11月30日（日）J1 第33節 大宮 vs 京都（16:00KICK OFF/ＮＡＣＫ）
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残り２節となった今も大宮は、残留争いの真っ只中にいる。大宮の順位は13位、勝点は39だ。「この勝点でなんで残留争いをしているんだろう」と副主将の藤本主税が苦笑いを浮かべていたことがあるが、例年であればとっくに残留を決めている数字だ。ちなみに昨年は全試合終了時点で15位の大宮の勝点は35、14位の大分は同41なのだ。藤本の苦笑にもうなずける。
とはいえ、この時点でその議論をしている場合ではない。明日、Nack5スタジアムに迎えるのは12位で勝点40の京都だ。自動降格圏内の17位にいる千葉が同35、入れ替え戦にむかうこととなる16位の東京Ｖは同37、自動残留する15位にいる磐田の勝点も37。残り２試合となっての12位対13位の対決らしからぬ、決して気を抜くことのできない試合になることは必至だ。

だが、前節新潟戦での勝点１の代償は大きく、大宮の台所事情は苦しい。まずはセンターバックでありながら、攻守に大活躍し前節も得点しているレアンドロが今季残り２試合出場停止だ。ボランチの片岡洋介を一枚下げることとなるが、上背のなさは確かな事実だ。京都には高さのある田原豊がおり、前節はベンチからも外れているがその前の５試合は連続して先発し、そのうち２試合に得点している。田原の先発はフェルナンジーニョ次第ということになりそうではあるが、対応には注意が必要だ。
さらに、前節新潟戦で前半20分に交代している藤本主税の状態も気になるところではある。試合開始直後に感じた筋肉の違和感のようなものが原因だったそうで、自ら申し出ての交代だった。残る２試合でフルパフォーマンスを発揮することを考慮して早目の申し出だったようで、20分の交代にしては軽症のよう。「ホームなので直前まで回復を待ちたい」と樋口監督も話しており、先発の可能性もありそうだ。

注目したいのは8月16日以来のリーグ戦先発復帰が濃厚な小林慶行だ。アジア王者Ｇ大阪に勝利した３日後の練習中に負った右ふくらはぎの肉離れにより戦線離脱。9月13日、いったんはサテライトリーグに復帰するも違和感を訴え再び離脱することとなった。当時から「残留争いは対戦順を見てもラスト３試合の勝負になる。だから中途半端に出場するよりもその３試合でベストパフォーマンスで90分出場するために、できることをしたい」とこの新潟戦、京都戦、磐田戦を見据えていた。10月下旬からは「いつでもいける」状態まで復帰していたが、チーム状態もあり先発は見送られていた。だが、明日は満を持しての先発出場が濃厚。試合に関して「オープンな展開になったら京都が強いと思う。いかにコンパクトにするか、間延びさせられてしまわないことが大事。３バックか４バックかではなくてシジクレイが中盤にいたときは主導権を握りたいとき、後ろにいるときは長いボールを蹴ってくるときだと思う」と話す。開幕第2節には、研究されコンパクトな状態を保てず相手の思うままの試合になってしまっただけに、今度こそはとの思いをにじませる。

京都は２連敗後に１勝１分１敗。柳沢敦をはじめ好調な攻撃陣を大宮はいかに食い止めるか。「京都は変幻自在に戦い方を変えてくるチーム。柳沢はキレているし、いやな選手も多い。でも、もちろん相手の研究もするけれど、こっちはゾーンでいつもどおりに守るだけ。ホーム最終節なので今季の集大成の試合を見せたい」と樋口監督は意気込む。

今季の集大成、それは結果だけではなくて試合内容もさしている。６連敗を経験しつつも貫いてきた自らアクションを起こすサッカーの浸透は、大宮というチームにとってかけがえのない財産。内容を継続させつつ残留、そして来季につながる結果を求めてキックオフの笛を待つのみだ。

以上