11月11日（土）J2 第48節 札幌 vs 愛媛（14:00KICK OFF/札幌ド）
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８日の天皇杯４回戦で、札幌はＪ１千葉に勝利するというアップセットを演じた。通常、カップ戦などで格下のチームが格上に勝利するようなケースでは、守りを固めて数少ないチャンスをモノにしてという展開がほとんど。だが、この試合は違った。ナビスコカップ王者の千葉に対し札幌は、真っ向からの攻め合いを挑み、押し切ったのだ。

「自分たちの目指すサッカーができた」と何人もの選手が試合を振り返る。そう、札幌の目指すサッカーとは、どんな相手に対しても受け身になることなく、中盤で互角に渡り合えるサッカー。その意味では、リーグ戦こそ不本意な成績になっているが、Ｊ１チームに対してそうした内容のサッカーを展開できたことは、これまで札幌が積み上げてきた成果を示したと言える。中盤からしっかり攻撃を組み立ててくるハイレベルな相手に対してはプレスがしっかり効くし、「相手が狙いを持ってボールを運んでくるので、普段のリーグ戦よりもプレーの予測がしやすかった」とＤＦ曽田。目先の結果だけではなく、将来のＪ１定着を視野に入れる札幌にとってこの勝利から得た自信というのは相当に大きいものだろう。

今季初めて守備的ＭＦで先発出場した芳賀がこの位置でも落ち着いたプレーぶりを見せ、先日の草津戦で初出場を果たしたばかりのＧＫ佐藤も「力が入り過ぎて硬かった」と柳下監督に評されたが、結果的に完封したことで一皮剥けたはず。Ｊ１と初めて真剣勝負をした１９歳の藤田も臆することなくプレーした。千葉戦では、リーグ戦の残り試合に向けて様々なオプションをも得ることもできたのだ。

そこで得た自信を過信とすることなく、よりアグレッシブに邁進することができれば中２日というタイトな日程でのこの試合も、しっかりと自分たちのサッカーを表現することができるはずだ。

対するのは愛媛。５日に行われた天皇杯４回戦ではＪ１横浜FMと接戦を演じてみせた。その試合だけでなく、前節は神戸を相手に良い内容で引き分けたように、ここ最近は望月監督の目指す「人もボールもよく動くサッカー」が徐々に明確な姿となって現れてきている。サイドからの突破もダイナミックになり、チームは間違いなく力をつけてきた。シーズン序盤に望月監督は「札幌は非常にいいサッカーをしているので、愛媛も札幌のようなサッカーがしたい」とも話していた。その札幌との今季最後の対戦で、どのような試合を演じるのか。非常に注目である。

札幌も愛媛も、ともに目指すのは攻撃的なスタイル。１１月の札幌市内は非常に冷え込んでいるが、この試合が行なわれる札幌ドーム内は、熱気に包まれそうだ。

以上

2006.11.09 Reported by 斉藤宏則