2006年のシーズンが終了した。
クラブ史上、過去最高位の結果を残してサガン鳥栖の2006年も終わった。
初の勝ち越し(22勝13分け13敗)、引き分けをはさんだ形ではあったが5連勝(第43節〜第48節・第44節は引き分け)、鳥栖スタジアムのJ2最多入場者(第48節18,231人)、そして4位という最終順位…。どれをとっても今季の鳥栖は胸を張れる。他の実績のあるクラブに比べれば、些細な事かもしれない。でも、ファンやサポーター、鳥栖市民にとっては記憶に残るシーズンだった。
サガン鳥栖というチームの歴史は、97年のJリーグ加盟以来10周年を迎えた。ファンやサポーターの中には、チームの辛苦を共にし続けた人達がいる。彼らの支えと活動があったからこそ、今季の鳥栖の躍進があったとも言える。そして、その歴史の中でチーム運営母体が替わったのが一昨年。新しい運営会社になって2年目のシーズンが終わった。「サガン鳥栖と鳥栖スタジアムがオンリーワンになるために、サポーターの皆さんと意見を交換したい」。株式会社サガンドリームス副社長・佐野氏のあいさつで、12月17日(日)17:00から鳥栖スタジアム会議室でサポーターズミーティングが始まった。出席者はサポーターが約60名、株式会社サガンドリームスのフロントスタッフなどである。
今までにもサポーターズミーティングは行われていたが、今回はクラブ側が議事進行せずにサポーターとクラブがイーブンな形で行われた。サポーターでもなくクラブスタッフでもない人の議事進行で、両者の意見を出し合う形がとられたのである。分不相応で厚顔無恥とはわかっていても、両者のご意見の真意を聞きたいばかりに、筆者がその大役にしゃしゃり出てしまったことをこの場を借りてお詫び申し上げる。
詳細は、鳥栖のオフィシャルHP( http://www.sagantosu.jp/index.html )をご参照願う事とするが、
1.2007年の会場運営について
2.2007年の応援活動について
の主に2題に沿って進められた。
2007年の会場運営については、リーグ戦での進行や改善点などが話し合われた。2007年の応援活動については、サポーター同士の協力体制やビジョンを用いたスタジアム全体の応援アイデアなど活発に出された。以前の会議では、クラブが事前に用意した内容で進められていたため、どことなく一方通行的な感じがあったのだが、今回はサポーターが積極的に挙手し意見を出し合ったため、相互の理解は深まったように感じた。あえて、会議の模様をサッカー的に表現すると『今季の鳥栖が行ったような、華麗なパス交換ミーティング』と表現してもいいだろう(あえて表現する必要はないのだが…記事にすることを考えていたら、このフレーズを思いついた。不謹慎な進行役である)。
『エコの観点から、ごみの分別収集を行うべき』や『アウェイサポーターへの配慮』など建設的な意見も出されたことは、『鳥栖を応援するだけでは真のサポーターには成り得ない』という意識の現われ。裏を返せば、クラブが生まれ変わったのと同じように、鳥栖サポーターも辛苦の時代から新たな存在へと変貌の時期に来ているのだろう。
応援スタイルはスマートではないかもしれない。スタジアムの一体感もまだまだ足りないかもしれない。浦和や新潟、仙台のサポーターやスタジアムに及ばない部分があるのも事実である。でも、鳥栖をフランチャイズとした小さなチームが誇れるものがある。それは、『オンリーワンスタジアムを目指す』サポーターの想いと、それに応えようとするクラブの姿勢である。地域密着と身の丈経営が行いやすい環境が、おらが街『鳥栖』なのである。
過去は我々に教訓と頑張る踏み台を与えてくれた。過去を忘れてしまうと進むべき道を見失う。しかし、引きずってしまうと歩みが遅れてしまう。
鳥栖のサッカーが変わったのと同じように、我々も考え方と行動を考え直す必要もあろう。『サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にする』。日本サッカーの父・デットマール・クラマー氏の言葉である。
以上
2006.12.18 Reported by サカクラゲン
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