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【第87回天皇杯3回戦 鳥栖 vs 筑波大学】レポート:苦しみながらも鳥栖が4回戦進出を決める。筑波大は善戦するも最後は技術・体力の差が出て撃沈(07.10.08)

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10月7日(日) 第87回天皇杯3回戦
鳥栖 1 - 0 筑波大学 (13:00/佐賀/1,606人)
得点者:73' 高地系治(鳥栖)
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「最低限の結果」は残したものの、勝った鳥栖に喜びの笑顔はほとんど見られなかった。チームは「最低でも1−0で勝利」を毎試合の試合目標としているが、大学生相手の内容が伴わない辛勝に、岸野靖之監督・選手たちから聞かれたのは反省の言葉ばかりだった。

来週水曜日(10日)、土曜日(13日)と大事なリーグ戦で連戦が控えているが、「われわれのやることは大会が違っても変わらない」と岸野監督は格下ともいえる筑波大学を相手にもほぼベストメンバーを組んで挑んだ。ここ最近低調気味のチームにとっては、この試合で内容的に充実すれば今後に勢いが出るだけに「みんな気合いは入っていた」(MF高地系治)。が、立ち上がりから苦戦を強いられた。

前線からプレッシャーをかけ続ける戦術の鳥栖に対し、筑波大学・浅井武監督は異例の「5バック」システムを敷いてくる。以前から「引いた相手に対してどうやって攻めるか」というのが鳥栖の最大の課題だったが、やはり5人のDFに加えボランチの金正智也も加勢し、ほぼ6人で守備を徹底的に固められてしまうと、例え相手が大学生とはいえそう簡単には崩せない。早い時間に先制点を奪いゲームを支配する狙いだったが、何度かあった大きなチャンスも筑波大の「絶対に勝ちたい」という気迫あふれる統率された守備に守りきられ、沈黙が続いた。

この試合最大のポイントは、鳥栖が後半頭から左サイドに清水康也を投入したことだろう。「もっとワイドに開いたり、サイドを起点としてそこから中を崩したりということができなかった」と日高拓磨が振り返ったが、前半は攻撃の狙いをハッキリさせることができず中へと偏りがちだった攻撃の起点がサイドで作れるようになったことで、試合は後半開始から大きく動き出した。
運動量の多い清水が左・右・中央と走りまわることによって逆サイドの高地系治が空いたスペースを的確に埋めていくと、自然とポジションチェンジする形となり、パスを供給する高橋義希、衛藤裕の選択肢も広がって前線への効果的なラストパスが増える。
ビッグチャンスが何度も作れるようになった一方でそれを逸し続けたが、ようやくゴールネットが揺れたのが後半28分だった。
高橋が右サイドから中に入れたパスはフリーの高地へ。「ヨシキ(高橋)の動きもしっかりと見えていた」高地が落ち着いて決め鳥栖が先制すると、あとはDFが集中し体を張って筑波大の攻撃を止め、この1点を守りきった。
「無失点に抑えて1点を奪う」という試合目標は守ったものの、「(1点しか奪えなかったことは)プロとしては力不足だった」と日高。ゴールした高地も「その前に決めるべき場面はたくさんあった。そこで決められれば流れは違ったはず」。決まったゴールよりも、逃したシュートを大きく悔やんだように、決定力という点がこれからのチームの大きな課題だろう。

筑波大は良かった前半の流れを後半でも続けようしたが、序盤からのハードワークが響いたのか明らかに運動量が落ちた。加えて鳥栖の中盤が流動的にポジションチェンジを繰り返したことで捉えきれなくなり、パスをサイドに散らされ失点を喫した。
だが、再三のチャンスを凌いだ堅い守備はJ2のチーム相手にもある程度通用すると手応えを掴んだはずである。特に何度も決定的なピンチを救ったGK碓井健平の積極的な飛び出し、好セーブには鳥栖サポーターも大いに沸いた。

「いちばん大事なのは上に進むこと」と結果を評価する一方で、内容なき勝利に「いつも考えさせられる」と岸野監督は頭を抱える。次なる課題は「今日のような試合をしないこと」。
「結果」と「内容」の伴った勝利を、鳥栖は追い求めていく。

2007.10.08 Reported by 上岡真里江
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