11月11日(土)J2 第48節 徳島 vs 水戸(14:00KICK OFF/高知陸)
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前節で鳥栖に黒星を喫し、続く天皇杯でもJ1新潟の壁を越えられず敗退した徳島。しかし、結果こそ残念なものとなってしまっているが、チーム状態は決して悪くない。いや、むしろ湘南に快勝した44節を境にして昇り調子と言っていいくらいだろう。その証拠に、敗れはしたものの前述の試合でも選手たちは90分間戦う姿勢を決して失わず、気持ちのこもったパフォーマンスを最後まで見せてくれた。そのプレーひとつひとつが今節への期待を抱かせてくれるものであったことは間違いのない事実だ。
そして、その高まるチーム充実度は、随所に披露し始めた「攻撃への積極性」が何よりハッキリ示していると言えよう。これまで通りしっかりした守備を基本としながらも、今の徳島にはゴールを奪うことへの並々ならぬ意欲が溢れている。2トップの工夫された連係や、伊藤らMF陣の果敢な飛び出し、さらには大森をはじめとするDF陣の勇気を持った攻め上がりと、貪欲に相手ゴールを目指すプレーが以前に比べ格段に増えているのだ。そして実際、その積極的な攻撃は数字にも結び付いた。44節の湘南戦で今季初となる4得点を記録すると、その後も仙台、東京V相手に続けてゴールを奪取。それまで極度の得点力不足に悩まされていたことがまるで嘘のようにさえ感じられる。
ただ、こうして攻撃面で進歩を見せる一方、守備においては大きな課題を引きずり続けているのも徳島の現実である。その課題とは「後半立ち上がりの守り」。
リーグの前々節(東京V戦)、前節(鳥栖戦)、そして天皇杯(新潟戦)、徳島は公式戦3戦連続で後半立ち上がりに失点を喫してしまった(失点時間はそれぞれ、48分、46分、46分)。これまでにもその時間帯での守備の脆さが幾度となく指摘されてきたが、残念ながら未だそれを解決し切れずにいる状態だ。もちろん選手個々には集中力を高めて十分なケアをしているはずなのだが、ここまで繰り返してしまうとやはり根本的な解決になっていないと言わざるを得ない。
となれば、対する水戸からすれば、徳島のこのウィークポイントをいかに突けるかということになるだろう。水戸は久々の勝利となった前節の東京V戦、試合をほぼ決定付ける3点目を46分に奪っている。クロスボールで攻め込み得たCKからのゴールであったが、その再現こそが今節の大きな狙いとなるに違いない。
前節終了後「久々に勝てたということで嬉しい。」とその心境を素直に語った前田監督。今季対戦での分の良さ(水戸の2勝1分け)もプラス材料に捉え、虎視眈々と連勝を目論んでいるはずだ。
今節を迎えるにあたって、徳島は天皇杯で負傷したエース羽地を欠く布陣になることが予想される。そうなれば、ここまでチームの攻撃を支えてきたキーマンの離脱だけにその影響は小さくないだろう。いくら他の攻撃陣も好調とは言え、大きな柱を失った状況でこれまでと同じリズムを維持するのは簡単でない。が、そのような苦しい状況さえもチームとして乗り越えてこそ本当の進歩と言えよう。
今節、自らの攻撃の進歩が一過性のものでないことを実証し、同時に守備課題も克服した時、徳島はきっと勝利を得られるに違いない。
以上
2006.11.09 Reported by 松下 英樹
J’s GOALニュース
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