10月7日(日)第87回天皇杯3回戦 水戸 vs ツエーゲン金沢(13:00KICK OFF/笠松)
-水戸へ行こう! スタジアムガイドはこちら-
-試合速報はこちら-
●スターティングメンバーはニュース&レポートに掲載します。
●テレビ中継:NHK-BS1にて録画中継 15:10〜17:00
----------
2006年10月8日は水戸サポーターにとって生涯忘れられない1日となった。天皇杯3回戦で地域リーグ・静岡FCに0対1の敗戦。水戸ホーリーホック史上はじめて公式戦において下部リーグ所属チームに対して負けることとなったのである。
勝敗ははじまってすぐに決まった。開始早々、DF裏に飛び出した西野がGKと1対1のシーンを迎えるものの、シュートを打たず、アンデルソン(現清水)へのパスを選択。それをDFにクリアされ、チャンスを逸することに。そうした消極的なプレーがチームのリズムを狂わすこととなり、そして静岡FCを勢いづけ、悪夢への道をたどることとなってしまった。試合後、スタジアムは騒然。スタンドからは選手たちに対しての罵声が飛び交い、ロッカールームでは選手同士でも文句の言い合いとなった。屈辱と恥辱にまみれた1日。「昨年の二の舞だけはしてはいけない」と吉本は語り、西野は「今年は自分が決めないといけないという気持ちがある。迷いはない」とゴールを誓った。
やはり、この試合においてポイントとなるのは水戸が決めるところを決められるかの1点に尽きるだろう。先週に行われた仙台戦でも相手が1人少ない状況となり、水戸がボールを支配する格好となったが、「数的優位を生かす術を持っていなかった」(村松)水戸は効果的な攻撃をすることができず、ゴール前にボールを送っては仙台DFに跳ね返される繰り返しであった。今季の水戸はここまでアクションサッカーを標榜してやってきた。それだけに、そうした状況になって躊躇するということは「アクション」が実になっていないということであり、まだリアクションの粋から脱せていないことが露になってしまったと言えるだろう。
第4クールに入り、チームは最下位。そしてわずか5勝という状況。しかし、リアクションからアクションへの変革の時と位置づけてここまでやってきたチームを信じてサポーターは選手たちに声援を贈り続けてきたのである。この試合においてツエーゲン金沢の守備を崩し、そしてゴールを奪うことができなければこれまでの戦いが無駄になることだろう。今季のチームの真価が問われる試合。「今の僕らにとって1試合1試合が重要。チームとしてレベルアップするためにもこの一戦は重要になってくる」と吉本は力を込める。現在、過去、未来を含めて水戸にとって大きな意味を持つ一戦であることは間違いない。
だが、ツエーゲン金沢、侮るべからずである。1回戦ではロッソ熊本、2回戦ではFC刈谷、2戦立て続けに格上であるJFLを破ってここまできているだけに実力は相当なもの。手ごわい相手に変わりはない。北信越1部リーグでは4位に終わったものの、現在の北信越リーグはJリーグ入りを目指すクラブがしのぎを削る群雄割拠のリーグであり、「(レベルの高さは)異常ですよ」とチーム関係者がもらすほどの戦いを繰り広げているのだ。4位といえども1位と勝ち点差わずか4。14試合という短期決戦の中で屈することとなってしまったが、実力的には優勝した松本山雅FCに決して劣るものではなかった。
中でも個人個人のレベルの高さは特筆すべきものがある。元Jリーガーが多く名を連ねており、J2のクラブと比べても見劣りしない陣容だ。中心は昨年水戸に在籍したMF権東勇介。中盤の底から正確なパスを繰り出してゲームメイク。1回戦の熊本戦では2ゴールを決めるなどチームの攻守の中心である。また、キャプテンも務めており、精神的な支柱でもある。古巣が相手だけに相当強い気持ちを持って臨んでくることは間違いないだけに注意したい選手だ。そして、トップ下のMF木村龍朗(元広島)は広島ユース出身の基礎技術の高い選手で、金沢のファンタジスタとしてゲームを組み立てる。MF奈良安剛(元札幌)とのコンビは危険な香りを漂わせている。そして、フィニッシャーとして注意したいのは米山大輔(元C大阪)。強力な右足のキックを持っており、シュートレンジが広い。右サイドからFWに入ってくる動きは神出鬼没。マークの確認を怠ってはいけない。彼らだけでなく、実力者が名を揃える金沢。Jリーグチームを倒すという高いモチベーションを持ち、そして来週13日からはじまる全国社会人大会に向けて、弾みをつけるためにも是が非でも勝ちたい一戦。すべての思いをこの一戦にぶつけてくることだろう。
そうした強い気持ちに対して受けに回ると水戸は痛い目に遭うだろう。忘れていけないのは常にチャレンジャー精神を持つこと。やるべきことは相手が変わろうと同じである。相手よりも多く走り、相手よりも球際を厳しく、そして相手よりも声を掛け合って修正し合うこと。その積み重ねが勝利を導くということはリーグ戦だろうが、カップ戦だろうが変わらない。「相手に何もやらせないくらいにできないといけない」と前田監督は強い口調で語る。果たして水戸はJリーグの貫禄を見せ付けることができるか。そして、昨年の悪夢を振り払うことができるのか。運命の90分間がはじまる。
以上
2007.10.06 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
一覧へ【第87回天皇杯3回戦 水戸 vs ツエーゲン金沢】プレビュー:屈辱と恥辱の2006.10.8から1年。水戸は笠松で悪夢を振り払えるか。元Jリーガーを多く擁する金沢はJFL勢に続き、Jリーグ撃破を目指す。(07.10.07)
- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off