5月20日にFIFA U-20ワールドカップアルゼンチン2023が開幕。初優勝を目標に世界へ挑む若き日本代表たちの中には、明治安田生命Jリーグで活躍する選手も多くいる。U-20日本代表に選ばれたプレーヤーが今季のリーグ戦でどのようなスタッツを残しているかに注目し、紹介していく。
※2023年5月7日終了時点のリーグ戦のデータを使用
●松木 玖生(FC東京)/J1 7試合(先発7試合)610分出場
強じんなフィジカルと豊富な運動量、物怖じしないメンタルを持ったMF。2023年3月に行われたAFC U-20アジアカップウズベキスタン2023ではFWも務めるなど器用さも見せたが、Jリーグではボランチやインサイドハーフなど、中盤を専門に活躍している。昨季若くして主力の座をつかみ、今季も7試合で先発出場(U-20世代の中でリーグ1位)をするなど多くの経験を積んでいるレフティーは、特に運動量に関する数字が目立っている。ここまでの1試合の平均走行距離は12.025kmで、これは世代別の枠を超え、リーグ全体でみても4位の数字だ。また、球際の強さも持ち味のひとつで、守備プレー数(タックル、クリア、ブロック、インターセプトの合計値)は56回を記録し、U-20世代の中でリーグ1位。また、これまでのU-20日本代表の試合ではセットプレーの場面でゴール前に入り、合わせるような場面も目立ったが、所属のFC東京ではセットプレーのキッカーを任されており、相手陣で蹴ったFKとCKの数は合計37回と、チーム1位となっている。攻守両面でさまざまな役割をこなし、幅広くプレーできる彼の活躍に期待がかかる。
●佐野 航大(ファジアーノ岡山)/J2 10試合(先発10試合)845分出場
左サイドを主戦場に、中央もこなせる希代のアタッカー。高い技術力とドリブルを生かして相手を翻弄し、守備網を切り裂く。昨季の後半戦から主力として活躍しており、今季も欠かせないチームのキープレーヤーとして存在感を示している。今季ここまでで目立つスタッツは、やはりドリブル関連だ。ドリブル数は30回でU-20世代の中で1位を記録しているほか、ドリブルからのクロス数も11本で同1位となっている。5月3日に行われた第13節のモンテディオ山形戦では、後半序盤に左サイドから果敢に仕掛け、相手をずらしてから精度の高いクロスを供給。「らしいプレー」でアシストを記録した。今大会の強豪相手にも積極的なプレーを仕掛けてくれるだろう。
●高井 幸大(川崎フロンターレ)/J1 5試合(先発5試合)450分出場
高校2年生でプロ契約を勝ち取った若き逸材。今季はセンターバックに負傷者などが相次いだチーム事情も重なり、定位置を確保して主力と呼べるまでに成長している。ここまでのJ1出場時間は450分で、U-20世代では前述した松木 玖生に次いでリーグ2位だ。190㎝超の体格を生かした空中戦(空中戦勝利9回:U-20世代センターバックの中で1位)が魅力的なだけでなく、機動性も持ち合わせており、隙があればボール奪取から持ち上がることもできる。世界を相手にどのような戦いぶりを見せてくれるだろうか。
●山根 陸(横浜F・マリノス)/J1 6試合(先発4試合)392分出場
本職のボランチだけでなく、右サイドバックとしても出場。出場392分は今回の代表メンバーの中ではJ1リーグ3位となっている。3プレー以内にシュートに至った縦パス数は90分換算で1.6本(チーム1位)とゲームメイク力に長け、リズムを変える縦パスでチャンスを作り出すほか、AFC U-20アジアカップウズベキスタン2023ではゲームキャプテンとしてチームをけん引した試合もあるなど、統率力にも注目だ。
●松田 隼風(水戸ホーリーホック)/J2 6試合(先発5試合)512分出場
左サイドバックを専門とするレフティー。ここまでJ2で512分出場しており、今回の代表メンバーの中ではJ2リーグ2位。左足の精度が最大の武器で、クロス成功率は33.3%と高い数値を残していることからも分かる通り、クロスから多くの決定機を作り出せるプレーヤーだ。
●安部 大晴(V・ファーレン長崎)/J2 8試合(先発4試合)347分出場
アカデミー出身の左利きファンタジスタ。今回の代表メンバーの中での出場時間はJ2リーグ3位。今季はトップ下を中心に、サイドハーフ、ボランチでもプレー。途中からの出場も4試合と多く、途中出場時ではJ2リーグ1位タイとなるスルーパスによるラストパスを2本記録している。
文章/データ提供:データスタジアム株式会社