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【日本代表 対 イエメン代表】試合終了後のオシム監督(日本代表)記者会見コメント(06.08.16)

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●アジアカップ2007予選
8月16日(水)19:20/新潟ス/40,913人
日本代表 2−0 イエメン代表

得点者:'70 阿部勇樹、'91+佐藤寿人
★ハイライト&会見映像は【こちら】
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●オシム監督(日本代表):
Q:後半開始から羽生選手を入れた意図と、指示の内容は?
「そんなに面白い問題でしょうか? 羽生のプレーは、そんなにすばらしくもひどくもなく、平凡なものでした。指示は単純で、サイドに開けということです。彼には詳しくは説明しませんでしたが、サイドに開くことで相手もサイドに開かせることができる。イエメンには小さく早い選手がいたので、彼を羽生に付かせることでスペースが生まれると思いました」

Q:セットプレーまでの展開が大事だと先日の会見でおっしゃっていましたが、満足のいくものでしたか?
「FKまでにどういうプレーがあったかということですか? 大事なのは、審判がプレゼントしてくれたFKなのか、相手がファウルでしか止められないプレーをしたのかということです。相手が苦し紛れのファウルで止めるようなプレーを繰り返すことが重要です。そこまでは満足ですが、そこからは事前の打ち合わせとは違う蹴り方をしてしまった。相手がもっと強くて、このようなミスを犯したら、取り返しのつかない結果になりかねないところだった。今日はFKとCKを合わせて20回以上あったと思うが(実際には28本)、日本のように技術のあるキッカー、阿部や遠藤、三都主、闘莉王などがそろっているのなら、最低5回に1回は決めておきたかった。代表の練習では、FKの練習時間は取れなかったので、各選手はクラブに戻ったら十分に練習してほしい」

Q:これが2試合目になるが、初戦と比べて進歩は感じられたか?
「それは私についてですか?(笑)守備面については、規律・組織性・忍耐強さなどの面で進歩があったと思う。攻撃に関してはもっとよくなる余地が残った。しかし強いチームというのは守備がしっかりとしているのが今のサッカーであり基礎。そういう点では進歩がなかったわけではない。スポーツを専門にしているジャーナリストのみなさんがほとんどだと思うが、今日の試合はみなさんの不満の残る内容だったのではないですか? そのことを心配しています。もっと率直な質問をしていただいて結構です。逃げませんから。日本は何に直面しているのか、とか…」

Q:スピードの変化を付ける練習をしてきたのに、前半は変化を付ける前にクロスをあげてしまうようなシーンが多かったように思います。監督はそのあたり忍耐が必要でしたか?
「私が不満に思っていることを申し上げましょう。それはDFラインのボール回しが遅く、各駅停車のようだったことです。しかも駅の多い各駅停車です。これでは前線にボールを送る前に相手の陣形が整ってしまい、DFラインを左右に動かすことができません。中盤で数的優位も作れません。目指すところは、もっと高いところにしたいと思っています。もっと強い相手がもっとディフェンシブな戦い方をしてきたら、こちらももっとサイドチェンジをしてリズムを変えていかなければなりません。まあ、言うのは簡単です。テクニックの問題でもあるので、一夜では改善できません」

Q:長期での強化策について、今後日本選手のハングリー精神などをどう刺激したいと思いますか?
「日本は豊かな国で、ハングリー精神は確かに育たないかもしれません。でも、欧州でも豊かな国、例えばイギリスなどはサッカーが弱いわけではありません。経済的な要因以外でサッカーを強くする方法、誇りや名誉、楽しみ…お金では計れないものに自分を賭けたいと思う環境作りが大事なのではないでしょうか」

Q:国内での親善試合よりもアウェイでの試合を多くするなどの強化策を考えていますか?
「ヨーロッパに遠征しても、ユーロやW杯の予選などで各国もたくさんの予定が組まれています。日本の選手たちを遠征に連れていくために招集することですら難しいでしょう。コストの面でも大きな費用がかかります。これは日本だけの問題ではなく、代表チームというのはそういう問題を抱えているものだとご理解いただきたいと思います。地理的に日本が離れていることは問題ではありません。もっと飛行機が速く飛べばいいんですよ(笑)」

Q:浦和同士・千葉同士のように同じクラブの選手同士のパス回しのほうがうまくいっていたように思います。今後もそのような選手招集をするつもりでしょうか?
「プレーにもよりますね。今日のようなプレーが続けば、1つのクラブから選出するという考えは捨てねばなりません。1つのクラブから選べばよいプレーができるという保証はないということです。千葉の選手は全員すばらしいプレーだったでしょうか? それなら私は全員、千葉の選手を選ぶでしょう。
ただ、これだけは言っておきたいのですが、浦和や千葉の選手たちは同じクラブだったから代表に選ばれたのではなく、それぞれが力を持っていたから日本代表なのです。
日本をもっと強くするためには、攻める、アグレッシブなプレーをするチームを増やさねばなりません。そのためには犠牲にするものもあります。それはエレガントなプレーをするということです。エレガントと効率性は両立しません。両立しているのはバルセロナだけです」

Q:ゴール前で多くのチャンスがありながら、決定力が足りなかった。改善策は?
「話が長くなりますよ(笑)昨日の会見でも話しましたが、守備を固めることは簡単です。攻撃のアイデアを出すのがいちばん難しいのです。そのためにトレーニングをしてきたつもりですが、トレーニングと実戦は違います。試合ではお客さんがたくさん自分を見ている。大きなプレッシャーがかかります。ここで自分が決めたら…と想像する選手もいるでしょう。でも、その場合はロクなことがない(笑)。だから失敗するのです。トレーニングに、たくさんの観客と多くのメディアやテレビカメラを入れてできたらいいのですが、そうはいきません。イエメンを呼んで練習試合をして、1週間後に公式戦…というわけにはいかないのです。
ここで、まったく違う話をします。来月、イエメンでアウェイの試合を行います。その時、イエメンは全く違うチームになるでしょう。ギリシャ神話に似た話があるのですが、自分たちの土地を再び踏みしめた時に、彼らの体内に大きなエネルギーが満ちる…。そういう効果をホームのイエメンに起こすかもしれません。今日はホームで勝ちましたが、次も楽な試合になるとは思っていません。今、これを言っておいたほうが、みなさんがガッカリしないと思ったので…」

Q:日本には、エレガントなプレーが評価されている選手がいますが、彼らはオシム監督の中でどう評価されているのでしょうか?
「意味はわかります。あまりにもエレガントなプレーは難しい。でも普通にエレガントなプレーだったらかっこいいかもしれません。その結果がどうなるか、ということです。そこを考慮したいと思います。美のために死を選ぶという生き方があります。でも、死んでしまったらサッカーは出来ない。そういう生き方をする選手がいることは自由ですが、それではサッカーができなくなってしまいます。現代のトレンドはそういう方向ではありません。どんな美しいプレーをしたかより、何勝したかが問われます。残念なことですが」

以上
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