6月7日（水）J2 第20節 湘南 vs 愛媛（19:00KICK OFF/平塚）
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勝点「3」が遠い。湘南は第15節、ホームの徳島戦で「5−0」と大勝して以来、勝利から見放されている。前節も神戸の猛攻を耐え忍び、圧される状況のなかで決定機も幾度か生み出したもののゴールを割ることは叶わず、逆に87分、得点を許した。

決勝点を奪った平瀬智行は、開幕戦の途中出場以来となるピッチだった。「使ってくれた監督をはじめ、家族や選手、スタッフ、サポーターなど、励ましてくれた多くの人たちのためにもいい結果を出したかった」平瀬の強い思いが、それまで再三神戸の攻撃を跳ね返し続けていた湘南の守備をこじ開けたのだった。

だが一方で、徳島戦以降、複数失点を重ねてきた湘南である。最後は平瀬の執念に屈したものの、守備の粘り強さは取り戻しつつあるといえるだろう。若干の選手の変更により、ピッチで表現する個々の持ち味はそれぞれ違うか、向かう場所は変わらない。最後の一歩を惜しまず、攻撃的な守備をベースに高い位置で奪い、今節はゴールまで結びたい。そのためにも共通理解のもとでの連動した動きが、攻守に渡り、求められる。

湘南がホームに迎える愛媛もまた、ここ3試合は勝ち星に恵まれていない。とくに前節は主力3選手（金守、森脇、井上）の出場停止により、守備陣を入れ換えざるを得なかった。チームの土台ともいうべきリーグ5位と堅さを見せる守備力は影を潜め、その弊害は組織全体に及んだ。

連敗を止めるために、望月監督は「フレッシュな選手を攻撃で使いたい」と話している。今節は守備の要を担うDF金守とボランチの井上が復帰し、中央を固める。磐田から移籍加入した左サイドバック・松下幸平の目算も立った。彼らにくわえ、指揮官のいう「フレッシュな選手」が入ることにより、信条とするハードワークを実現し、試合を展開する構えだ。組織力で勝負するうえで、こちらも互いの呼吸は欠かせない。

第1クール、愛媛で行なわれた対戦では、湘南が「2−1」で勝利した。だが前回とは、状況も状態も違う。こと湘南においては、4月1日の鳥栖戦から間断なく続く連戦に、選手たちの肉体も想像以上に悲鳴を上げていることだろう。フィジカル、メンタルともに正念場といえるが、しかし負けるわけにはいかない。連敗脱出を懸けている両チームの戦い、激しいぶつかり合いとなるだろう。

以上

2006.06.06 Reported by　隈元大吾