●5月27日（金）19：20キックオフ/東京・国立競技場
KIRIN WORLD CHALLENGE　キリンカップサッカー2005 -Go for 2006！-
日本代表 vs UAE代表
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先日行われたペルー代表対UAE代表が引き分けに終わり、日本代表にキリンカップのタイトル獲得の可能性はなくなった。その状況に対し「ホームゲームである以上、常に勝ちに行くべきだ」という声と「Ｗ杯最終初戦のバーレーン戦に向けたチャレンジの場にすべきだ」という声とが存在する。共にもっともな意見だと思うが、キャプテンの宮本恒靖は25日の練習試合後に「監督と話をして、すでにキリンカップのタイトルがなくなった状況なのでバーレーン戦のことを考えてやると思う」と述べている。つまりある程度実験的なサッカーをやる可能性がある、ということである。そこでさらに宮本のコメントを引用すると「ポイントはカウンターを受けたときにバランスを取って守ることです」と的確なコメントを残している。先日のペルー戦でやられてしまったカウンターからの失点をいかにおさえるのか、がこの試合ではポイントとなりそうだ。

ではカウンターをどうやって防ぐのか。その方法論はすでに代表選手の間では議論されており、実際に試されていた。25日に行われたカシマスタジアムでの練習試合は、当初の予定を大幅にオーバーして開始されているのだが、その時間に宮本が主導して話し合いが持たれたという。その話し合いの結果「相手に対して前からプレスをかける時間帯もあるんですが、ブロックをつくって迎え撃つようなDFができた。そこからいい形を作れる場面があった。前の試合よりはブロックで守る形が作れた。それは今日の話し合いで確認できたことの一つです」（宮本）という守備ができるようになったという。
ブロックというのは、ペナルティエリアを中心として、きっちりとポジションを守った状態で相手を待ち受けることを示すと思われるが、この試合を見るポイントの一つ目は日本代表が構築する守備ブロックの完成度ということになる。

ラビー監督率いるUAEは、ペルー戦では3バックの中央が1枚余る守備的な戦いを行っていた。監督交代直後ということで、ある程度ディフェンシブな戦いを徹底してやっているのである。その固い守備をベースとしワールドユース2003UAE大会のMVP、マタルを中心としたカウンターで日本ゴールを狙うことになる。このマタルという選手は、もちろん怖さを持ってはいるのだが、しつこくマークをしていけばある程度抑え込める選手である。日本代表は相手のキープレーヤーを徹底して消してほしい。

ところで得点力の低下が心配される攻撃陣だが、鹿島ユースとの練習試合には大黒将志が先発出場しており、切れのいい動きと積極的にシュートを打つ姿勢から4ゴールを畳みかけて見せた。Jリーグから続く好調は維持されているが、ここにヨーロッパ帰りの小野伸二が絡んでどのような攻撃を見せてくれるのか、楽しみにしたい。

日本にとって、W杯ドイツ大会への出場権をかけた重要なバーレーンとの試合がすぐ後ろ（6月3日）に控えているが、その「アウェイ決戦第一ラウンド」に向けて内容のある試合を期待したい。


以上

2005.05.26 Reported by江藤高志