5月20日(日) 2007 J2リーグ戦 第16節
C大阪 0 - 2 愛媛 (16:03/長居2/4,762人)
得点者:'18 田中俊也(愛媛)、'58 三木良太(愛媛)
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C大阪は2連敗中、愛媛は4連敗中。勝って現在の流れを変えたい気持ちは同じだったはず。しかし、両者には大きな違いがあった。これまでの蓄積があるチームと、そうではなく今から作り上げようとするチーム。その差が結果として表れた。
ホームのC大阪は、就任したばかりのレヴィー・クルピ監督が初めて指揮を執った。「セレッソは伝統的に3バックでいいサッカーをしてきたと聞いているので」(クルピ監督)という理由で、都並前監督時代の4バックシステムから3-4-3システムに変えて“初戦”に臨んだ。練習どおり、立ち上がりからリスタートを速くするなど自分たちのサッカーを展開しようとした。が、その目論見は早々に外れてしまう。
キックオフ直後から守勢にまわった愛媛だったが、18分、青野大介のCKに合わせて、田中俊也がフリーでヘディングシュート。「ボールをセットしたときに俊也がフリーだと思って、そこに蹴ったらやっぱり(相手のマークは)ついていなかった。頭に描いていたとおりのゴール」(青野)だった。前節は相手に先行されてリズムを崩した愛媛にとって、願ってもない形での先制点であり、しかもファーストチャンスを確実に決めたことは、選手たちを勇気づけたはずだ。
失点の直後、C大阪のクルピ監督が動いた。ストッパーの山下達也を下げて、中盤に香川真司を投入。「中盤が機能してしなかったから、そこに香川を入れて修正を図った」(クルピ監督)ための交代だった。確かに、愛媛の2人のボランチのマークが厳しく、それまで古橋達弥と柿谷曜一朗の2シャドーはほとんど効果的な動きができず、1トップの小松塁も相手DFに抑えられていた。運動量が豊富で、ドリブル突破も得意な香川の投入で、流れが変わるかと思われたが、前半は0-1のままで終了した。
DFを1枚減らしたC大阪は、4バックというより両サイドを高い位置に上げて、バックラインには江添建次郎と前田和哉だけを残す、いわば「2バック」状態。攻撃に多くの選手を割く布陣で、後半の立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛けた。52分、56分と決定機を迎えるが、決められず。すると58分、愛媛は江後賢一の左サイドからのクロスに三木良太がヘディングで合わせて、2得点目。またしても少ないチャンスを確実にモノして、点差を2点に広げた。2点を追うことになったC大阪は、長身の森島康仁を前線に送り、小松 塁との2トップにしてサイドからさかんにクロスボールを入れるが、精度が低く、決定機には至らないまま試合終了の笛を聞いた。
「ゲーム内容からいけば、勝ってもおかしくなかった」と強気に振り返ったクルピ監督。しかし、「相手が今日の試合がベストだったのではないか。正直言うと、相手がここまでいいサッカーをするとは予想していなかった」と、本音をのぞかせた。ボールを支配しながら最後まで攻めの形を徹底できず、攻めあぐんだあげくに逆襲されての失点。選手たちは、異口同音に「攻撃しているときの守備が課題」と、振り返った。チーム再建には、課題が山積していることを目の前に突きつけられた形だ。
対照的なのは愛媛の望月一仁監督のコメントだ。「選手のがんばりでゲームをものにできた。ここまで来るのは大変だったが、選手には自信持って今までやっていることは無駄じゃない、負けてもいいから続けていこう、と送り出した」。それは2度の4連敗にも屈することなく、自らのサッカーを信じて実践してきた自負が感じられるものだった。
以上
2007.05.21 Reported by 横井素子
J’s GOALニュース
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