6月8日(木) 2006 ヤマザキナビスコカップ
G大阪 0 - 2 鹿島 (19:05/万博/5,254人)
得点者:'49 アレックスミネイロ(鹿島)、'74 アレックスミネイロ(鹿島)
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■特J!プレイヤー: アレックス ミネイロ選手(鹿島)
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アウトゥオリ監督は誇らしげだった。「去年のJリーグ王者に対してこれだけの戦いをできたのは自信になる。素晴らしい監督、素晴らしい個性が揃ったチームにアウェイで勝てた選手に『おめでとう』と言いたい」。試合後、記者からの質問に一通り答えた後、氏は自らそう話して会見場を後にした。
『前半』となる第1戦を0-0というスコアレスで終えた鹿島には、確かに心理的余裕があったのかも知れない。「うちが1点取った段階でガンバは2点とらなければいけなくなる。そう考えると、相手が多少守備的になることも十分考えられるだろう。そう考えてもうちはまず点を取りに行こうとした」とはアウトゥオリ監督の言葉だが、実際、ホーム側のG大阪がそこまで守備的にはならなかったとはいえ、いつもよりは『失点』を意識せざるを得なかったのは事実だろう。G大阪のDF青木は試合後「勝てばいいというのはあったにせよ、第1戦の状況から、まずこっちが1点をとることが必要だったのに先にとられ、追いつこうととりにいったところでカウンターで追加点を奪われたという一番悪い形だった」と振り返っていたが、その通りでG大阪にとっては『勝てばいい』という試合であった一方で、『先制点』が必要だったはずだ。もしも鹿島に先にとられるようなことがあれば、その時点で同点ではなく、2点奪うことを目指さなければいけなくのだから。
そう考えても、『先制点』を鹿島FWアレックス・ミネイロに奪われた時点で傾きかけていた情勢は、一気に鹿島に傾いたと言ってもいいだろう。しかもスコアレスで迎えた後半の49分という、最も危険とされる立ち上がりの時間帯での失点。後半から入ったMFフェルナンドの縦パスをMF本山が簡単にはたいて、FWアネックスミネイロが決める。攻撃の軸となる選手を経由してのフィニッシュはG大阪にとって大きなダメージになったはずだ。
もちろん、これで意気消沈することなく、G大阪も逆襲を目指しはしたが、後半からFW中山に代えて投入されたFWマグノアウベスも、失点後早い段階でMF前田に代わってピッチに立ったFW播戸も前線で迫力を示しきれない。しかも点を取ろうと前がかりになる中でカウンターを食らい、74分、G大阪のDFシジクレイを振り切ってシュートを放った鹿島FWアネックスミネイロがゴールネットを揺らして、万事休す。昨年、ファイナリストになったG大阪は準々決勝で姿を消した。
試合後、鹿島アウトゥオリ監督は「一人の選手が影響力を持つのはチームとしてよくない。11人全員が同じように影響力を持たなければいけないのだ。チームとして一人一人が与えられた役割を果たし・・・例えばFWのアネックスミネイロなら点を取るという役割だが・・・プラス、そこに戦術が加わって、臨機応変に対応して全員で試合を進めていくのがサッカーだ」と話したが、まさに組織的に、個々がきっちりと役割を果たす中で勝利を引き寄せた鹿島。
それに対し、前線は決定力不足に泣き、守備では最後のところで粘りきれず。相手のエースに簡単にゴールを許してしまったG大阪。この結果をアウトゥオリ監督の言葉に照らし合わせても、鹿島に勝利がもたらされたのは必然だった。
以上
2006.06.09 Reported by 高村美砂
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