴重な勝点3をゲット。(09.04.05)

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4月4日(土) 2009 J1リーグ戦 第4節
磐田 0 - 1 F東京 (19:04/ヤマハ/8,716人)
得点者:82' 赤嶺真吾(F東京)
スカパー!再放送 Ch183 4/6(月)17:00〜(解説:名波浩、実況:大石岳志、リポーター:日々野真理)
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GKとの1対1のビッグチャンスを3回作りながら一度も決められなかった磐田と、GKとの1対1は1回だけだったが、それをきっちりと決めたFC東京。磐田優位で進んだ試合展開の中、その差だけでチームの明暗が大きく分かれることになった。

試合開始0分、FC東京守備陣の一瞬のスキをついてジウシーニョが裏に抜け出し、GKとの1対1に。だが、そのシュートはGK権田修一の顔に阻まれ、いきなりの決定機を逃してしまう。ジウシーニョは、これを決めていれば自身の誕生日を自ら祝う形になったが(しかも開幕4戦連発)、この場面では好調さを生かすことができなかった。

それでも、春の雨が90分間絶え間なく降り続く中、磐田の選手たちはその影響を感じさせることなく、前半から今季いちばんと言えるサッカーを見せた。守備では、ラインを高く保ってコンパクトな守備ブロックを築き、FC東京に容易に縦パスを入れさせない。またバイタルエリアに縦パスが入っても素早くプレスをかけてボールを奪い、ときには高い位置でボールを奪ってカウンターにつなげるという場面も見られ、柳下正明監督が狙いとする戦い方をしっかりとホームで表現することができていた。

攻撃に関しても、ナビスコカップから起用している村井慎二(左MF)と山本脩斗(左SB)のコンビがよく機能し、そこにボランチの山本康裕も絡んで、立ち上がりから左サイドの裏をとってクロスを入れる場面を何度も作った。右サイドでは、この試合から今季初めて駒野友一を右サイドバックに回した関係で、太田吉彰とのコンビネーションにはまだ改善の余地を見せたが、サイドチェンジを有効に使いながら右からも徐々に攻撃の回数を増やしていった。

そんな中で、34分には右からのクロスを前田遼一が落とし、2列目からゴール前に飛び出した山本康にフリーで通る。2度目のGKとの1対1を迎えたが、ここも勇気を持って前に飛び出したGK権田に止められてしまう。試合ごとに自信を深め、今やチームの中心となりつつある山本康だが、プロ初ゴールはまたしてもお預けとなった。

FC東京のほうは、なかなか自分たちのペースをつかめなかったが、右サイドバックの徳永悠平の攻撃参加をうまく利用したときには、何度か磐田ゴールに迫る場面を作り、19分の今野泰幸のヘディングシュート(大竹洋平の左CKから)などセットプレーでも磐田ゴールを脅かした。

だが、少なくとも前半は、流れは終始磐田にあった。ハーフタイムの柳下監督のコメントで「(守備の)セットができたら、前からボールを取りに行こう」という指示が出たことも、磐田の守備組織が次の段階にステップアップしつつあることを表わしていた。

そして前半終了間際の44分、駒野の右アーリークロスがゴール前にするりと通り抜け、GKの手前で前田がダイビングヘッド。これが3度目のビッグチャンスだったが、ここも権田にわずかに触られ、前田自身の今季初ゴールもならなかった。ジウシーニョ、山本康、前田の3人のうち誰が決めてもチームは勢いづいたはずだが、GK権田の勢いにも阻まれ、ムードを変える「きっかけ」をつかむことはできなかった。

後半に入っても流れは大きく変わることなく、磐田のほうが狙いとする攻撃の形を多く作る。だが、前後半とも磐田のシュートを4本ずつに抑えたことからもわかるように、最後のところではFC東京の守備陣が身体を張って粘り強くシュートチャンスをつぶしていった。

そしてF東京は、前線の配置とメンバーを変えながら磐田の守備に揺さぶりをかけ、徐々に自分たちのペースを作っていく。逆に磐田にとっては、チャンスを生かせない中で疲労も表われ始め、流れが相手に移っていくというイヤな展開。チームのバランスが崩れたわけではないが、徐々に焦りが出てきて、不穏な空気が漂い始めた。そして終盤にワンチャンスを決められて勝点1をも失うというのは、勝ち慣れていないチームにはよく見られるパターンだが、まさにその通りになってしまった。

37分、FC東京が前線に入れたハイボールを磐田のDF陣が跳ね返しきれず、鈴木達也がつないだボールから赤嶺真吾がうまくDFと入れ替わってGKと1対1になる。ここで「磐田キラー」の赤嶺は「少し余裕というか、間というか、そういう感覚があった」と振り返った通り、冷静にGKとゴールを見てからゴール左隅に先制点を決めた。その後は、FC東京には余裕が出て、磐田にはますます焦りが表われるという展開。もちろん磐田には反撃の意識はあるが、攻め急ぎすぎて逆にパスがつながらなくなってしまった。現状では、最後に怒濤の攻勢をかける余力は磐田に残っておらず、ビッグチャンスを作れないまま1-0でタイムアップの笛を迎えた。

今の時点では磐田以上にやりたいサッカーができていないF東京だが、今やれることを徹底してやるという戦いの中で、勝負所を確実にものにして勝点3をつかんだことは非常に大きな成果。これで勝敗を五分に戻し、次節(対鹿島戦)はホームでリスタートを切る。

一方、非常に悔しい敗戦となった磐田に足りなかったものは、「攻撃も守備も落ち着き」(柳下監督)という部分で、これはメンタル面が大きく関わっている。サッカーの内容は着実に良くなり、チャンスも十分作れているだけに、ここで自信を失い、内容まで悪くなってしまうのがもっとも悪いパターンだ。もちろん、柳下監督以下、スタッフも選手たちも、そのことは百も承知している。しっかりと気持ちをコントロールし、良い状態で次の千葉戦(アウェー)を迎えられるかどうかが、ここからの1週間における最大のテーマとなる。

以上
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