昨季はタイトルまであと一歩のところで苦杯を味わわされたＧ大阪だが、今季も同じ轍を踏むわけにはいかない。Ｇ大阪はキャンプ地グアムで真の常勝クラブという称号獲得に向け、着々と準備を進めている。

キャンプ２日目を迎えた２月１日。９時の練習開始に合わせ練習グラウンドを訪れると、練習前に円陣が組まれ、選手達が西野朗監督の言葉に耳を傾けていた。「今日、プロ野球もキャンプインしたというニュースを見た。Ｇ大阪も今日からまた新たな気持ちで練習に取り組んでいこう」と西野監督。また、「食事の時間はいつも同じメンバーで食べず、毎回違う選手とコミュニケーションを図っていこう」という話も。その後、この日誕生日を迎えたチーム広報を皆で拍手で祝い、練習はスタートした。

Ｇ大阪の練習は午前（９時スタート）に戦術練習、午後（16時スタート）にフィジカルトレーニングが基本。これは、午前中にフィジカルを行って疲れが残る中で午後の戦術練習に入ることを避ける為、というチームの考えだ。

この日の午前練習も、ボールを使ったトレーニングが中心だった。入念にストレッチ、ウォーミングアップを行ったあとは、４つのコーンを立ててパス＆ムーブ、続いて６対４のボール回し。その後、守備２人を置いて攻撃３人でコンビネーションからシュートまで、守備陣はビルドアップの確認。最後は６対６のミニゲームで、２時間半にわたる午前練習は終了した。

驚かされたのは、選手達のコンディション。始動日が１月29日ということは、この日は始動からまだ４日目。まだまだ身体が重いという選手がいても不思議ではないが、それぞれの動きからも、非常にいい状態でキャンプに臨んでいることがわかる。

実際、西野監督も始動日に「予想以上に（選手の身体が）出来ている」と目を細め、「フィジカルは作られているので、（キャンプでは）長い距離を走りこんだりといったことはするつもりはない」コメントしている。「年々、スタートへの意識が変わってきている」とチーム関係者。Ｇ大阪の選手にとって、各自が始動日までにしっかりと身体作りをしてくるのは当然のことのようだ。

ただ新加入での注目、バレー選手に関して言えば、オフ期間長かったこともあり、現段階では「（絞りきれておらず）ベストコンディションとは言えない（西野監督）」。とはいえ当然西野監督は「これまでにＧ大阪にいなかったタイプのFWの加入で、攻撃のオプションを増やしていきたい」と、大きな期待を寄せており「選手達とのコミュニケーションもうまくとっているし、融合するにはそう時間はかからないだろう」と話していた。

Ｇ大阪が最初に目指すタイトルまでは１ヵ月を切っている（２月24日・ゼロックススーパーカップ）。宿敵・浦和を攻め抜く為に、このキャンプ期間中にどんな攻撃のオプションを作り出すのかはとても楽しみだ。

グアムキャンプは２月７日までを予定しているが、例年通りグアムでの練習試合は行われない。グアムできっちりと基礎を作り上げた後、宮崎県綾町での二次キャンプで練習試合６試合（J1、J2チーム、大学チームなど）を予定している。

遊びを取り入れた練習では選手の歓声が一斉に響くが、いざ戦術練習に入ると取材陣も声を潜めて話しだすようなピリっとした緊張感がグランドを包み込む。練習場の雰囲気は、充実した2007シーズンを予感させるものだった。

以上

2007.02.01 Reported by　高木聖佳

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