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2017/7/26 18:53

プレイヤーランキングで振り返る明治安田生命Jリーグ前半戦

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7月16日のJ3第17節をもって各カテゴリーともに前半戦を終えたJリーグ。戦前の予想通り、または想定外の状況など、さまざまな感想を持っていると思われるが、今季の個人スタッツがどのようになっているのかをランキングで振り返ってみよう。
※データの対象試合:J1第17節、J2第21節、J3第17節 終了時点)

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データ

■ゴール数ランキング
J1では興梠 慎三(浦和)が頭1つ抜け出した格好だ。1試合平均0.71とハイペースでゴールを量産。このペースは歴代の得点王に匹敵する数字となっている。興梠と同じペースで得点を積み重ねているのがJ2のイバ(横浜FC)。絶対的なエースであるがゆえに相手のマークも厳しくなるが、追い掛けてくる渡 大生(徳島)やウェリントン(福岡)を振り切れるか。J3では昨季の得点王・藤本 憲明(鹿児島)が健在だ。加えて、今季からJ3に参入した沼津の薗田 卓馬が同じ11得点で並んでいる。

■シュート数ランキング
クリスティアーノ(柏)がJ1のトップ。代名詞ともいえる積極的に放つ弾丸ライナーは、年々精度が高まってきている。J1の上位にきた3名はゴール数ランキングのトップ3には入っていないが、J2・J3ではイバや藤本のように、どちらにも名を連ねている選手が多いというのも興味深い。

■アシスト数ランキング
川崎Fの攻撃陣をけん引する小林 悠が単独トップ。点も取れてお膳立てもできる、真のエースになりつつある。同じく川崎Fの阿部 浩之も得点・アシストともに上位にきており、小林と良好な関係が築けている。負傷欠場から復帰して以降の好調さは誰の目にも明らかで、まだまだ勢いは衰えそうにない。採用するシステムの関係か、J2ではワイドの選手が上位を占めた。トップの駒野 友一(福岡)のアシストのうち5つはウェリントンへのもの。両者のホットラインは、相手にとって非常に厄介な存在だ。J3では田中 智大(秋田)がトップに。こちらも点を取るだけでなく、周囲を生かすプレーもできるFWだ。

■パス数ランキング
チームのスタイルが如実に表れた格好だ。J1で1位のエドゥアルド ネット(川崎F)は中盤でかじ取り役をこなしつつ、今季は縦へのボールも増えた。J2のランキングは岐阜勢が独占。庄司 悦大の1試合平均パス数は、同様にパスサッカーを志向するエドゥアルド ネットよりもおよそ10本多く、秋山 貴嗣(鳥取)と比較すると、実に30本近く差がある。いかにボール回しの中心となっているかがうかがえるだろう。

■クロス数ランキング
J1トップは法政大から今季加入したばかりのルーキー、永戸 勝也(仙台)。開幕戦からスタメンに抜てきされ、このランキングの常連であるミキッチ(広島)を上回る数を記録。A契約の締結にも至っただけに、負傷による長期離脱は非常に残念だ。J2では「左の安在」というイメージの強い安在 和樹(東京V)だが、ロティーナ監督は大胆にもしばしば右サイドでも起用。逆足でゴールに向かうクロスやフィードを増やしたいという狙いか。J3では藤枝から久富 良輔、平石 直人の2名がランクイン。特に、平石は後述のドリブル数ランキングと併せて出場試合が少ないながらも回数を重ねた。仕掛けてクロスという持ち味を遺憾なく発揮している。

■スルーパス数ランキング
チアゴ ガリャルド(新潟)がJ1のトップに。苦しむチームの中で攻撃のタクトを振るい続けている。1試合平均ではプレーメイカーのイメージ通り、中村 憲剛(川崎F)の方が多い。アシストランキングにも顔を出しており、ゴールに直結するスルーパスを狙っているといえそうだ。J2では小塚 和季(山口)が頭1つ抜け出しており、J3では盛岡の2名がランクインしている。

■ドリブル数ランキング
J1は横浜FMのマルティノスと齋藤 学がワンツー。1試合平均の数をみると、J1ではほかのカテゴリーよりも比較的数値が高い。J2のトップは岐阜の新鋭、古橋 亨梧。パス数ランキングとの兼ね合いをみると、中盤でボールを回しつつ、ウイングには勝負をさせるというのが大木監督の1つの形だろうか。

■敵陣空中戦勝利数ランキング
いずれのカテゴリーを見ても、納得の面々がそろったといえるだろう。特に、ウェリントン、ケヴィン オリス(京都)の1試合平均の数は10回以上。J1屈指のエアバトラー、都倉 賢(札幌)や豊田 陽平(鳥栖)を大きく上回っており、J1とJ2では戦い方に違いがあることをうかがわせる。

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データ

■タックル数ランキング
屈指のボールハンター、ソウザ(C大阪)がJ1でトップ。1試合平均の数も他の選手を上回っている。中盤の選手が多い中で、6月以降の磐田の躍進を支える大井 健太郎が2位に食い込んだ。J2では吉野 恭平(京都)が、J3では畑本 時央(盛岡)と広瀬 健太(栃木)の2名が同数で1位となっている。

■シュートブロック数ランキング
J1のトップは平岡 康裕(仙台)。被シュート数に比例する側面もあるが、下記項目の自陣空中戦勝利数においても2位にランクインするなど新システムを採用したチームの守備をけん引している。

■自陣空中戦勝利数ランキング
敵陣の空中戦勝利数と同じく、こちらもカテゴリー間の差が明確になったデータといえるだろう。J1の選手とJ3の選手では総数に違いが生まれるのは、空中戦の機会自体の差、すなわち戦術的に浮き球のパスやロングボールが後者の方が多いためだと考えられそうだ。

■セーブ率ランキング
J1は同率1位でチョン ソンリョン(川崎F)と飯倉 大樹(横浜FM)がトップに。前者は1点もののビッグセーブが、後者は守備陣と連係しつつコースを限定させてのセービングが多い印象だ。J2で首位に立つ湘南では唯一のランクインとなった秋元 陽太。勝負どころでのシュートストップが記憶に残る。同じく、チーム唯一のランクインが永井 堅梧(富山)。J3最少失点の堅守を支えている。

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データ

■走行距離&スプリント回数ランキング
日本代表の2人を抑えてトップに立ったのは天野 純(横浜FM)。ここまで全試合フル出場を続けており、ただ1人総走行距離200kmを越えている。スプリント回数でも同じく横浜FMのマルティノスがトップに。スピードを生かし、カウンターアタックの先鋒としてスプリントを繰り返している。

さまざまなデータを振り返ってみたが、シーズンはまだ半分を終えたばかり。今季終了時には変動があるのか、あるいは同様の顔触れで推移していくのか。
面白いのは前半戦終了時ではJ1首位の鹿島から誰の名前も挙がらなかったことだ。AFCチャンピオンズリーグとの兼ね合いなどからどのポジションもローテーションを行っている関係で、総数では差が生じているのだろう。抜きん出た絶対的な選手を作らずに首位に立っているという、層の厚さと戦術の浸透力には驚かされる。
(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)