長かったシーズンもラスト1試合を残すのみとなった。優勝争いも激しさを増しているが、個人タイトルも白熱の様相を呈している。現在、J1の得点ランキングのトップ3は杉本 健勇(C大阪)、興梠 慎三(浦和)、小林 悠(川崎F)。4位以下との差を考えれば、この3人に絞られたといってもいいだろう。簡単にではあるが、各選手のスタッツを比較してみよう。
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◆杉本 健勇(セレッソ大阪) FWはかくあれ、という言葉を形にしたようなストライカーで、当たりに強く、自ら仕掛けてもいける技術と積極性を併せ持つ。シュート数はリーグ2位、ドリブルからのシュート数はリーグ1位となっている。空中戦でも力を発揮し、セットプレーから6点を挙げている(興梠2点、小林3点)。昨季はJ2で14ゴールを奪ったが、J1での二桁得点は自身初。その活躍が認められて日本代表に招集されると、初キャップから初ゴールまでを記録した。18節からのリーグ後半戦で15得点、直近の5試合でも6得点の勢いそのままに、最終節でもネットを揺らせるか。
◆興梠 慎三(浦和レッズ) ACLでも確かな存在感を示した浦和の1トップは、自身のキャリアハイ(16年の14得点)を大幅に更新する20得点を挙げて現時点で2位タイにつける。6年連続となる二桁ゴールを記録し、J1通算でも120得点で歴代8位に。なにより特筆すべきは決定力の高さだろう。相手のマークを外すのがうまいためワンタッチでのゴール数が多く、ツータッチ以上でのゴールは1点のみ。さらに、3プレー以内にシュートとなるパスもチームトップで、コンビネーションで打開を図る浦和のポストワーカーとしても機能していることがうかがえる。
◆小林 悠(川崎フロンターレ) 川崎F8年目となる小林も、キャリアハイ(16年の15得点)を更新する20得点をマークしている。今季からキャプテンに就任し、チームをけん引。アシスト数8はこの3人の中で最も多く(杉本2、興梠4)、周囲を生かす選択肢も持ち合わせている。小林のゴールを最もアシストしているのは車屋 紳太郎で5回。この5回はリーグでも最多のゴールパターンだ。最終ラインの裏へ抜けるプレーが得意で、味方からのスルーパスを受けた回数はリーグ2位。逆転優勝には勝利しかない大一番で自らゴールを奪い、チームに初のタイトルをもたらすことができるか。
上記3選手の最終節の対戦カードは【新潟vsC大阪】【浦和vs横浜FM】【川崎Fvs大宮】。11月に開催された2試合での対戦相手の失点は、横浜FMが最も多い6失点で、大宮は3失点、新潟は2失点。今季のリーグ戦の同カードで得点を挙げているのは小林のみとなっている。名実ともにJリーグを代表するストライカーたちは、最終戦でいくつのゴールを生み出せるだろうか。
(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)