●第85回天皇杯5回戦
12月17日（土）G大阪vs柏（13:00キックオフ/神戸）
-スコアボード速報はこちら-

-------------

　今季のJリーグチャンピオンであるガンバ大阪と、先の入替戦で甲府に惨敗し、来季からのJ2降格が決まった柏レイソルが神戸ウイングスタジアムでの天皇杯5回戦を戦う。同5回戦の他カードでの対戦はすでに10日に終了しているが、柏が入替戦を戦っていたため、当カードのみ17日に開催となった。

　毎年のことながら、選手の移籍問題等によって、チームとしてのモチベーションが心配される同大会。今回も例にもれず、G大阪に至っては、この試合が日本でのラストゲームになることが決定しているFWアラウージョや、ベテラン主力組の今季限りでの退団、更にはFW大黒の海外移籍等に揺れ動く状況。西野監督も「シーズンの中でチームを作る上で一番難しい時期」と話していたが、それでも「ナビスコカップ、リーグ戦と目標を持ってやれてきた中で、明確にタイトルを目指したい。これから先はどんなチームもチャンピオンであるG大阪を倒したいという思いで戦いを挑んでくる。それに対し、全員が意識を高く持ち、グラウンドで自分のプレーをしてくれることを期待している」と同監督。

　それに対し選手も「これから先の試合は『Jリーグで優勝したチーム』という肩書きがついてくる。その名に恥じないようなゲームをしなければいけない。降格した柏がどういうモチベーションでくるのかは分からないが、とにかく相手よりも自分たちのサッカーを見失わずに結果を求めたい」（DF宮本）と話す等、王者のプライドに賭けても、J2降格が決定しているチームには負けられないという意識は高い。また、リーグ戦では2度目の対戦となった9月17日の第24節でまさかの敗戦を喫するなど（●1-2）決して侮れない相手であることは、戦った選手たちがしっかりと理解しているはず。その際の、柏の徹底した守備力を破れずに敗戦した苦い思い出を経験として、今対戦では、その守備力を上回る攻撃力を見せつけることで、王者のプライドを見せつけて欲しい。

　対する柏も、早野監督が入替戦終了後に降格の責任をとる形で辞任。今試合は、昨年までG大阪コーチを務めていた竹本一彦氏が監督代行として指揮する。早野氏がG大阪監督だった01年10月にも、今回同様、成績不振の責任をとる形で早野氏が辞任し、竹本氏が新監督に就任。その初戦を白星で飾っていたが、J2降格が決定した今、今季最後のタイトル獲りのチャンスに燃えないはずはない。もちろん、それは選手も同様だろう。G大阪の西野監督が元柏監督ということもあり、何かと「因縁対決」として取り上げられてきた同カードだが、その今季最後の対戦で笑うのはどちらか。それぞれ目的は違えど、両者それぞれが抱くプライドがどのようにピッチで示されるのか、楽しみでならない。

　ちなみに、今カードの勝者は、千葉を破り、既に準々決勝進出を決めているC大阪と対決することになっている。G大阪が進出となれば、今季リーグ戦でのデッドヒート、最終戦での明暗を考えても、また今季最後の『大阪ダービー』としても白熱した試合が期待される。それだけに、G大阪の準々決勝進出を楽しみにしているサッカーファンも多いだろうが、DF宮本が話したようにその実現のためには、もちろん「G大阪がこの柏戦に勝たなければ始まらない」。

以上

2005.12.16 Reported by 高村美砂