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【AFCチャンピオンズリーグ アデレード vs 鹿島】試合当日のサポーターレポート(08.09.26)

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決戦の地アデレードの街並み

観戦ツアーで駆けつけたサポーター

こちらは個人手配による弾丸ツアーの一行

カメラを向けるとニッコリと応じてくれた陽気なアデレードサポーター

徐々に人が集まり出す入場ゲート前

大東社長の言葉に耳を傾ける鹿島サポーター

様々なゲーフラが掲げられる。なかには「小笠原の分まで KASHIMA FIGHT!」という物も。

興梠選手が足を痛めてピッチにしゃがみ込んだとき、サポーターから一層大きな声援が送られた。

取材中に知り合ったサポーターの方にいただいたタオルマフラー。

9月24日(水) AFCチャンピオンズリーグ
アデレード 1 - 0 鹿島 (19:00/アデレード/16,965人)
得点者:73' コーンスウェイト(アデレード)

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第1戦はホームで1−1と手痛い引き分け。直前のJリーグで大黒柱の小笠原が負傷離脱。左サイドのキーマン新井場の負傷も癒えず。たたみかけるような苦難が鹿島を襲い、文字通り『正念場』となった9月24日(水)のアデレード・ユナイテッド戦。完全アウェイのピッチで懸命に戦う選手たちの後ろには、遠く日本から駆けつけた多くのサポーターの声があった。

決戦の地アデレードは英国風の落ち着いた建物と、多くのレストランが立ち並ぶ「食」の街として、観光客の人気を集める南オーストラリア州の州都。しかし、日本からの直行便はなく、シドニーやブリスベン、ケアンズなどのオーストラリア主要都市からの乗り継ぎや、シンガポールや香港経由のフライトを強いられる。土地柄、中東への遠征ほどタフなイメージはないが、移動距離や時間は相当過酷なものだったはずだ。それをものともせず、100名ほどのサポーターがこの地へ駆けつけた。その顔ぶれは実に様々。今回が初の海外旅行となる大学生、ジーコがJSL2部の住友金属に来た頃からのベテランさん、何度かACLのアウェイ観戦を経験しているという姉妹に、今回が初のサッカー観戦という人の姿まで。旅程も、ツアーを利用して試合の2日前に到着する人から滞在時間24時間未満の弾丸ツアー組まで多種にわたっていた。

試合当日のアデレードは快晴に恵まれ、心配された冷え込みもさほどなく良いコンディション。スタジアムにサポーターの第一陣が見えはじめたのはキックオフの4時間ほど前だった。そのサポーターに合わせるように登場したのがアデレードのTシャツ売りのおじさん。まだ品を並べる前だったが、そのサポーターグループのなかの一人が声をかけ、いち早くアウェイ観戦の記念のTシャツを購入。他の人もそれを見て次々とTシャツをゲットしていた。徐々にサポーターが集まり、入場ゲート前に人だかりができはじめる。弾丸ツアー組はキックオフの3時間ほど前にスタジアムに到着した。さすがに疲労の様子が伺えたものの、写真を撮ったりしながら思い思いの時間を過ごし、アウェイの空気を楽しんでいたようだ。両チームのサポーターは、特に待機場所を仕切られることもなく、時折、言葉を交わして友好を深めていた。試合までまだ時間があるためか、入場ゲート前はこのようなリラックスムードのまま開場を迎えた。

そんな和やかなムードも入場後には一変。アウェイ側ゴール裏に陣取った鹿島のサポーターたちは早速横断幕をスタンドの壁に貼りだし、ゲーフラを掲げ、一気に試合モードに切り替わった。掲げられたゲーフラのなかには「小笠原の分まで KASHIMA FIGHT!」と書かれたものもあり、改めて彼の存在の大きさを感じさせられた。軽快なリズムで刻まれる太鼓の音にのせて「カッシマ、アントラーズ!」と声を張りあげ、試合へのテンションを高めるサポーターたちの前に現れたのは、鹿島アントラーズの大東代表取締役社長。このときばかりは静かに社長の言葉に耳を傾けていた。

選手がアップのためピッチに姿を現すと歓声は更に大きなものになる。統率の取れた様々なパターンのコールに、「ユナイテッド!」という掛け声と拍手ぐらいしか応援スタイルを持たないアデレードサポーターたちは、時折マネをしながら、興味津々にそれを見つめていた。そして現地時間19時30分、いよいよ選手が入場する。アデレードへ向けられる声援はさすがに圧倒的だったが、ピッチ中央で写真撮影していた編集部スタッフの耳にも鹿島サポーターの声は聞こえていた。想いはしっかりと選手に届いていたはずだ。

前半、鹿島は押し込まれた。中盤が機能せず、体格に勝るアデレードの選手を相手になかなか前を向けない状況が続く。時折、興梠選手がゴールに迫ったが両チーム無得点のまま前半を終えた。後半戦序盤は鹿島がペースを握ったが、徐々に盛り返されると72分に痛恨の失点。終盤にかけて懸命にゴールを目指したが1点が遠く、準々決勝で鹿島のアジア制覇の夢は潰えた。

振り返るとアデレードの時間が多く感じられる試合だったが、鹿島サポーターは試合中、休むことなく声を出し続けていた。序盤の相次ぐピンチの場面も、興梠選手が足を痛めてしゃがみ込んだときも、失点の直後も、1点を奪えない焦燥感に包まれた終盤も、絶えずチームを鼓舞し続けた。その勢いは地元の人をも巻き込み、アウェイ側ゴール裏では一緒になって鹿島を応援する地元の人も見られた。それだけにタイムアップ直後の静まりかえった鹿島サポーターの様子には胸のつまる想いがした。しかし、彼らはすぐに顔を上げてチームに声援をおくる。今度はその姿にサポーターの力強さを感じさせられた。彼らの戦いはまだまだ続く。

今回、ある観戦ツアーに同行して取材を行い、改めてアウェイ観戦の醍醐味を知ることができた。初対面ということで皆さん会話もそれほどなかったが、そこは同じチームを愛して、遙々遠征してきた者同士。すぐに打ち解けたようで、帰りの道中は実に賑やかなものだった。また、仕事中、知り合ったサポーターの方に声をかけていただいたり、プレゼントをいただいたりと取材する側にとっても非常に嬉しい出来事があった。旅先での出会いは、日常のものよりも互いの距離を近づけることが多々ある。こうした繋がりを持てることがアウェイ観戦の楽しみのひとつだと思う。この原稿を書いている最中、どこかで一緒に食事でもしてきたのだろうか、「じゃあ、またスタジアムで!」と挨拶を交わして部屋に戻る誰かの声が聞こえてきた。

以上
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