11月11日（土）J2 第48節 神戸 vs 柏（15:00KICK OFF/神戸ウイ）
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　今季のJ２リーグにおいては最大の正念場とも言うべき、柏、横浜という上位チームとの連戦を含め、残り試合は5つ。神戸にとっては、最大の目標である『J2優勝』をいよいよ、実現する時がやってきた。その皮切りになるのが、明日行われる、柏戦。今季の過去３戦は1勝1分1敗と、イーブンの戦いを続けてきた相手との戦いをウイングスタジアムで繰り広げる。しかも、現在両者に見る勝ち点差『5』という数字を考えれば、神戸としては是が非でも勝ち点３をものにし、一気に柏を突き放したい一戦。昨年、揃ってJ2降格となった柏と、ここで足並みを揃えるわけにはいかない。

　だが、周囲の緊迫したムードをよそに、本日の前日練習に見た神戸の選手たちからは、必要以上の気負いを感じない。それはおそらく、自分たちを信じているから。これまで戦ってきた自分たちのサッカーを信じているから。目標を達成するために重要な試合であることは、他ならぬ選手自身が一番理解しているはずだが、それにも増して彼らには揺るぎない自信があるから。だからこそ、あとはチームを率いるキャプテンMF三浦が言うように「強い気持ちをしっかり持って、チームが一つになって戦いたい。自分たちを信じて、個々が自分の持っている力を100％出し切るだけ」。MF田中が言うように「相手がどれだけ良いサッカーをしようと、うちがそれを上回るいいサッカーをすればいいだけのこと。つまり、敵は自分たちですから。チームとして結束し、しっかり気持ちを持って、自分たちのサッカーを貫けば必ず結果はついてくる」。これまで１つ１つ、目の前の試合に集中して戦ってきたように、目の前に立ちはだかる敵を倒すことだけに集中するだけだ。「階段は一気に５段上れない。１段ずつ上っていくしかない（ペドロコーチ）」のだから。

　さて、その神戸はFW平瀬が出場停止。また、練習中に負傷したエメルソン・トーメのケガの状態が気になるところだが、今季の選手層の厚さを思えば不安はないだだろう。試合のカギを握るのは立ち上がりの試合の入り方。第1クール、第２クールと僅差の戦いを続けてきた同カードが、第３クールだけ０−３と柏の圧勝に終わったのは、まさにその立ち上がりに集中を欠いたため。攻撃の要であるMF朴がケガで欠場となり、かつ前半修了間際にはDFエメルソン・トーメが２度目の警告で退場になるなど、アクシデントも重なったとはいえ、不用意なパスミスを連発することでリズムを失い、攻勢に出た柏に対して受け身に回った消極的な展開から、前半のうちに２点を献上した反省は活かされなければいけない。明日はホーム戦ということを考えれば、柏も前回ほど立ち上がりに攻撃的姿を示すとは思い難いが、相手も「勝ちにくる」のは必至だけに、相手のペースにあわせて試合が流れるようになれば、戦いは苦しくなる。「下手に攻めにいってカウンターを食らうことのないよう意識しつつ、かといって守りには入るのではなく、前戦からの激しいプレッシャーをかける中で神戸らしい攻撃の姿勢を示したい」というMF三浦の言葉にもあるように、攻守のバランスを失わない中で効果的な仕掛けからゴールを奪い、優位に試合を進めたい。

　長丁場の戦いも残り４試合となり、神戸市内にはJ1復帰を願うメッセージボードや『トモニイコウ、J１へ。』と書かれた応援バナーが掲げられたり、神戸市役所前の花時計が神戸カラーに彩られ『VISSEL Go to J1』に植え替えられるなど、応援ムードが高まりをみせている。また『楽天デー』に定められた明日の試合では、応援にも活用できる先着2000名にヴィッセル神戸マフラータオル１２番が配られるなどの催しもあり、多くのサポーターの来場も期待できる。そのファンの後押しを受けての上位決戦。勝利だけをターゲットに定めた神戸がウイングスタジアムで強く、逞しくピッチを舞う。

以上

2006.11.10 Reported by 高村 美砂