11月11日（土）J2 第48節 神戸 vs 柏（15:00KICK OFF/神戸ウイ）
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リーグ戦の対戦スケジュールの組み方の偶然に、毎年感心するものであるが、現在J１昇格に最も近い上位３チームによる「３強直接対決」が行われるこの3節（第47節〜第49節）。今季も残り5節となった中で、俄然注目が集まる。

その３強直接対決、第47節では柏ｖｓ横浜FCが対戦し、共に勝点1を分け合うに留まった。そして2位の横浜FCとは勝点差1、3位の柏とは勝点差5で首位を走る神戸（勝点84／得失点差＋28）が、今節から２試合連続で2位・3位との直接対決、大一番が続く。そして今節、神戸のホーム神戸ウイングスタジアムに乗り込むのが、昨季は「J1」という舞台で共に戦っていた柏（勝点79／得失点差＋21）である。

柏は2週間前の横浜FC戦（第47節10/28@日立台）で、勝点2を逃した悔しさを反省と教訓に換えてトレーニングを積んでいる。3-1とリードしながらも3-3に追いつかれてのドローとなった横浜FC戦。そこで新たに試みた選手に対して石崎監督は「各々が役割りを果たしてたのは良かったし、チーム内の信頼を獲れたんじゃないか？」と振返る。一方「最後の10分を含め反省することは、みんなそれぞれ口に出したくないほど感じたと思う」とはFWの鈴木達。「FWなので、次にチャンスがあれば結果（ゴール）にこだわらないと」とFW山下。

柏は、間に天皇杯3回戦（vsジュビロ磐田11/4@ヤマハ）を挟んだが、「終わった試合は終わったこと。残り5試合は１戦１戦戦うのみ」と監督は、「もう何日か経っちゃったから伸びてるよ」と言いながら坊主頭にした頭をさすった。今週火曜日、水曜日と紅白戦での練習を行っていたが、神戸戦を控えた数日前のミーティングで監督が選手達に伝えたという言葉は『覚悟』。「残り5試合色んな事があるじゃろう。苦労していかなきゃいけないんよ。何があってもどんなことがあっても、動じずに立ち向かって行こう！」という意味を込めての『覚悟』が監督の中で、丸めた坊主頭と共に出来ている。柏と神戸の今季の対戦は１勝１分１負。互いを知り尽くした両チームが迎える第４クールでの対戦に『覚悟』と前向きな悟りの心で戦っていく「逃げない」という決意を感じた。

神戸や横浜FCが4回戦で敗退した天皇杯。その中で今季「J1昇格」を目指して挑んでいる柏にとって、「J1」ジュビロ磐田との対戦（天皇杯4回戦）があったことは、チームにとって「逃げない」『覚悟』をする意味でプラスの刺激をもたらしているようだ。若手を中心としたメンバーで戦った１戦で、1-1ＰＫ戦（9-8）で敗れるという結果ではあったが「J1との対戦に自分達の課題も見つかったし、通用するところも見えた。何よりジュビロ戦ではメンバーが最後までひとつになって戦えた」と120分出場したFW鈴木達が語る。そして「自分達がやってきたことに間違いがないことも分かった」とDF小林祐三も手応えを掴めたことを確信したようだ。「お互いがカバーしあえた（FW鈴木達）」試合内容の良さに「ウカウカしてられないっていう刺激にもなったし、チームの底力を感じた」と天皇杯の出場はせずに見守ったベテランDF岡山は口にした。

天皇杯で増やしたケガ人は痛手だが、これまでのそんなピンチにチームはいくつかのオプションも備えてきている。状況は相手も同じ。「特長の見せ合い合戦になるし、ラインをどちらが高くキープ出来るかも鍵。そして得点もしていきたい。勝って、その後の選択肢を増やしていきたい」とDF岡山も意気込みを語る。「色んな意味で、悔いの残らない（FW鈴木達）」「後悔しないような戦いをしたい（DF小林祐三）」とジュビロ戦でピッチに立った二人が残りのリーグ戦に向けてコメントした。

「J1のチームで石さんの戦いを観たい！（DF岡山）」と『J1昇格』に気を引き締め直した柏が「Ｊ１」と前を走るジュビロ相手に向かっていったその気持ちで、今節首位を走る神戸に『覚悟』を決めて挑む。横浜FC戦で確認できたサポーター、フロント、スタッフ、チームの「一心同体」な『覚悟』を魅せるべく残りの5試合の中、最も期待のかかる大事な１戦だ。

以上

2006.11.10　Reported by 脇本 カオル