今日の試合速報

国立決勝、60クラブの頂点が決まる 3年ぶりの王座奪還か、アルビが頂点で輝くか levaincup2024FINAL 11.2(土)13:05KO 国立競技場 フジテレビ系列で全国生中継 名古屋vs新潟
国立決勝、60クラブの頂点が決まる 3年ぶりの王座奪還か、アルビが頂点で輝くか levaincup2024FINAL 11.2(土)13:05KO 国立競技場 フジテレビ系列で全国生中継 名古屋vs新潟

コラム

データコラム 数的有意

2022/5/25 17:00

2022明治安田生命J1リーグ 上位3チームの特徴

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

集中開催されたアジアチャンピオンズリーグのグループステージも終了し、変則的な日程で行われたリーグ戦も各チームの試合数が揃いつつある中、早いもので、今季の折り返し地点も目の前まで迫ってきている時期だ。ここまでの戦いで、今季の「J1トップ3」となっているのは、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ、横浜F・マリノスの三者。今回は、この3チームがリーグ1位となっているスタッツ取り上げ、チームの特徴を紹介する。※5月22日時点でのデータを使用

●川崎フロンターレ 1位 勝点30 9勝3分2敗

キーワード「パスで崩す攻撃は継続」「制空権」

直近5年で四度の優勝を誇り、クラブ史上初のリーグ3連覇を目指している「王者」川崎フロンターレ。今季は2試合で4失点を喫してしまうなど、歴史的な好守備を見せた昨季と比較してやや守備陣が崩れてしまっている印象もあるが、無失点勝利数(クリーンシートで白星)は8ゲームでリーグトップと、その他の試合では堅守は健在、と言えそうだ。特に、アジアチャンピオンズリーグで敗退を喫してしまって以降の4試合では、気持ちの切り替えを見せ、より結束力が高まったことで4試合すべて無失点となっている。

攻撃面でも、アタッキングサードでのプレー数、ショートパス数、PA内へのスルーパス数、敵陣パス成功率といった数値がいずれもリーグトップとなっており、「相手を押し込んでパスで崩す攻撃」を表す関連スタッツで好数値が出ている。「連続パス10本以上成功回数」といった多くの選手が攻撃に絡むような項目でも同様にリーグトップとなっており、川崎フロンターレらしい攻撃サッカーが今季も引き継がれている証左といえよう。また、ボール奪取からシュートまでの平均経由時間は最短で、後述する鹿島アントラーズや、昨季までの川崎フロンターレと同様に、即時奪回、即攻撃の姿勢もスタッツに表れている。

一方、絶対的な王者となったことで相手に対策を講じられる試合も少なくなく、思うように崩し切れない場面が多いことも今季は印象的だ。昨季、3得点以上奪った試合は13試合あったが、今季はまだないこともそれを表している。
それでも、「陸がだめなら空がある」のが王者たる所以で、CKからの得点はリーグでもっとも多い。守備面でも空から得点を許さないプレーが光っており、セットプレーからの失点1はリーグ最少、自陣PA内へのロングパスに対する空中戦勝率はリーグ最高値となっている。ホームで行われたアビスパ福岡戦や、アウェイで行われたヴィッセル神戸戦は、いずれも内容面で苦しみながらセットプレーをうまく生かして勝点3を奪った、まさに今季のここまでを象徴するような試合となった。3連覇へ向け、このまま粘り強く首位の座を守れるだろうか。

●鹿島アントラーズ 2位 勝点29 9勝2分3敗

キーワード「奪ったら即時に縦へ」「先行逃げ切り型で勝負強さを発揮」

首位を勝ち点差1で追うのが2016年以来のリーグ優勝を狙う、鹿島アントラーズだ。4月のコラムでも取り上げたように、上田 綺世と鈴木 優磨という強力な2トップを擁し、中盤や守備陣も一体感を持ってプレーすることで、勝点を積み重ねている。今季から新たにレネ ヴァイラー監督が就任し、欧州路線を取り入れて進化を続けているが、中でも特筆すべきスタッツはカウンターに関連するデータだ。ボール奪取5秒未満での前方ロングパス数はリーグ1位の数字となっており、さらにボール奪取から10秒未満での得点はここまで8ゴールで、こちらもリーグ1位。奪ったらすぐに前方へシンプルにパスをつなぎ、そこから一気にゴールまで持ち込んでしまうのが今季の鹿島アントラーズの大きな特徴だ。加えて、タックル数、敵陣空中戦数もそれぞれリーグ1位の数値で、敵陣でのボール奪取数もリーグ2位となっている。いかに球際への意識がチーム内で統一されているかが、数字の面でも理解できるだろう。さらに、ラストパスの1タッチ比率の高さもスピーディーな攻撃を表す数字と言えるだろう。また、前述した強力なストライカーの存在はやはり大きく、枠内シュートはリーグ2位の69本、ポストやバーに当たったシュートの数(枠内シュートには含まれない)は9本で、こちらはリーグ単独トップ。シンプルに前へつないだあとは、アタッカー陣が正確にゴールへ打ち込む仕事をこなしていることが強さの秘訣と言えそうだ。

さらにもう1つ、鹿島アントラーズといえば「伝統的な勝負強さ」を持つ、としばしば評されるが、今季は特にその傾向が顕著だ。ここまで先制に成功した試合は8試合で、7勝1分けで終えている。また、前半30分までに決めた得点は9でリーグトップだ(1-15分:5点、16-30分:4点)。試合開始直後からギアを上げて勝負を挑み、早い段階で先制点を獲得してそのまま逃げ切るスタイルを志向していることが明確に表れている。

●横浜F・マリノス 3位 勝点25 7勝4分3敗

キーワード「丁寧につなぐサッカーとハイライン守備の継承」

昨季途中に就任したケヴィン マスカット監督が初めてシーズン開始時から指揮をとる今季。平均ボール支配率、ゴールキーパーのパス受け数、ディフェンシブサードへのゴールキック数(短いゴールキック)といったスタッツがいずれもリーグトップとなっており、一方で敵陣での空中戦数はリーグでもっとも少ない。これまで横浜F・マリノスが時間をかけて磨き上げてきた「ゴールキーパーを含めて丁寧にビルドアップを行い、ボール支配率を高めるサッカー」の継承という側面はかなり強いようだ。さらに、攻撃的なサッカーを標ぼうするチームとして、その関連数値でもしっかりと結果を残しており、総得点26はリーグ最多、枠内シュート数もリーグ1位だ。また、76分以降の得点数9もリーグでもっとも多く、今季は特に終盤で攻撃陣が強さを発揮していることが分かる。

もう1つ、彼らの代名詞ともいえる「ハイライン守備」を今季も継続していることも、明確にデータが出ている。最終ラインの高さの平均は46.6m(自陣ゴールラインからの距離)で、リーグでもっとも高い位置であり、対戦相手のオフサイド数も最多。相手チームのパス成功率はもっとも低い数字に抑えており、強気の最終ライン設定が功を奏していることがお分かりいただけるだろう。同様のサッカーでシャーレを勝ち取った2019シーズンの再現となるか、注目だ。

(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)