10月6日(土) 2007 J1リーグ戦 第28節
清水 3 - 0 名古屋 (19:04/日本平/14,831人)
得点者:28' チョジェジン(清水)、49' チョジェジン(清水)、77' チョジェジン(清水)
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3-0というスコアは、試合内容に見合わないものだった。シュート数も、無得点の名古屋が20本で、3点取った清水(8本)の倍以上を打ち、名古屋の監督も選手たちも内容に関しては手応えを口にする。ただ、ひとつ戦力的に大きな差があったもの、それは“高さ”だった。
この試合を今季の山場と位置づける清水は、前節まで固定されていたスタメンを3人入れ替えてきた。それがFW岡崎、MF枝村、GK山本と、3人とも五輪代表。センターバックの青山も含めて五輪代表が4人スタメンに入っているのは、若手が充実している清水らしいところだ。ゴールマウスを守る山本海人はリーグ戦初出場だったが、長谷川監督は若さの勢いに賭けた。
対する名古屋は、快勝した前節・柏戦とまったく同じスタメンで、システムも同じ4-1-4-1。清水は柏とはシステムが異なるが、相手に合わせるよりも自分たちの良い手応えを優先した形。ヨンセンと増川の復帰も期待されていたが、それは見送られたため、フィールドプレーヤーで180cm以上の選手は、清水の5人に対して名古屋は2人(どちらもMF)だけだった。
立ち上がりでペースを握ったのは、チーム全体が素早い攻守の切り換えを見せた名古屋。清水も動きは悪くなかったが、名古屋の4-1-4-1の形に対応するのに少し手間取った。ただでさえ、清水のMFが3枚横に並ぶのに対して、名古屋の2列目は4枚並ぶため数を合わせにくい状況だったが、そこにサイドバックが上がってくるとよけいに対応が難しくなる。「相手のサイドバックに対して、うちのサイドハーフが出ると、中盤の移動距離が長くなってバランスを崩してしまった」と兵働が振り返ったように、守備が後手後手になってサイドから崩される場面を作られた。
しかし、クロスが入っても、高さでは高木和や青山が大きなアドバンテージを発揮し、決定的な形は作らせない。名古屋は、2列目に厚みがある分、セカンドボール拾ってミドルシュートを積極的に放ったが、これはGK山本がしっかりと反応した。
一方、清水の攻撃は速攻主体で、岡崎が良い動き出しで裏へのフィードを引き出し、チョ・ジェジンもハイボールで優位に立って、名古屋のDFラインを後ろに引っ張る。それによって生まれた中盤のスペースにMF陣が入ってサイドに展開し、清水も効果的な攻撃を見せた。
それでも相手ゴールに迫る回数では名古屋が上回っていたが、先にチャンスを生かしたのは清水。28分、兵働の左からのアーリークロスに対して、ニアに岡崎が飛び込んでDFを引きつけ、中央でフェルナンジーニョがDFと絡んでつぶれ役になり、結果的に逆サイドに抜けたボールをフリーのチョが決めて、きれいに先制ゴールを奪った。
先攻された名古屋も、34分に2本続けて良いシュートを放つが、金の強烈なミドルシュートはGK山本がファインセーブし、本田のボレーシュートは左ポストに当たって跳ね返って、なかなかゴールを割れない。
1-0のまま折り返した後半は、名古屋が右サイドバックの山口に代えてFW杉本を入れ、システムを3-5-2に変更。その杉本が0分と2分に裏に飛び出してチャンスを作るが、ここもチャンスを生かしきれない。後半も立ち上がりは名古屋が制したが、逆に清水はセットプレーでワンチャンスを生かす。
後半4分、フェルナンジーニョの左CKから、ニアの高木和の頭上を越えたボールをチョが低い姿勢で頭に当てて逆サイドに流しこみ、大きな価値のある2点目を決めた。
これで必要以上にリスクを冒す必要がなくなった清水は、まずは守備をしっかりとセットして、攻撃はカウンター主体という戦いにシフトしていく。そんな中でも名古屋はパスをつないで攻め込み、8分には左クロスから決定的なチャンスを迎えるが、最後のシュートは中村が足を滑らせて空振り。名古屋はツキもなかった。
そして、29分の大ピンチも高木和の素晴らしいカバーでしのいだ清水は、32分にセットプレーで3点目をゲット。ここは右からの藤本のFKに対して、チョが完全に高さで勝って、Jリーグに来てから初めてのハットトリックを達成した。
これで試合はほぼ決まり、終盤は清水がバランス良く守りながら逃げ切って、結果的には3-0の完勝。連敗を2で止め、ホームの声援を受けて悪い流れを断ち切ることに成功した。
敗れた名古屋としては、狙い通りのサッカーはできていただけに、何とも悔しさを消化しにくいゲーム。「欠けていたのは、相手ゴール前での精度」とフェルフォーセン監督が振り返ったように、決定機の数では清水に負けていなかったが、高さで勝負できる選手をケガで欠いていたことも痛かった。
ただ、勝った清水も、過去2試合ではチャンスを作りながら決めきれず、同じ悔しさを味わっていた。それがこの試合では、エースのチョが3本打ったシュートを全部決めて3得点。サッカーとはそういうものと言ってしまえばそれまでだが、清水がさらに上を目指すためには、この試合のような戦力プラスαの何かを身につけていく必要があるだろう。
以上
2007.10.07 Reported by 前島芳雄
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