5月22日(日)13:20キックオフ/新潟スタジアム
KIRIN WORLD CHALLENGE キリンカップサッカー2005 -Go for 2006!-
日本代表 0-1 ペルー代表
得点者:
94+分 バサージョ(ペルー)
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前に出ようとしないペルー代表の戦いに必然性はあった。南米から移動して来た彼らは、監督交代直後の、大半が新しいメンバーで構成されたチームだった。移動の疲れと戦術の不徹底。そこに日本代表サポーターが醸し出すホームの空間があった。そんな状態のアウェイチームがまずは失点を防ごうと考えるのは、ごく普通の発想だといっていい。
例えば遠藤保仁は「相手が完全に前(FWの鈴木隆行と玉田圭司に入るボール)で狙っていた。無理に出しても取られる。その判断が遅れていたと思う」と前半を振り返る。日本代表は攻めあぐねたが、それはある程度仕方のない展開だったとも言える。
膠着する試合にあって何度かの形を作ったのは両サイドの選手たちだった。
最初のチャンスは8分。中央の小笠原満男から三都主アレサンドロへとつなぎ玉田の惜しいシュートを引き出した。ペルー代表は右サイドハーフ、ホセ・アドルフォ・メンドサがポジションを中に移す時間が長く、また右サイドバックのハビエル・マルティン・テネマスが鈴木にマンマークで付いていたこともあって比較的スペースはできやすかった。
加地亮の負傷によりチャンスが巡ってきた形の三浦淳宏は、三都主とは対照的に前方のスペースを埋められていたが、それでも果敢に攻撃を仕掛けた。
「今は(神戸で)トップ下をやっていて、攻撃の部分ではイメージができていた。今日は楽しんでやれました」(三浦)
左右のサイドは崩せたのだが、ペルーは193cmと長身のルイス・アルベルト・グアダルーペが最後の砦となりクロスを跳ね返し続けた。ボランチと前線との距離も遠く、効果的に崩せたという機会は多くはなかった。
後半に入ると、ジーコ監督の交代采配をきっかけに試合の流れが変わる。後半開始直後の47分に玉田が削られてピッチの外に出される。このプレーを境に明らかに玉田の動きに陰りが見えるようになる。ジーコ監督の決断は早かった。53分にその玉田を諦めて大黒将志を投入。2日前の練習試合でも切れていた大黒は攻撃にリズムを生み出す。
田中誠は大黒について「動き出しが早くスペースに入ってくれるのでパスを出しやすいですね。ぼくらは最初にトップを見るので」と評価する。また三都主も「選手交代によって、もっと裏に狙うことが出来たと思う。大黒選手が入ったことで、そういう意識が(チームに)加わったと思う。そこでリズムが出来たことで勢いがついた」と大黒投入の効果を口にした。
しかし点は決まらない。チャンスの数は少なくはないが、完璧に崩したという場面はなかなかない。69分に福西崇史に代わってピッチに立った稲本潤一の攻撃参加でペースはさらに日本に傾いた。
「イナが前に行くと言っていたので、散らすことを意識してやっていた。ぼくのところでボールが収まった。あれを前半からやれたら良かった」(遠藤)
明らかに流れは改善されたが、ペルーの守りは固い。押し込めばゴールできそうな相手を前に、日本は攻め続けた。そんなロスタイムの94分の場面。点を取りに行った直後のカウンターから、84分に交代出場の、つまりスタミナ十分のグスタボ・エンリケ・バサージョに決勝ゴールを決められてしまう。典型的な弱者のサッカーをやられてしまった。
この敗戦に対してはいくつかの評価ができるが、ここで悲観しても仕方ないこともあり、三浦の「最後は点を取りに行ってやられたんですが、本番でなくてよかった」という言葉や三都主の「バーレーン戦を考えると、今日のペルーは似ていたかもしれない。DFラインは大きな選手がいて、全員がカウンター狙いのサッカーだった。うちは点がとれなくて少し焦って、最後の最後にスペースを与えてやられてしまった。そこは修正しなくはいけない」という姿勢を支持したい。仮想バーレーンとしてはいい経験ができた。
キリンカップ第二戦目となるUAE戦は、当初から仮想バーレーンとして想定した相手だ。この試合でペルー代表に教わった教訓を生かしてほしい。攻守のバランスを取りながら、うまく試合を進めてほしい。そして最終予選に向けて、結果を残しておきたいところだ。
2005.05.22 Reported by 江藤高志
以上
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