11月4日（日） 第87回天皇杯4回戦
名古屋 3 - 1 草津　（13:02／瑞穂陸／3,522人）
得点者：15' 吉村圭司（名古屋）、66' 吉田　麻也（名古屋）、68' 吉村　圭司（名古屋）、73' 松浦　宏治（草津）
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名古屋の布陣は、GKに楢崎、CBに米山、右に吉田、左に阿部、MFはボランチに吉村、右に小川、左に渡邊、中に山口、本田圭佑、FWはヨンセンと中村の３−５−２。対する草津はGKに本田征治、DFは喜多、田中、尾本、寺田、MFは松下、櫻田、秋葉、そして鳥居塚がFWとMFを兼任するような形でトップ下に入り、FWはカレカと高田の４−４−２という、ベストメンバーで望む。

序盤は、両チームともなかなかボールが落ち着かず、名古屋が何度かチャンスを作るものの、フィニッシュまでは持っていけない時間帯が続く。しかし15分、相手陣内左でのこぼれ球を拾った吉村がミドルシュートを放ち、今季公式試合初得点で先制。これで名古屋が波に乗るかと思われたが、草津は東京Vとのドローを演じた試合（J2 48節）のように、４バックと中盤の松下、櫻田、秋葉の３人、あるいは鳥居塚を含めた４人で組織的な守備をし、名古屋の攻撃を思うように進めさせてはくれなかった。さらに、２トップのカレカと高田が深い位置でカウンターを狙うポジショニングをとっていたことから、名古屋DF陣も思い切ってラインを上げられず、高い位置でプレッシャーをかけることができない。それでも名古屋は小さなチャンスを何度か作っていく。そしてまた草津も、GK楢崎に阻まれるもののシュートまで持っていく場面も見られた。１−０のままゲームは動かず、前半を折り返す。

後半、守備を立て直した名古屋が徐々に主導権を握り始め、チャンスを作り出してゆく。それでもやはり、課題だったゴールネットを揺らすことがなかなかできず、追加点が奪えないもどかしい時間帯が続く。そんな中、名古屋は山口から藤田に代え、さらに小川から玉田に代えて追加点を取りにいく。玉田が入った１分後の66分、吉村が右CKから中に入れたボールがこぼれ、玉田へ。しかし、これは決められなかったものの、再度こぼれたボールをつなぎ、GK本田征が弾いたところへ吉田が詰めてゴール。やっと追加点を決めた名古屋。ここから名古屋の攻撃は勢いづき、その２分後には、本田圭のCKからこぼれたボールを吉村が豪快にミドルシュートで決め、草津を突き放す。吉村の２点目で３−０とした名古屋。さらに玉田がポストに当てるシュートを放つなど、勢いも流れも完全に名古屋のものだった。

しかし、ここから草津が意地を見せる。73分、草津・松下が放ったCKに、交代したばかりの松浦が頭で合わせて１点を返すと、草津の攻撃が息を吹き返す。サイドや中央のスペースを使って名古屋陣内に攻め込み、そのことで名古屋は引いて守る形を強いられるいう状況。好調を継続していると思わせるカウンター攻撃にプラスされたポゼッションサッカーで、名古屋をヒヤリとさせていた場面もあった。

それでも草津に主導権を渡すことなく、Ｊ１との実力差を見せつける危なげない内容、３−１という結果でゲームを終わらせた名古屋。今季残された最後のタイトルに向け、好スタートを切ったと言っていい。まだＪ１残留争いでは安心できる位置にいない。しかし、今日の試合でチームのベクトルは同じ方向を向いていることを証明できた。チームを去ると同時に監督というキャリアにも終止符を打つフェルフォーセン監督へ、最後の教え子たちが花道を作る。

以上