開幕前の注目ポイントとして、「オフシーズン中の選手の移籍」は外せない話題だろう。結果を残して別クラブへ引き抜かれる選手、ステップアップを目指して移籍をする選手。出場機会を求めて移籍に踏み切るなど理由はさまざま。
また、プロとしての第一歩を踏み出す選手、数多くあるリーグの中から日本でのプレーを選択してやって来た外国籍選手など、初めてJリーグに挑戦する選手も多い。
そのような新加入選手たちがどれだけ早くチームにフィットできるか、華々しい活躍を見せてくれるか、ファン・サポーターにとっては大きな楽しみの1つだ。
今回は改めて2017年シーズンの開幕前に移籍をした選手の中で、迎えたリーグ戦で出場時間を延ばした選手がどのくらいいるのかを取り上げてみた。
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選出基準は2016年シーズンのリーグ戦での出場時間が1000分以下(複数チーム在籍の場合は合算)で、2017年シーズンの出場時間が各カテゴリーのリーグ戦総試合時間×2/3以上(ex J1であれば、90分×34試合×2/3=2040分以上)だった選手。なお、U-23チームでの出場は考慮しないものとする。
まずはJ1のチームへと移籍した選手たちを見てみよう。
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年齢的にも実力的にも中堅以上といって差し支えない顔触れが比較的多い印象だ。単独で「J1残留」となった川又 堅碁は磐田のエース格となり、日本代表にも再選出。また、規模の大きなチームから、J1定着や上位をうかがうチームへと移籍した選手が、出場機会を得ていることもポイントか。全員がJ1からJ1という動きであり、下位のカテゴリーで出場機会の少なかった選手がJ1の舞台で出場機会を増やすケースはまれであることがうかがえる。さらに、ここに挙がった選手たちは今季も引き続き同チームで戦うことが決定済み(2/20現在)。存在意義を裏付けるように、石原 直樹や横山 知伸などは期限付き移籍から完全移籍へと移行した。
こちらは「初めてのJリーグ」で出場時間が長かった選手だ。
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2017年3月3日更新の「数的有意」では、類似のパターンで「外国籍選手、初めての日本で結果を残せるのは?」として取り上げているが、今回はJリーグへの初加入選手全員にスポットを当てている。とはいえ、昨季J1リーグ戦で2/3以上に出場した新人の選手はゼロだった。
続いてJ2。
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チーム数の違いは当然考慮しなければならないが、表の大きさからもJ1からJ2へとやってきて出場機会に恵まれる選手は多いと感じられるだろう。獲得するチームとしても上位カテゴリーでの経験値を含めて評価をしており、当然の成り行きといえる。一方で、期限付きでの移籍も含め、若手が経験を積むためのチャレンジとしても成立していることがわかる。
そしてJ1との大きな違いは、新人を大胆に起用できるという面ではないだろうか。次表には「初めてのJリーグ J2版」を記載したが、岐阜の大本 祐槻や古橋 亨梧は、新人でありながらも全試合で先発出場を果たしており、チームにとって欠かせないピースとなっていた。選手の実力を見極め、起用し続けた大木 武監督の采配も見事である。
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開幕前に改めて昨年のデータを振り返ることで、2018年の新加入プレーヤーたちがどのような成績を残せるかという期待も膨らむはずだ。先立って行われたFUJI XEROX SUPER CUPにおいては、川崎Fでは守田 英正、C大阪では高木 俊幸が、それぞれ好印象を残した。
今季、同様の条件を満たす選手としては、J1では梅崎 司(浦和:355分→湘南)、富樫 敬真(横浜FM:563分→FC東京)、東京オリンピック世代の三好 康児(川崎F:455分→札幌)、板倉 滉(川崎F:72分→仙台)、J2では同世代の神谷 優太(湘南:414分→愛媛)、黒川 淳史(大宮:83分→水戸)、小島 雅也(仙台:7分→町田)、麻田 将吾(京都:79分→讃岐)などがおり、新天地での活躍が望まれる。
(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)