国際親善試合〜FIFAワールドユース選手権大会 オランダ2005 壮行試合〜
5月24日(火)16:20キックオフ/豊田ス
U-20日本代表 1−1 U-20チリ代表
得点:【チリ】前半6分 N・カナレス、【日本】後半33分 水野晃樹
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壮行試合第2戦チリ戦。南米予選を4位通過、本登録予定メンバーを18人含むチリ相手に1―1のドロー。「確認と、チャンスの場」と大熊監督が定義したこの試合は本番を想定した選手起用、交代でまずまずの内容と結果を残した。
最後の実戦が終わった。「オランダやオーストラリアは3トップ気味なので」(大熊監督)、慣れない4バックで試合に臨んだ。ただこの4バック。右SBの中村を若干上がり目にし攻撃時には3バックに近くなる「4バックに近い形」(大熊監督)。前日にも監督は「3と4を試合中に変えながらやる」とフレキシビリティが試される戦いとなった。
「フォーメーションくらいしかインフォメーションがなかった」(兵藤)。特に情報をインプットせず試合に臨んだ。
「4バックは余りやっていないので戸惑いがあった」と左サイドバックに入った水本。彼だけでなく戸惑いを口にする選手は少なくなかった。ただ「試合中に徐々に慣れていった。」とも付け加えていたのだが。
前半、自分達が試合になれる前、相手の特徴をつかむ前の6分早くも失点する。日本の左サイドをホセ・フエンサリダに突破される。ついていた本田が止めきれずクロスをあげさせてしまい中央に飛び込んだニコラス・カナレスにやすやすとヘディングを決められる。
そこからの45分はほぼチリペース。中盤のイバン・バスケスを起点に、右サイドのホセ・フエンサリダに勝負を挑ませる。もしくは左サイド(日本の右サイド)中村が上がった裏のスペースを狙う。南米らしい奔放なサッカーを想像したが意外にも攻撃の形は限られていた。ただ、中盤の組織立ったプレス、そしてその速さ足元のテクニックはさすが。負傷明けということもありコンディション不良の本田らボランチが奪われることが相次ぐ。「本田が調子が悪くて、でも自分達もフォローが遅くて本田を孤立させてしまった」と兵藤は試合後語ったが、これが前半の中盤の戦いぶりを示している。
後半開始と同時に、不調の本田に変え水野を投入。ここから右サイドにスピードがでて、チャンスが生まれはじめる。前半、サイドをえぐりきれず1本もなかったCKが後半だけで7。サイドからチャンスが生まれる。兵藤がボランチの位置に下がり中盤が安定。兵藤に疲れが見えた時間帯には伊野波が逆に上がりを見せるなどコミュニケーションの良さも見せた。加えて後半は「チリが疲れてて助かった」(水野)と語るように、チリ代表の足が止まり、前半ほどのプレスはなくなる。
そして、待望の得点が生まれたのは78分。左サイド、ゴールから約25メートルの位置で得たフリーキックを途中出場のレフティ前田俊介が「前が空いてたので」とそのスペースへ蹴り込む。そこへ「いいのかな?」と走り込んだのは水野。自らもプレースキックを蹴ることもある水野が「自分ならそこに蹴るところ」に飛び込み見事に頭で突き刺した。
この後も83分にこれと近い地点からのフリーキックを前田が直接狙うなどチャンスはあったものの、モノにできずドローに終わった。
「チャンスはあったのに決めきれなかった」
誰もが口を揃えた。放ったシュート数はカメルーン戦と同じ14。そして得点も同じ1。前半14分には中央兵藤から受けた家長が右足で放つも枠外。16分には右サイドを突破した兵藤のクロスをカレンがシュート。そのこぼれ球を家長が利き足の左足で狙うも枠の外へ大きく外れる。40分には右サイドカレンから中央平山とつなぎ左サイドで受けた本田が左足を振り抜くもGK正面、こぼれ球に平山がつめるも弾かれる。このように、前半から決定的なチャンス、フリーでシュートを打てるチャンスはあった。これをモノにできないかぎり引き分け以上の結果は得られない。
「負けなかったことをよしとしたい」(水本)
「勝てた試合、ワールドユースレベルの相手を体感できたことだけが収穫」(兵藤・カレン)
確かに、チャンスのシーンや中盤で兵藤を中心にボールが回り伊野波ががっちり守るなどキラリと光るシーンが少なくないのは収穫。しかし勝てなかった今日の試合を踏まえ、収穫でなく課題―まずは得点力不足―に焦点を当てることが、6月10日までを過ごすための布石となるだろう。
泣いても笑っても6月10日まで真剣勝負は訪れない。
「あとは戦うだけ」(大熊監督)
チームとしてはそんな時期だ。
ただその前に。
選手たちにとっては最後のチーム内勝負、そしてその結果発表が残されている。28日には発表されるオランダ行きのメンバー21人。まずはそこに残らない限り、6月10日にピッチに立つことはない。
「失うものは何もないんであと3日精いっぱいやります」。
この日先発した伊野波が試合後残したコメントだ。
発表までの3日間、選手たちのサバイバル合戦は続く。
以上
2005.05.25 Reported by 了戒美子
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