7月31日(木) VfLボーフム・ジャパンツアー2008
横浜FM 1 - 1 VfLボーフム1848 (19:00/日産ス/9,653人)
得点者:43' 山瀬功治(横浜FM)、52' デニス・グローテ(VfLボーフム1848)
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試合終了後、小野伸二は場内を一周。小野のファンだけに留まらず、横浜F・マリノスサポーターからも温かい声援を受けていた。そんな和やかなムードに包まれ幕を下ろした「VfLボーフム・ジャパンツアー2008」。 横浜FM対 VfLボーフム1848(ドイツ)の一戦は、1対1のドローに終わった。
小野の初凱旋試合。俄然、大きな期待を集めたが、この日の小野は得点に絡めず、78分に選手交代でピッチを退いた。ただ、後半には、柔らかいサイドチェンジのパスを2本出など、彼らしいプレーを時折見せた。また、自慢のスルーパスが出たのは64分。ピッチ中央でダイレクトの速いタテへのパスをスタニスラフ・セスタクに送る。セスタケは一瞬フリーになったが、F・マリノスの懸命な守備に阻まれた。さらにチームメイトに大声で指示を出すなど、チームを牽引している印象を受けた。
この試合のもう一つの見どころは、横浜FMが、来週の6日(ヤマザキナビスコカップ準決勝)、9日(リーグ第20節)に行うガンバとの2連戦を見据えて、どのように戦うかだ。この日、木村浩吉監督は、前半にベストメンバーを組んで臨み、後半に計6人の選手交代を行い、若手を試している。
前半は、暑さと時差ボケでコンディション不良だったはずのボーフムのフィジカルの強さを生かした守備に苦しみ、中盤や最終ラインでボールを失うシーンが目立つ。だからといって劣勢ではなく、ボールを回すことはできていた。しかし、山瀬功治が「それは効果的なパス回しとは違う。タテへのパスが少なかった」というように、リズムの良さは感じられなかった。
それでも前半43分に先制弾が生まれる。松田直樹が早めのリスタート。それが裏に抜けた坂田大輔に渡る。坂田はボールキープし、オーバーラップしてきた小宮山尊信へヒールパス。スピードに乗った小宮山が相手に倒されPKを得て、山瀬功が決めた。
若手主体の後半。53分にスローインで競ったこぼれ玉をボーフムに拾われ、ペナ内でシュートを打たれ、一度は河合竜二に当たるも、その跳ね返りをデニス・グローテに決められてしまう。その後は、相手の運動量が落ちたこともあり、横浜FMがペースを握っていたが、決勝点を上げるに至らぬまま終了。
後半出場した若手の中で目を引いたのが、ケガのために出遅れ、親善試合ながら今季初出場を果たした狩野健太。後半頭から右ボランチの位置に入り、長短を織り交ぜた散らしの好パスを披露。昨季リーグ戦18試合に出場した中盤のコンダクターが、J1のピッチに戻って来る日はそう遠くないと思わせた。
また、フル出場した兵藤慎剛と小宮山は調子の良さをアピール。兵藤はトップ下に入り(山瀬功はボランチ)、最後まで運動量を落とさず、攻撃時によく顔を出した。小宮山は、87分にドリブルで2人抜きするなど、キレの良さが光った。来週に迎えるガンバ戦。リズムに乗り切れないチームの中で、ゴールをもたらす原動力になるのは、勢いのあるこの若い2人かもしれない。
以上
2008.08.01 Reported by 小林智明(インサイド)
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