8月23日(水) 2006 J2リーグ戦 第35節
仙台 1 - 1 横浜FC (19:04/ユアスタ/15,239人)
得点者:'39 アレモン(横浜FC)、'58 ボルジェス(仙台)
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●ジョエルサンタナ監督(仙台):
「おばんだぃございまぁす(おばんでございます。仙台弁で「こんばんは」の意)
前半も後半も我々が支配して、勝てなかったゲームだ。
今日は非常に整っていて、やることがはっきりしているチームとの対戦だった。少し珍しいような、コーナーからの失点をしてしまった。CKになった場面では、それがコーナーかどうかはわからないが、丸山がボールをプロテクトしようとして、アレモンがタックルしたボールがCKになった。そして横浜FCは、我々のミスを突いて勝ち点を持ち帰ろうという目的で来たと思うが、それを達成した。
前半で2、3回、得点のチャンスがあった。一番の決定機は、ボルジェスがGKと一対一になって、GKを抜きに行ったシーンだ。
後半は我々が完全に、私が驚くほどに支配したと思う。両サイドからチャンスを作ることが出来ていた。梁、イソ(磯崎)、ロペス、ボルジェスなどがチャンスを作った。そしてその後、攻撃的な交代をした。攻撃をし続けたが、決勝弾を決めることが出来なかった。
もちろん、結果には不満だ。しかしチームのパフォーマンスには満足している。横浜FCは非常に整っていて、経験があり、はっきりとした戦術を持っているチームで、非常にやりづらい相手だ。サッカーに判定勝ちがあるなら、今日はベガルタが勝っていたと思うが、不運なことにそうではない。
しかし今日は、チームがガッツを見せて、決断力を見せて戦った。しっかりマークもした。守備も、非常に固い守りが出来たと思う。
大柴も8ヶ月ぶりにピッチに戻ってきたが、非常に良い形で戻ってきた。大柴も復帰するために、8ヶ月間頑張ってきたが、それに対しての賞が今日の出場だ。サポーターも、我々も、彼の姿を見ることが出来て嬉しかった。
パフォーマンスも非常に良かったから、結果以外には満足している。これからも前進していきたいと思っている」
Q:前節から中3日と短かったにも関わらず、今日仙台は細かなパスをつなぎサイドを変え、相手を崩していく素晴らしいサッカーをやっていた。この短い期間で、チームが変貌した要因は?
「札幌戦とは違い、今日はチームが90分間、試合を通して集中を保っていた。
札幌戦では後半36分に相手に退場者が出て、その後(キーマンと思っていた)8番(砂川)と10番(フッキ)が退いたが、その時チームは気を抜いてしまったと思う。
でも今日は試合を通して、選手たちが気を抜かず、我慢をしながらボールを回し、サイドを使うなど、ボールを上手く扱えたと思う。
今日は賢く、落ち着いてプレーできた。札幌戦ではチームは慌てていた。だから注意していれば決められないような失点を2つ喫してしまった」
Q:大柴選手の特に良かった部分と、これからの終盤戦で彼に期待するところは?
「彼は質の高い選手だ。技術的に見ても、ボールをどう扱えばよいのか分かっている。賢い選手で、自分がプレーするスペースを探す賢さを持っている。
ポジティブなピースが、これで一つ増えた。彼はボールを落ち着かせることの出来るタイプの選手で、試合の時間帯によっては、そういうことが出来る経験が必要になるから、その意味でも彼は重要な存在だと思う。
そして彼のそうしたプレーは、ベガルタのやろうとしていることとも一致している。どういうことかというと、他のチームとは比較したくないが、今日のベガルタを見ても、バックラインからつないだ後、右から行き、左から行き、中央から行き・・と、サッカーをプレーしようとしていた。
監督という立場の人間にとって、ボールを奪ったらFWに放り込め、セットプレーを得てそこでチャンスを作れ、相手がミスしたらそこを突け、と言うのは簡単だ。しかしそれは無責任なことでもあり、私はこれをサッカーだとは思っていない。
私の個人的な意見だが、日本のサッカーはまだ若いが、世界のモダンサッカーが望むものをやっていかないといけないと思う。それは守備の時は責任を持って守るけれど、ボールを持ったらプレーする、ということだ。
ベガルタは今、快適な順位にはいないものの、ベガルタのサッカーを見に来る人たちは、少なくともサッカーをしようとトライするチームを見ることが出来る。それはサポーターの皆さんもわかっていると思う。
例えばベガルタの場合は、今日で言えば磯崎と菅井だが、他のSBが試合に出た場合でも、攻撃に参加しに行く。さらに前線でも動きがあったりするから、現代のサッカーを行っていると思う。ボールを持ったらペナルティーエリアに放り込むサッカーは、私は古いと思う。
もちろん、今までの試合の中では、3、4試合、内容の良くないものもあったと思うが、今日のゲームも勝てなかったものの、サポーターは満足して帰れたと思う。我々はアグレッシブに、攻撃的に、常にプレーしようとしていた」
Q:今日の試合も決定機を逃し続けたが、これに対し、今後どういう取り組みを?
「改善への努力はしている。毎日練習に来られている方ならわかるかと思うが、昨日のトレーニングでも、最後には攻撃と守備の選手を分けて、攻撃側の選手たちは一人一人、フィニッシュのパターンの練習をした。
もちろんサッカーの中で最高のもの(瞬間)はゴールだ。そしてそれは簡単に決められるものではない。ブラジルではストライカーのことを『マタドール』という。チャンスがあればとどめを刺すことができる闘牛士と同じだからだ。
今日のボルジェスを見れば、運も少し足りなかったかなと思う。彼は今日、正しいプレーをトライしていた。ハーフタイムで彼に言ったのは『今日のGKは小さくてスピードがあるから、高いボールがいい』という言葉だった。
そしてゴールのチャンスは、一試合でそう多く生まれるわけではないから、そこで決められるように、選手たちの基礎的なトレーニングだけでなく、反射神経の部分も研ぎ澄まさせていかないといけない。
ボルジェスは、いいストライカーだと思う。今日は逆転することもできたが、運が少し足りなかった」
(去り際に一言)
「いいゲームだった。勝つことは出来なかったが、いいゲームだった。サッカーというのは、バスケットのように、よりいいチームが常に勝てるスポーツではない。バレーボールも、実力のあるチームが勝つ。
サッカーはそうではない。しかし選手たちは、ミッションを達成してくれたから、それを讃えたいと思う。
そして、おばんでございます。今度ははっきり発音できたんじゃないでしょうか(笑)」
以上
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