5月20日(日) 2007 J1リーグ戦 第12節
横浜FM 0 - 1 F東京 (16:01/日産ス/25,811人)
得点者:'69 福西崇史(F東京)
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「アグレッシブさが、いいときよりも足りなくなってきている」
試合後の栗原勇蔵の言葉に象徴される通り、前半は精力的に攻め立てていた横浜F・マリノスが、後半はまるで違うチームのように活力を失っていった。そして、対するF東京は対照的に後半、怒涛の攻撃を展開し、最後まで試合の主導権を渡さなかった。
それは、公式記録の数字を見ても明らかだった。総シュート数は、横浜FM:9、F東京8。だが、(横浜FMから見て)前半の7対3が、何と後半は2対5と見事に逆転している。もちろん、試合の展開を見ても、形勢はF東京に大きく傾いていった。
「前半に決められなかったのが大きい」
小宮山尊信が言うまでもなく、悔やまれたのが前半幾度か訪れたビッグチャンス。右から左から、手を変え品を変え、攻め続けるがゴールに結びつかない。得意のプレスから連動してボールをつなぐサッカーは、運動量が多い分、結果につながっているときは疲労を感じないものだが、一たび手詰まりを起こしてしまうと大きな消耗感を生んでしまう。
横浜FMの布陣はいつも通りの4−4−2。だが、右サイドバックには田中隼磨に代わって、5月9日の柏戦同様、那須大亮が入った。これは、マッチアップするF東京・リチェーリのスピードを考慮したものだろう。立ち上がり、その那須が右サイドをオーバーラップし、クロスからチャンスを演出していく。そして、リチェーリにはカバーリングを含めて2人で対応、とここまでは狙い通りだった。
だが、F東京の原監督はここで、右ウイングの川口信男と左のリチェーリに「ちょっと引くように指示をして、そこから良くなった」。実際、これで横浜FMはサイドの攻撃がスムーズに行かなくなる。「縦に行きたかったが、コースを消された」と言う小宮山が川口にスライディングタックルで奪われカウンターを食らった19分、ボランチ河合竜二のサイドを変えるパスを川口にインターセプトされた25分を見ても、それは明らかだ。
それならばと、切れ込んだ小宮山が相手をかわしながら、右足で鋭く振り抜いたのは前半15分。GK土肥洋一が飛びつくポストの先をわずかに掠めた。さらには37分。相手マークをひきつけた小宮山から、大外を追い越した山瀬功治に絶妙のパスが出る。山瀬功が切れ込んで折り返した先には坂田大輔。ダイレクトで左足をミートしたが、GKの正面を突いてしまった。
それでも、大島秀夫のポストプレーは攻撃の起点になっていた。高さで勝るディフェンダーは、今のF東京にはおらず、必然的にセカンドボールを拾う作戦に出た。そのために、川口とリチェーリを引かせたのだろう。序盤は大島が落として、後ろからの押し上げが機能した。それは9分の坂田のシュートにもつながった。だが、前半の終盤では自らクサビで受けると、素早く反転し前線へ展開するプレーも見せた。
前半だけでも、これだけのチャンスシーンをつくり出していた横浜FM。F東京もカウンターからゴール前までボールを運び、スリリングな展開でハーフタイムを迎える。
しかし、後半に入ると一転、F東京の時間帯が続く。リチェーリが再三起点になって、7分には梶山陽平の飛び出しを誘い、9分には右でフリーの川口にチャンスボールを送る。そして11分。中盤で奪った梶山がサイドチェンジ。鈴木規郎が切れ込んでスペースが生まれた。リチェーリのシュート。ルーカスがこぼれ球をつないで、再びリチェーリが打った。14分には、ワンチョペのキープからまたリチェーリのシュート。跳ね返りをつないで、最後はファーサイドで今野泰幸が飛び出しヘディング。
そして15分。川口に代わり、スピードのある石川直宏が入ると、ますますF東京の攻撃は勢いを増す。フリーで再三受けると、ドリブル、切れ込み、クロスにシュート。横浜FMのディフェンス陣も押し込まれていく。
2枚目の交代カードは、“ジョーカー”福西崇史。24分、入って直後にパスを受けるとドリブルから、いきなり左足を振り抜くと、前に出ていたGKをあざ笑うようにロングシュートがゴールネットに突き刺さった。
先制してからもF東京の猛攻は止まらない。27分には梶山からの縦パスに抜け出してリチェーリ、31分には自陣から藤山竜仁が持つと、フリーの石川に送ってフィニッシュまで結びつける。
横浜FMも42分、交代で入ったハーフナーマイクがクロスボールを高さで落とすと、大島が左足ボレーを打ち抜いて、ゴールネットを揺らしたが、これはマイクがオフサイドを取られてノーゴール。
ロスタイムの3分が掲示されると、早くもF東京のゴール裏からは勝利を確信したかのよう。1−0の僅少差ではあるが、F東京のゲームといえるだろう。
2試合連続してノーゴール。しかも、ホームでの連敗。今後も、相手が研究してくることは承知の上だろう。横浜FMが、そこをいかに切り開いていくか、まさに正念場を迎えている。
「チームの方向性は間違っていない。あとは、個の問題」
キャプテン中澤佑二のコメントが、今後の方向性を物語っているかのようだった。
以上
2007.05.21 Reported by 近藤泰秀(インサイド)
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■注目プレイヤー: 福西 崇史選手(F東京)
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