8月23日(水) 2006 J1リーグ戦 第19節
川崎F 4 - 2 名古屋 (19:01/等々力/11,306人)
得点者:'14 ジュニーニョ(川崎F)、'18 秋田豊(名古屋)、'26 我那覇和樹(川崎F)、'35 オウンゴ−ル(川崎F)、'43 ヨンセン(名古屋)、'64 ジュニーニョ(川崎F)
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戦前の予想ではもう少し違った内容の戦いになるものと思われていた。川崎フロンターレは3試合で勝ち星がなく、名古屋グランパスは4連勝という状況にあっては、名古屋有利を想定しないわけにはいかない。ところが試合が始まってみると、明らかに名古屋の様子がおかしい。
左サイドのマルコンはもちろん、この日森勇介に代わって先発出場の飛弾暁が右サイドを疾走する。その最大の要因は、この日名古屋の左右両サイドのWBとしてピッチに立った杉本恵太と須藤右介。立ち上がりから最終ラインとの位置関係を掴めておらず、簡単に裏を取られ続けてしまう。さらに山口慶のワンボランチの形になった中盤では多くのスペースを与えてしまい、中村憲剛の突破を許す形となる。
「相手は中盤が一枚で、やりやすいというのはありました」(中村憲)
左右から攻め崩され、中央でも意図せざる広大なスペースを作ってしまっては守備の安定は望むべくもない。22分には懸案の左右両サイドのポジションをそっくり入れ替えたがうまく機能しない。フェルフォーセン監督がこの苦境をどう脱するのか注目していたが、前半の39分にその左右両サイドを同時に交代。この采配で名古屋は落ち着きを取りもどしたが、川崎Fにはすでに3ゴールが生まれていた。
前半終了間際の43分にヨンセンが左サイドの渡邊圭二からのクロスを受けて1点差に追いつくが、ここ3試合、勝利から遠ざかっていた川崎Fにとって勝利はどうしてもほしいものだった。中村憲が「勝ちに飢えていた」とストレートに心情を吐露していたが、その気持ちが、名古屋との打ち合いを制した格好だ。
試合を決定付けたのは後半の64分のジュニーニョのゴールだったが、この日何度と無く右サイドを駆け上がった箕輪義信の、1対1におけるまた抜きからのマイナスのクロスが全てだった。ジュニーニョのゴールは想定の範囲内。ただし箕輪のサイドでのドリブル突破には度肝を抜かれ、スタジアムは沸き返っていた。
2点を追いかける名古屋だが、どうにも守備に安定感を欠いてしまっていた。特に後半の中頃からは、川崎Fにおもしろいようにボールを回されて組織的な守備が一切できなくなってしまった。プレスに行くのだが、どうやって追い込んでどこで奪うのかという約束事を整理できていないようで、簡単に川崎Fにかわされ続け、最後には2点差で負けているにもかかわらずプレスをかけることすら諦めてしまった。2点差試合は、実は最も逆転劇がおきやすい点差である。その必要最小限の条件は1点差に追いつくゴールを生み出すこと。そのために前からプレスに行くべきだったのだが、最後までチームとしての統一感のある守備は見られなかった。
欠場したスピラール、出場停止の本田圭佑の穴があまりに大きかったと単純化させていいものだろうか?金正友が入った中盤のバランスをいかに取るのか、という命題も含めて、名古屋には解決すべき問題は多いように思う。
一方の川崎Fは4試合ぶりの勝利を手にし、首位争いに踏みとどまった。連戦は続くが、ひとつずつの試合を大事にしていきたい。
2006.8.24 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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