午前9時前、 監督をはじめコーチングスタッフたちが進めていたピッチ上の練習準備は、もう既に終盤だった。練習開始は9時半、そのかなり前から準備を始めていたようだ。
午前9時15分。練習場から程近い宿舎を出発した選手たちがグラウンドに到着すると、ピリっとした緊張感が走った。選手たちはスパイクに履き替え準備を整えると、整えた選手からピッチに出てランニングを始める。 去年とはまるで違うかに見える選手たちの姿に、少し驚きを覚えた。

シーズンを29名の選手で迎えた徳島ヴォルティス。ヴォルティス3年目のシーズンスタートの1次キャンプもここ春野でのスタートとなり（J2加盟1年目から1次キャンプは春野）、1次キャンプには27人の選手が元気な顔を揃えた。（筒井がケガでのリハビリ、高橋（新加入）がテストの為 不参加）

キャンプも4日目となった24日、前日の練習試合の疲れや次の日に予定されている練習試合などへの考慮から、この日は軽めの練習で終わるのかと思いきや、みっちりと午前・午後の2部練習が用意されていた。午前はフィジカル、そして午後はボールを使っての練習が予定されていたものの 急遽、午前がボールを使った練習、そして午後はフィジカルというスケジュールに変更。選手たちは午前中 十分に体を温めてから、ボールを使って、前日の疲れも感じさせないほど軽快な動きを見せた。ビブスを着て、フリーマンを二人置いた5：5の練習なども行い、その複雑な練習方法には少し戸惑う選手の姿も見受けられたが、選手たちの顔は真剣そのもの。新たに加わったブラジル人選手二人もキャンプ初日から合流し、別メニューながらも たっぷりと汗を流した。開幕に向けての意気込みも強く、サポーターからの期待も集まりそうだ。

午後の練習では、ボールを一切使わず走り中心の練習。決められたタイム毎にチームを3つのグループに分け、その秒数内で600メートル×4本を走るトレーニングを数回行うなど、
かなりハードなメニュー。練習を終えた選手たちに「今日はどうでしたか？」と言葉を投げかけると「いやー、キツいっす。」「今までこんなキツい練習、経験したことないです。」と口々に返ってきた。その中にも、選手たちの顔には充実感が溢れていた気がした。
練習試合の合間の2部練習。しかし、選手たちは力を惜しみなく出しピッチを駆け回る。そんな姿に、「今年はやってくれそう」な気がした。今から開幕が待ち遠しい、そんなキャンプだった。
このキャンプでは、まだ大きなケガ人もなく（去年のこの時期は、既に半分の選手が離脱していた）、順調にトレーニングを進めている徳島ヴォルティス。チームはこの春野キャンプを打ち上げたあと、一度 徳島に戻り、また来月2日から宮崎キャンプに入る予定となっている。

以上

2007.01.25 Reported by 浅野 有香