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【J1:第15節 千葉 vs 甲府 レポート】ノーガードの打ち合いを粘り強く泥臭いプレーで制し、連敗を止めた千葉。2点を奪った甲府だが、局面の守備の緩みで惜敗。(07.06.18)

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6月17日(日) 2007 J1リーグ戦 第15節
千葉 3 - 2 甲府 (16:03/フクアリ/13,229人)
得点者:'15 巻誠一郎(千葉)、'25 石原克哉(甲府)、'38 巻誠一郎(千葉)、'50 石原克哉(甲府)、'70 羽生直剛(千葉)

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■注目プレイヤー: 巻 誠一郎選手(千葉)
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試合が終わるやいなや、千葉のMF下村東美は両手で顔を覆って号泣した。2得点をあげ、ヒーローインタビューを受けようとした千葉のFW巻誠一郎だが、感極まって言葉に詰まってしまう。結局、巻はこみ上げる涙をタオルで拭いながら、何も言わずにお立ち台を下りてしまった。彼らの姿からは、公式戦で負け続けるたびに重さを増したプレッシャーから解放された安堵感が伝わってきた。

公式戦6連敗でリーグ戦17位の重圧に加え、千葉には16日の一部の新聞に報道された監督批判により、試合当日の17日にDFストヤノフが自宅謹慎になるという一大事が起こっていた。今季最大の危機ともいえる状況に、スタジアムの千葉サポーターは試合前から熱気あふれる応援を続けた。そして、その声援に応えるように、千葉の選手は終始気迫のこもった闘志あふれるプレーを見せた。

とはいえ、公式戦で7試合も勝ち星から遠ざかっている甲府も苦境から脱するべく、持ち前の厳しいプレスとボールを奪って素早く仕掛ける攻撃を展開。両チームが中盤で激しくボールを奪い合い、一進一退の攻防の均衡が崩れたのは15分だった。千葉のFW新居辰基が競り合った甲府のDF増嶋竜也から粘り強くボールを奪い、前へパス。ワンバウンドのボールを巻がダイレクトでループシュートを打つと、ボールは甲府のGK鶴田達也の頭上を越えてゴールマウスに入った。

だが、その10分後に甲府が同点弾を奪う。出場停止明けのFW茂原岳人のパスを千葉の選手がクリアミス。こぼれたボールを拾ったMF藤田健のパスを受けたMF石原克哉が豪快なシュートをゴールネットに突き刺した。

31分に増嶋に顔を踏まれ、左目の上を裂傷した巻(ハーフタイムに2針縫合)だったが、38分にはMF水野晃樹のCKからヘディングシュートを決めて、甲府を突き放した。しかし、千葉と同様に勝利を渇望する甲府も追いすがる。50分、ペナルティエリア左からDF井上雄幾がシュートを打ち、千葉のGK立石智紀がセーブしたあとのボールを石原がダイレクトでシュート。試合を振り出しに戻した。その5分後には千葉がPKを得るが、巻が蹴ったボールはクロスバーのはるか上。勝ち越しの絶好のチャンスを逸したが、千葉の選手の気持ちは挫けなかった。

70分、巻が増嶋からボールを奪い、これをMF工藤浩平が倒れこみながらMF羽生直剛にパス。羽生はドリブルで甲府の選手2人をかわすと、グラウンダーのシュートをゴール左隅に決め、千葉が粘り強いプレーの連続で決勝点を奪った。

競り負けた甲府だが、試合終了間際には立石の好セーブがなければあわやゴールのヘディングシュートが2回もあった。試合後の選手たちは「自分たちのミスで負けた」と語ったが、狭いスペースでもパスをつなぐ攻撃は見事だった。あとは選手が自ら語ったように「状況によって細かいパス回しと大きな展開を使い分ける攻撃」を実践することが必要だ。

4月21日のリーグ戦第7節以来の公式戦勝利を獲得した千葉だが、リーグ戦の順位は17位のままという現実がある。だが、今節のように「1対1では相手に負けない強い気持ち」で相手の前に体をねじこんでボールを奪い、相手よりも一歩でも先にボールに触れて攻めようとする戦いを続ければ、結果に結びつくはずだ。今はイビチャ・オシム前監督時代の華麗なパスワークではなく、不格好でも泥臭いプレーで得点して勝つことが重要だ。

以上

2007.06.18 Reported by 赤沼圭子
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